企業にとって顧客との窓口になるコールセンターは、展開しているサービスや製品にもよるが、その役割は大きい。コールセンターの対応によっては、企業の印象も大きく変わることもあるはずだ。MMDLaboが運営するMMD研究所と多様なAIおよびAIエージェントを提供しているPKSHA Technologyは、共同でコールセンター従事者を対象に「コールセンター従事者に関する意識調査」を実施して結果を公開した。
今回の調査は、人手不足やAI化などの変化に影響を受けているコールセンターで、オペレーターや管理者が直面する現状の課題を浮き彫りにする目的で行われた。
約3割が顧客対応にAIなどのサポートツールを導入
コールセンター従事者の所属するカスタマーサポート部門で、オペレーターの電話対応をAIで支援するツールを導入しているかについては、「導入している」が31.4%で「導入していない」が68.6%だった。
さらにコールセンター従事者に、人がやらないと解決できないカスタマーサポートがあると思うか質問すると、「あると思う」が82.9%で「ないと思う」が17.1%という結果になった。
人の対応でしか解決できない問い合わせがあると回答した272人に、「人の対応でしか解決できない問い合わせがあると思う理由」を複数回答可で質問すると、「顧客の要望や状況を深く聞き取ることが必要な応対がある」が58.5%でもっとも多く、それに「顧客の感情への配慮が必要な応対がある」(57.7%)、「いろいろな情報を組み合わせて回答すべき応対がある」(50.7%)が続いた。
インタビュー調査のコメントでは、「なくならないですね。私たちはもう人間に慣れてしまっているので、完全にAIに置き換わったときに、人間と話したい欲求が抑えられないと思う。あとAIは感情を読むのがすごく苦手。その人が怒っているかどうかを判断するのって、人間ってあらゆる要素を使って判断している。
そのレベルまでAIが追いつくのはまだ10年ぐらい多分かかる」(センター長・40代男性)といった意見や「私は絶対一定数なくならないと思う。10年後なくなる仕事としてコールセンターがあげられたりしていたが、電話が何やっても減らない状況。
どうしてもDXが進めば進むほど、人と喋りたくなる人が一定数出てくるんだろうなと思っている。規模は小さくなるかもしれないが、絶対なくならないと思う。ここ10年ぐらいではどうにもならない気がする」(SV・40代女性)などの現場の意見があった。
有人対応で顧客に不満を与えた経験者は84.8%
コールセンター従事者328人に、有人対応をする中で顧客に不満を与えてしまった経験を質問すると、「ある」が84.8%、「ない」が15.2%という結果になった。多くの人が不満を与えた経験があると回答した。
有人対応をする中で顧客に不満を与えてしまった経験がある278人に、その要因を複数回答可で質問すると、「顧客の要望があいまいで、対応に手間取った」が43.5%でもっとも多く、それに「知識不足で質問に回答できず、顧客に不満を与えた」(38.5%)、「社内・他部署への連携がスムーズにできず、顧客に不満を与えた」(30.6%)が続いた。
現場に改善を求める項目があると回答した人は85.4%
コールセンターで改善したい項目があると回答した280人に、改善項目を複数回答可で質問すると、最多は「オペレーターの育成」(33.6%)だった。それに「カスタマーハラスメント対策」(31.1%)、「マニュアルやナレッジの整備・更新などが不十分」(27.5%)が続いた。多くの人が改善したいことがあると考えており、トップ3はいずれも3割を超える回答になった。
コールセンターがQA(応対品質の管理や改善)の効果を上げていると感じている人は約3割
コールセンター従事者328人に、コールセンターでのQA(応対品質の管理や改善)活動の効果について質問すると、「効果を上げている」と回答をしたのが7.0%、「やや効果を上げている」が24.1%だった。効果の向上を感じている人は31.1%だった。
有人対応でAIのサポートで対応したい人は78.7%
コールセンター従事者328人に、有人対応時にAIのサポート受けたいかについては、「サポートしてもらいたい」が78.7%で「サポートしてもらいたいことはない」が21.3%という結果になった。約8割がAIに何らかのサポートをしてほしいと考えているようだ。
AIにサポートしてもらいたいと回答した258人に、サポートしてほしいことを複数回答可で質問すると、「応対に必要なナレッジを察知して提示すること」が47.7%でもっとも多く、それに「応対中にハラスメント等のリスクを判定して上司に報告すること」(42.2%)、「応対内容をリアルタイムに書き起こして表示すること」(40.7%)が続いた。対応に関する必要な情報の提示やリスク判定などをAIに補助してほしいと考えている人が一定数いることがわかった。
今回の調査では、コールセンター業務が人手不足と応対の難易度上昇で現場の負荷が増大している実態が浮き彫りになった。コールセンターでのAI活用は、業務負担の軽減、効率化と品質向上のための施策として導入する企業も多くなりそうだ。特に「AIによる応対品質改善(AIQA)」の促進は、現場の負担軽減と品質向上を両立するカギになりそうだ。
『コールセンター従事者に関する意識調査』概要
調査対象:コールセンター従事者
調査期間:2025年12月22日~2026年1月5日
有効回答:328人
調査方法:インターネット調査
設問数:15問
※調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差が出る場合があります。
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2519.html
構成/KUMU







DIME MAGAZINE






















