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計画比500%の大ヒットに!7年かけて生まれたアラジン「グラファイトオーブンレンジ」が多くの人を魅了した理由

2026.04.16

「アラジンの魔法で、もっとおいしく、もっとラクに」をコンセプトに開発された『グラファイトオーブンレンジ』。2015年の発売以来、累計400万台以上を売り上げてきた「グラファイトトースター」シリーズの最新モデルだ。発売直後から大きな注目を集め、販売台数は計画の5倍を超える大ヒット商品となっている。

今回は、株式会社 千石 企画本部 商品戦略部 課長 高橋弘真さんに、商品の特徴や苦労した点、ヒットの要因についてお話を伺った。

高橋弘真さん

*本稿はVoicyで配信中の音声コンテンツ「DIMEヒット商品総研」から一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。

独自技術「グラファイトヒーター」が叶えた8つの機能

はじめに、商品の特徴について高橋さんは次のように説明する。

「0.2秒で最大1300℃に発熱する『グラファイトヒーター』を、世界で初めてオーブンレンジに搭載しました。ヒーターとマイクロ波によるレンジ加熱を組み合わせた『グラファイトレンジ加熱』により、さまざまなメニューをワンランク上の仕上がりにできるオーブンレンジです」

本商品は、あたため・レンジ・解凍・飲み物・トースト・リベイク・オーブン・グリルの8つの機能を搭載している。多機能を支えているのが、高火力加熱とマイクロ波、そして食品の温度や状態を見極めながら最適な加熱を行う「赤外線センサー」といった独自技術だ。

「『あたため』ではムラなく加熱ができ、『レンジ』は100Wから最大1000Wまで設定できるため、用途に応じて細かく調整することが可能です。『飲み物』モードでは、温度を検知しながら出力を段階的に制御することで、突沸が起こりにくいようにしています。また、『解凍』は氷の特性を踏まえて、2つの技術を活用しました。いきなり加熱するのではなく、グラファイトヒーターで表面の霜を溶かしてからマイクロ波を当てる仕組です」

さらに、専用付属品を活用することで調理の幅がグッと広がる。

「トーストやグリル調理では、付属のヒートトレイを使います。マイクロ波でトレイ自体を高温にすることで、食材をひっくり返さずに両面から一気に加熱できるのが特徴です。『トースト』はセンサーが枚数を検知して最適な焼き時間に調整してくれるので、枚数や時間を入力する必要はありません。また、『グリル』調理では、ハンバーグのような焼き物も、しっかり焼き色を付けて仕上げることができます」

「オーブン」モードは80℃から設定可能で、ローストビーフなどの低温調理にも対応している。まさに痒い所に手が届く仕様だ。

「『リベイク』では、マジックラックを使います。まずマイクロ波で中まで温め、その後グラファイトヒーターを170~180℃まで引き上げて仕上げる。こうすることで、外はカリッと、中は温かく仕上がるんです」

第一回より

“アラジンらしさ”を求めて。加熱技術とデザインで挑んだ差別化戦略

本商品の企画が立ち上がったのは2018年。発売までの7年間は決して平坦な道のりではなく、企画が頓挫しかけた時期もあったという。

「苦労した点の一つ目が、庫内のサイズです。オーブンレンジでパンをおいしく焼くには、庫内を小さくする必要がありました。ところが庫内を小さくした結果、オーブンレンジとしての基本性能が落ちてしまい、一度企画をストップすることになったんです。また、市場調査にも時間がかかりました。オーブンレンジ市場は初挑戦だったので、ユーザーが何に不満を感じているのか、アラジンブランドに何を期待しているのかを徹底的に調査しました」

アラジンといえば「グラファイトトースター」。短時間で焼き上がるおいしいトーストは、ブランドの象徴ともいえる存在だ。系譜に連なるオーブンレンジだからこそ、トーストには譲れないこだわりがあった。

「アラジントースターで焼いたパンの内部温度や水分量を測定しながら、同じ仕上がりを再現できるまで、何度も試作を重ねました。オーブントースターの開発時は、ヒーターの角度や幅、反射板の角度まで細かく調整しながら、最適な焼き上がりを探るために1万枚近くパンを焼きましたが、今回も同じくらいパンを焼いたんじゃないでしょうか」

