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エレベーターの遠隔監視、自販機のキャッシュレス決済、コインパーキングの精算、ドコモの3Gサービス停波による影響は?

2026.02.23

普段は何気なく使っている、エレベーターや自動販売機、コインパーキング。

喉が渇いているのにすべてのジュースが売り切れになっていたり、駐車場のゲートが開かなかったりすると焦るはず。

そういった事態を避けるためにも、無人の設備は安全管理などのために、無線回線を使うことが多いもの。

ドコモの3G回線「FOMA」が2026年3月31日で停波するが、もし、ドコモの携帯回線を利用していて、それが3Gのままだったら……突然、機械が止まってしまう、そんな事は起こるのだろうか?

そこで、日本を代表する、エレベーター、清涼飲料、たばこ、駐車場管理会社、道路管理業、宅配業の企業に取材。ドコモ3Gの停波の影響を確認した。

個人ユーザー以上に遅れると深刻な社会問題になる「産業用モジュール」の切り替え

ドコモの3G回線の停波で、特にシニアユーザーは、「長年利用しているガラケーが使えなくなった」と困惑しているかもしれない。

もちろん3G回線が使えなくなることは、個人ユーザーには大きな問題だろう。しかし、自動販売機や高速道路などで使われる産業用モジュールの場合は、多数の利用者に影響が出ることもあり、影響は深刻だ。

■見えない功労者。社会を支える携帯電話回線

産業用モジュールに携帯電話回線が利用されているかは、一見するとわかりにくいもの。もちろん、都市部などは固定電話回線網が張り巡らされており、有線を利用すれば多くの場合はそちらで用は済む。しかし、屋外などの有線環境がないロケーションで使う計測器や、遠隔監視装置の場合、無線であれば設置は容易になる。

自動販売機や駐車場の精算機、監視設備などに、携帯電話回線は、縁の下の力持ちとして活用され、社会を支えているのだ。

■BtoBの携帯電話回線の巻き取りとは? コンシューマーよりも遥かに長い、設備更新サイクルの特殊性

個人利用の携帯電話の場合、3G停波では、端末を4Gや5G対応モデルへの買い換え、4Gや5Gへの契約変更など、すみやかに回線を切り替えられる。

しかし、BtoBの場合は、設備更新のコスト、セキュリティ対策の問題など、3Gが停波するからと即時に対応できるものではない。

FOMA終了でBtoB業界に「静かなる危機」が起きる? 各界に直撃してみた

実際に各業界での対応はどうなっているのか、エレベーター業界の事情を三菱電機ビルソリューションズに、清涼飲料業界の事情を日本コカ・コーラに、たばこはJT、駐車場管理はパーク24に、道路管理は首都高速道路、宅配業はヤマト運輸へ確認してみた。

■1.24時間365日安全を見守るエレベーターの遠隔監視で3G停波の影響は無い? 三菱電機ビルソリューションズに聞く

三菱電機ビルソリューションズは、1954年に前身となる菱電サービスとして設立し、昇降機の保守と修理業務を開始した。その後、1990年に三菱電機ビルテクノサービスへ社名変更。2022年に三菱電機よりビルシステム事業を継承し、現在の社名にて業務を開始した。

社員数は約1万3000名(2023年4月1日現在)、事業者数は約270か所。エレベーター保守管理で国内シェアの約1/3を誇る、業界トップクラスの企業だ。

気になるエレベーターの遠隔監視には、4Gの携帯電話回線を使用しており、情報センターから監視する。また、ユーザーによっては固定回線を使用するケースもあるという。

【参考】三菱電機ビルソリューションズの遠隔監視システム

情報センター
情報センターから連絡を受ける技術スタッフ

4Gへ切り替えているため、今回のドコモの3G停波での影響は受けないとのことだ。

そして、同社のエレベーターのカゴ内にある「SOSボタン」から情報センターへの連絡にも、4Gを利用している。

また、同社のエレベーター「AXIEZ-LINKs」の保守サービスには、エレベーターの呼び出しや行き先階の指定に便利な「スマートフォンサービス」を利用できるが、こちらのアクセスは携帯電話回線が利用されていて、Wi-FiやBluetoothは活用していない。

そして、今後はエレベーターのさらなる進化が見込まれる。

三菱電機ビルソリューションズでは現在、セキュリティや宅配の効率化が期待できる、エレベーターとロボットの連携を実証実験している。

ロボット連携の取材に対応する、三菱電機ビルソリューションズ 先行技術開発部長 地田 章博氏

同社のIoTプラットフォーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」を使った「ロボット移動支援サービス」で、Preferred Roboticsの自律搬送ロボット「カチャカプロ」とエレベーターを連携。大英産業が運営・管理するマンション内で建物内移動の効率化と自動化の可能性を検証中だ。

こちらのサービスが実現すると、各部屋への宅配物の搬送や、住人の買い物荷物を部屋までロボットで自律搬送することが可能になり、また、各部屋からロビーへの荷物運搬(ゴミ出しや旅行バックなど)も可能になる。

「将来的には宅配業者との連携も視野に入れており、宅配ボックスがなく置き配にも対応していないマンションなどで活用することで、再配達の削減につなげていきたいと考えています」(地田氏)

アプリでの操作もでき、その通信には携帯電話回線を使用する予定だ。

【参考】
エレベーターとロボット連携でマンションの部屋まで荷物配送する実証実験を実施
三菱電機ビルソリューションズ

「Apple Watch」にも影響あり!?ガラケーだけじゃない、3G停波で影響を受ける機種は?

