企業による顧客対応に関して、自動音声応答による選択肢が合わずに目的にたどり着けない人が多く、既存の自動化手法では顧客体験に課題が残る実態がある。
「声で世界をつなぐ」を事業ミッションとして掲げる音声対話AI領域のスタートアップのVerbexは、音声UIと対話AIの市場ニーズを把握するために、顧客対応の運用と改善に関与する会社員に調査を実施した。
それによれば、顧客対応の自動化は「試験導入段階」が最多の37.7%にとどまり、顧客が手続きや問い合わせでつまずく要因では「必要な情報に到達できない」が約4割で最多となった。
企業の37.7%が顧客対応の自動化は試験導入の段階
・あなたの業務において、対応の自動化(音声自動応答システム、FAQ誘導、ボットなど)はどの程度進んでいますか。
調査対象者が勤める企業では、顧客対応の自動化に対する回答では「試験導入」(37.7%)がもっとも多く、それに「一部運用」(28.6%)と「ほぼ未着手」(25.5%)が続いた。この結果をみると、本格的に顧客対応の自動化が定着している企業は、まだ少数にとどまっているようだ。
つまずきの原因トップ3は「情報到達」、「入力・手続き」、「要件整理と判断」
・あなたのお勤め先の顧客が、手続き/購入/問い合わせの過程で最もつまずきやすいポイントはどれですか。もっとも近いものをひとつ選んでください
調査対象者が勤める企業の顧客について、手続き/購入/問い合わせの過程でつまずきやすいポイントを質問すると、「情報に到達できない」(40.5%)、「入力・手続きが面倒」(29.1%)、「要件整理・判断で迷う」(14.1%)がトップ3だった。
顧客が手続きや問い合わせの過程でつまずくポイントとしては、「情報に到達できない」がもっとも多く挙がり、必要な情報にたどり着けないことが顧客体験における最初の障壁になっていることが推察できる。「入力・手続きが面倒」や「要件整理・判断で迷う」といった回答も続いているので、情報提供だけでなく手続きの簡略化や意思決定を支援する導線設計も必要だろう。
約半数が困りやすい状況として「選択肢が合わず、目的にたどり着けない」と回答
・あなたのお勤め先の顧客が、自動音声/自動応答で困りやすい状況を選んでください。
調査対象者が勤める企業の顧客では、自動音声/自動応答で困りやすい状況の回答として「選択肢が合わず、目的にたどり着けない」(50.9%)、「何を選べばよいか分からず迷う」(33.2%)、「同じ説明を何度も求められる」(27.3%)が上位だった。自動音声/自動応答の課題は、顧客が選択肢から適切な導線を見つけられず、目的の手続きや問い合わせに到達できないことだといえる。
「何を選べばよいか分からず迷う」や「同じ説明を何度も求められる」といった回答が上位なので、現在の自動応答システムでは顧客の意図を十分に汲み取れず、スムーズな対応につながっていないケースが多そうだ。
音声による対話や操作がスムーズな導線につながる?
・音声による操作/対話が役に立つ可能性について、あなたの考えに近いものを評価してください。
・今後1年以内の「音声UI/対話AI」の導入状況にもっとも近いものを選んでください。
音声による操作/対話に関する回答のうち期待している評価では、「思考を整理する場面では、入力より会話の方が負担が減ると感じる」(67.3%)がトップで、それに「情報を探索する場面では、音声の方が早く迷いが減ると感じる」(66.3%)が続いた。
音声による操作や対話は、単なる入力手段の代替にとどまらず、顧客が情報を整理したり選択肢を探したりする場面で負担軽減やスムーズな導線につながる可能性が高そうだ。特に「思考」や「探索」といった判断や情報収集を伴うプロセスでは、文字入力よりも会話形式の方が直感的に進められると感じる層が多い。
企業側の取り組みとしては、今回の調査対象者が勤める企業の今後1年以内の「音声UI/対話AI」の導入状況では、「検討中(半年以内に判断したい)」(55.0%)と「情報収集中(1年以内に検討したい)」(12.3%)を合わせると「音声UI/対話AI」に関心のある企業が過半数以上を占めた。
次いで多かったのは「すでに導入済みor拡張予定」(17.3%)で、すでに取り組みを進めている企業も一定数は存在していた。ただ多くの企業は、音声UI/対話AIの活用に関心を持ちながらも本格導入はこれからのようにみえる。
音声UIと対話AIの導入で重視するのはKPI改善見込みがトップ
・「音声UI/対話AI」の導入・拡張を判断する上で重視する条件をすべて選んでください。
調査対象者が考える「音声UI/対話AI」の導入・拡張を判断する上で重視する条件のベスト3は、「KPI改善見込み」(43.2%)、「既存システム連携の容易さ」(39.5%)、「運用のしやすさ」(39.1%)だった。導入判断では、技術的な先進性よりも成果につながる具体性や既存業務への適合性が重視されていた。
「KPI改善見込み」が最多となった点から、音声UI/対話AIには実証可能な効果が求められているようだ。「既存システム連携の容易さ」や「運用のしやすさ」も上位なので、導入のハードルを下げて現場で継続的に活用できる設計が普及の鍵といえる。
『音声UIと対話AIの運用・改善に関与する会社員調査』概要
調査対象:20歳から69歳の顧客対応の運用・改善に関与する会社員。居住地は全国
調査人数:220名
調査時期:2026年1月27日~2026年1月28日
調査形式:WEB調査
構成/KUMU







DIME MAGAZINE


