競合ひしめくオーブンレンジ市場。その中で差別化の軸となったのが、アラジンならではの加熱技術とデザインだという。

「独自技術のグラファイトヒーターを活用し、お客様が感じているオーブンレンジの不満を解消できた点は大きいと思います。加えて、デザインも重要なポイントです。四角いフォルムの中に、アラジンらしいやわらかなカーブを取り入れました。ドア部分や窓には“アラジンカーブ”と呼ばれる曲線をあしらっていますし、液晶もできるだけ目立たせず、デザインに溶け込ませています。なるべく“家電らしくしない”ことを意識しました」

第二回より

自己採点92点。まだまだ先を目指す

目指したのは、アラジントースターで焼いたトーストの再現。現時点での仕上がりは「92点ほどの再現度」と高橋さんは話す。十分満足できる水準に達しているものの、開発者としてはまだ理想に近づける余地があるという。厳しい自己評価とは裏腹に、ユーザーからは嬉しい声も届いている。

「レビューや口コミで『アラジントースターの横にこのオーブンレンジを並べて眺めるとテンションが上がる』という声をいただいたときは本当にうれしかったですね。『トースターが欲しかったけれど、この1台でその役割も果たせる』といった感想もあり、達成感を感じました。販売も好調で、発売から4カ月で累計約2万台、月間では約5000台のペースで推移しており、当初目標を大きく上回っています」

好調な滑り出しの背景には、明確なペルソナ設定と徹底的なリサーチがある。本商品のメインペルソナは料理への関心が高く、インテリアにもこだわる50代女性。また、サブペルソナとして30代の共働き世帯も想定した。

「ターゲット層を中心に、SNSで『アラジンからオーブンレンジが出るならどんな機能が欲しいか』と質問しました。その中で印象的だったのが、『機能は多すぎなくていい』『シンプルな操作がいい』といった声です。自動調理メニューを多く搭載したオーブンレンジもありますが、使いこなせていない方が多かったんです。そこで自動調理メニューはあえて搭載せず、本当に必要とされる8つの機能に絞り込みました」

発売にあたっては、認知拡大にも力を入れた。オンライン広告に加え、体験型のプロモーションを積極的に展開。発売前から“実際に味わえる場”を設けることで、期待感を醸成していったという。

「TVerやGoogle広告などのデジタル施策はもちろん行いましたが、特に重視したのが体験です。各地域でワークショップやイベントを実施しましたし、実店舗では発売の1カ月前から試食を行いました。発売前から商品を知っていただける環境を整えたことで、発売と同時に“知っているお客様がいる状態”をつくれたと思います」

第三回より

7年の開発が導いた答え。ユーザー起点のものづくりへ

ヒットの要因について、高橋さんは次のように分析する。

「一般的なオーブンレンジは黒や白が中心で、ブランド名を隠してしまうとどこの製品か分からないものが多いですよね。その中で、アラジンらしいデザインを打ち出したいと考えました。ただ、見た目だけでは意味がありません。『グラファイトレンジ加熱』を生かした機能面とデザイン、両方で“アラジンらしさ”を詰め込んだ商品に仕上げた点を、評価していただけたように思います」

7年にわたる開発を経て、高橋さんが得たものは技術だけではなかった。そこから見えてきたのは、ものづくりの姿勢そのものだという。

「プロダクトアウトの発想だけでは、本当によい商品はできないと実感しました。大事なのは、ユーザーの声をしっかり吸い上げ、いま使っているオーブンレンジの不満をどう自分たちの技術で解消できるかを考えること。今回の開発で、その重要性を改めて学びました」

「さらなるアップデートを重ねて、理想に近づけていきたい」と話す高橋さん。進化の先には、新たな商品カテゴリーへの広がりも見据えている。

「ユーザーの方から『キッチンをアラジンで揃えたい』という声もいただいています。キッチン家電の充実はもちろん、もともと当社は暖房機メーカーでもありますので、暖房機のリニューアルや新商品にも挑戦していきたいです」

最後に、DIMEのリスナーに向けてメッセージをもらった。

「見た目のかわいさだけでなく、これまで暖房機で培ってきた“熱をコントロールする技術”を詰め込んだ、アラジンらしい一台に仕上がっています。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ量販店やイベントで実物に触れていただけるとうれしいです」

第四回より

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