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なぜ、40代になると「働かないおじさん」になっていくのか?理由は〝自己効力感〟の低下にあり!

2026.03.05

かつては情熱を燃やしていたのに、気づけば挑戦を避ける側に回っている——。40代以降に訪れる“静かな停滞”の正体は、怠慢ではなく「自己効力感」の低下にあるかもしれません。

職場で見かける、どこか覇気のない中高年層を揶揄する「働かないおじさん」という言葉。もしあなたがその言葉に対して、「自分には関係ない」と思いながらも、どこか胸の奥がざわつくような感覚を覚えるなら、それは心の奥底にある停滞感のサインかもしれません。

かつては若手としてバリバリ働き、組織に貢献しようと情熱を燃やしていた時期があったはずです。それなのに、いつからその情熱を忘れてしまったのでしょうか。

実は、周囲から「働かない」と映る態度の裏側には、単なる怠慢とは言い切れない心理的な背景があります。もちろん、中には「いかに楽をするか」と考えている自覚がある人もいるでしょう。しかし、その根底にあるのは「これ以上傷つかないために、動かないことが最善である」と脳が判断してしまっている、防衛本能に近い状態と言えるのです。

本記事では、40代以降に陥りやすい心理的な罠の正体を、産業カウンセラーの視点から解説していきます。停滞の源を知り、もう一度「自分ならできる」という感覚を取り戻すためのヒントをお伝えします。

なぜ「働かなくてもいい」という選択をしてしまうのか

周囲から見れば「あの人はいつもさぼっている」と映るその姿勢は、実は心が積み重ねてきた経験の結果かもしれません。なぜ、かつて持っていたはずの向上心や情熱が、「今のままでいい」「働かなくてもいい」という冷めた諦めに置き換わってしまったのか。その深層心理をまずは見ていきましょう。

■諦めの正体は「学習性無力感」

新しい挑戦やスキルの更新が億劫になる背景には、脳が「学習性無力感」という状態に陥っている可能性があります。

学習性無力感とは、自分の力ではどうにもできない状況に長く置かれることで、何をやっても無駄だという感覚を脳が学習してしまう心理状態のことを言います。

かつては組織のためにと声を上げた時期があっても、上司の一蹴や不条理な決定に阻まれる経験が重なると、脳は自分を守るために「これ以上エネルギーを割かない」という適応を選びます。期待しても裏切られるだけなら、最初から動かないほうが賢明だと、脳が効率的にブレーキをかけている状態なのです。

■働かないことは自尊心を守るための防衛反応

一見、周囲からは意欲を失ったように見える態度は、これ以上傷つかないための防衛反応でもあります。

40代以降、これまでの成功体験が通用しなくなったり、年下の世代が台頭したりする中で、自分の非や衰えを認めることには痛みが伴います。そのため、新しい挑戦を避け、今の範囲内だけでやり過ごすことで、自尊心が損なわれるのを防いでいる側面があるのです。

「今さら頑張っても何も変わらない」という諦めは、単なる怠慢ではなく、これまでの経験から変化しないことを選んでいる状態と言えます。

「どうせ無理」を「できる」に変えるには?

「今さら変われない」という諦めをなくし、今の場所から一歩踏み出すためには、「自分ならできる」と思える確信を取り戻す必要があります。

■カギを握る「自己効力感」という認識

停滞した状態から抜け出すために必要なのは、やる気や根性ではなく、「自己効力感」の再構築です。

自己効力感とは、簡単に言えば「自分ならその課題を遂行できる」という確信のこと。これが枯渇していると、どんなに良いアドバイスを受けても「自分には無理だ」「やっても無駄だ」というブレーキが先に働いてしまいます。

40代以降のキャリアにおいて、この自己効力感をもう一度育て直すことは、スキルの習得以上に重要な意味を持ちます。

■自分の意思でキャリアを再開させる

自己効力感は、一度失ったら終わりという固定的なものではありません。過去の挫折や組織での経験によって、今はただ一時的に低下している状態と言えます。

これまでのキャリアが無意味だったわけではありません。これからの仕事人生を、周囲に流されるのではなく自分自身が納得できる形に変えていくために、「自分ならできる」という確信を少しずつ積み上げ直すことが停滞感を解消する出発点となります。

「自分ならできる」を育てる実践的な習慣

一度低下してしまった自己効力感は、いきなり大きな目標を掲げるのではなく、日常の小さな変化を積み重ねることで育っていくものです。ここでは、今日から取り入れられる3つの習慣をご紹介します。

1.小さな成功を記録し、振り返る時間を持つ

大きな成果を目指すのではなく、日々の業務の中で「予定通りにメールを返した」「資料の1ページを仕上げた」といった小さな達成をメモに残します。

1日の終わりにそれらを振り返ることで、無意識に聞き流していた「できたこと」を脳に再認識させ、着実な前進を実感する習慣です。

2.自分への声かけの質を変える

「どうせ無理だ」「また失敗する」といった否定的な独り言は、自己効力感をさらに削ってしまいます。たとえ小さなミスをしても「次はこうしてみよう」と、自分を客観的に導く言葉を選ぶようにします。

これは自分自身を厳しい批判者としてではなく、冷静な伴走者として扱う練習です。

3.結果ではなくプロセスに目を向ける

他人の評価や数字といったコントロールできない結果ではなく、自分が工夫した点や費やした努力に注目します。

結果がどうあれ「自分はやるべきことを遂行した」というプロセスに価値を置くことで、周囲の反応に左右されない安定した自信を育てていきます。

☆ ☆ ☆

いかがでしたか。今の職場で感じている停滞感は、これ以上傷つかないように自分を守ってきた結果、心のブレーキが外れにくくなっている状態とも言えます。

「自分ならできる」という感覚は、劇的な変化ではなく、日々の小さな習慣から少しずつ戻ってくるものです。今回ご紹介した視点や習慣が、残りのキャリアを自分なりに納得して進めていくための参考になれば幸いです。

文・構成/藤野綾子

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精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。

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