2026年3月31日の停波まで、いよいよ秒読みとなっているドコモの3G通信サービス、FOMA。とっくの昔にスマホに乗り換えている自分には関係ない話と思っている人…

■2.日本コカ・コーラに聞く

日本コカ・コーラに3G停波への自動販売機の対応を確認したところ、一部、「Coke ON(コークオン)」アプリに対応するキャッシュレス決済端末で、交換が発生しているとのこと。

*画像はイメージ

なお、日本コカ·コーラは2016年4月から公式アプリ「Coke ON」を開始。対応自販機では製品購入や、決済サービスを登録してキャッシュレスで自販機が利用できる「Coke ON Pay」などの高機能を備える。

【参考】日本コカ・コーラ株式会社 ホームページ

■3.たばこの自動販売機は3G停波しても問題無い?

日本たばこ産業(JT)は、すでに飲料・たばこ双方の自動販売機事業(自販機本体の設置・運営)から撤退している。そのため、JTには3G回線停波による直接の影響はない。

しかし、街中で見かける、たばこ販売店などが所有するICカード(タスポカード)方式の年齢識別方式のたばこ自動販売機については、事情が異なる。年齢識別システム「taspo(タスポ)」が3G回線を利用しているためだ。

taspoは、通信回線を利用してたばこを購入する者が、二十歳以上の者であることを確認する機能の厳格性を担保することで、財務省より年齢識別装置の認定を受けている。そのため3G停波後の継続は困難であるとの判断で、2026年3月31日をもってtaspoのサービスを終了する。

そのため、taspoのサービスが終了するとtaspoカードを使用してのたばこ購入はできなくなる。

その後の自動販売機はどうなるのか? そこで、たばこ自動販売機を所有するたばこ販売店が多く加盟する、全国たばこ販売協同組合連合会(全協)に確認したところ、2026年4月以降は、taspo以外の年齢識別装置(運転免許証・マイナンバーカード方式など)を装備したたばこ自動販売機で、たばこの購入が可能になるという。

【参考】taspo

■4.時間貸し駐車場は3G停波でも大丈夫? パーク24に聞く

時間貸駐車場とカーシェアリングサービスの分野でトップシェアを誇るパーク24グループは、各種サービスの提供に有線通信や無線通信をはじめとする各種通信技術を活用している。

時間貸駐車場「タイムズパーキング」

グループの時間貸駐車場とカーシェアリングサービスは24時間365日、無人運営が基本となっており、通信技術の活用が必要だ。そのため、4Gの展開以前から3Gを採用している。

そこで、2026年3月31日の終了期限より逆算したスケジュールで、4Gなどの代替えサービスへの切り替えを進め、同日までに切り替えを完了する予定となっている。

カーシェアリングサービス「タイムズカー」

また、回線の提供会社を限定せずマルチキャリア化を進めることで、3G回線停波への対策としてきた。

そして、今回の4Gへの切り替えや、利用してきたサービス終了の経験を踏まえ、回線を含む将来の展開を考慮。場合によっては4Gではなく5G対応製品を採用し、長期的なサポートが可能な製品を選定するなどの対策を行っている。

【参考】パーク24株式会社

ドコモ3Gが停波目前!空いた周波数帯、12万を超える3G基地局はどうなる?

ドコモは2026年3月31日をもって、3Gサービス(FOMA)を終了する。3G停波によって空く周波数帯は、今後どのように活用されるのだろうか。 3G停波後のドコ…

■5.高速道路に3Gは使われている? 首都高速道路に聞く

首都高速道路株式会社は、首都高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を行い、道路交通の円滑化を図っている。

総延長は約327kmに達し、年間約4億台の交通を担う首都圏の大動脈として、人の移動や物流を支えてきた。

素材提供:首都高速道路株式会社

同社では、基幹システムに携帯電話回線を使用しておらず、今回のドコモ3G停波の影響はなく、対策を必要としていない。

素材提供:首都高速道路株式会社

【参考】首都高速道路株式会社

■6.物流は大丈夫? ヤマト運輸に聞く3G停波対策

「クロネコヤマト」でおなじみのヤマト運輸は、「宅急便」を中心とした物流サービスを提供している。

同社の「宅急便」は1976年に関東地区でサービスを開始し、2026年に50年の節目を迎えた。

同社によると現在は3G回線を使用していないため、ドコモの3G回線停波によるサービスと社内業務への影響はないとのこと。

【参考】ヤマト運輸

取材・文/中馬幹弘

慶應義塾大学卒業後、野村證券にて勤務。アメリカンカルチャー誌編集長、モノ情報誌編集を歴任。iPhone、iPad登場時よりスマホ実務に携わる。

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