アルバイトとして勤務している人でも、有給休暇を取得できることがあります。労働基準法のルールに基づき、有給休暇が付与されるかどうかをチェックしましょう。
1. アルバイトでも有給休暇は取得できる?
労働基準法では使用者に対し、一定の条件を満たす労働者に有給休暇を付与することを義務付けています。アルバイトでも、労働基準法の条件を満たせば有給休暇が付与されます。
1-1. 有給休暇が付与される条件|アルバイトでも取得できることがある
有給休暇は、次の(1)~(3)の要件をすべて満たす労働者に対して付与されます。
(1)雇入れの日から起算して、6か月間続けて勤務した
(2)基準期間における全労働日のうち、8割以上出勤した
※基準期間とは、次の期間をいいます。
(a)最初に付与される有給休暇
雇入れの日から起算して6か月間
(b)2回目以降に付与される有給休暇
前回の付与日の翌日から起算して1年間
(3)所定労働日数が次のいずれかに該当する
(a)週1日以上
(b)年48日以上
アルバイトであっても、週1日以上の勤務を6か月以上続けていれば、有給休暇を取得することができます。
1-2. アルバイトに付与される有給休暇の日数
アルバイトに付与される有給休暇の日数は、継続勤務期間と所定労働日数に応じて決まります。所定労働日数は、週単位または年単位のうち、有給休暇の日数が多くなる方を用います。
たとえば、週2日(年73日以上120日以下)のシフトで2年6か月間続けて勤務したアルバイトには、4日間の有給休暇が付与されます。
2. 有給休暇の取得に理由はいらない|原則として自由に取得できる
アルバイトが有給休暇を取得する際、雇用主に対して理由を伝える必要はありません。有給休暇は、理由を問わず取得できるためです。
もし雇用主から理由を聞かれても、答える義務はありません。「家庭の都合」などと言っておけばよいでしょう。
有給休暇を取得する時期も、原則として自由です。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、雇用主が有給休暇の付与時期を変更できることがあります(=時季変更権)。
3. 有給休暇を取得できるのは、付与されてから2年間
有給休暇は、付与されてから2年が経過すると時効によって消滅します。消滅してしまう前に、計画的に有給休暇を取得してください。
4. アルバイトが有給休暇を取得した場合、その日の給料はいくら支払われる?
アルバイトが有給休暇を取得した日については、勤務していなくても給料(賃金)が支払われます。
支払われる給料の額は、次のいずれかの方法で計算することになっています。雇用主は、就業規則等による事前の定めに従って計算しなければなりません。
(1)平均賃金の額
※おおむね、直近3か月間の給料を総日数で割った額
(例)
直近3か月間の給料が合計18万円、その期間の総日数が90日間の場合は、1日当たり2000円
(2)所定労働時間労働した場合の賃金の額
(例)
時給1200円、所定労働時間が1日4時間の場合は、1日当たり4800円
(3)健康保険の標準報酬月額の日割額
5. 雇用主に有給休暇の取得を拒否されたら?
アルバイトに付与された有給休暇の取得を、雇用主が不当に拒否することは労働基準法違反に当たります。
もし雇用主に有給休暇の取得を拒否されたら、事業場を管轄する労働基準監督署か、または弁護士に相談してください。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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