レノボから2025年で4回目となる「CIO Playbook 2026:エンタープライズAIを巡る競争」の結果が発表された。
この調査は、世界の主要市場で3120名、アジア太平洋地域で920名、日本でも多数のITおよびビジネス意思決定者を対象に実施したもので、日本企業がAI活用において大きな転換点を迎えていることが明らかになった。
本稿は2026年2月17日にレノボ・ジャパンから配信されたリリースをベースに、その概要をお伝えする。
「CIO Playbook 2026」の概要:日本では93%の企業が今後12か月以内にAI投資を増加させる計画
調査によれば、アジア太平洋地域全体では96%、日本では93%の企業が今後12か月以内にAI投資を増加させる計画であることがわかった。
投資対象は、生成AIやエージェンティックAI、パブリッククラウドAIサービス、オンプレミスのAIインフラ、AIセキュリティツールなど幅広く、平均で15%の増加が見込まれている。
日本企業では特に、「AIのセキュリティ、信頼性、透明性に関するツール」「AIデバイスの導入」「AI人材の獲得、定着」が重要なテーマとして浮上している。
こうした投資意欲の高まりは、企業のAI導入フェーズが「実験段階」から「本格運用」へ移行していることを示している。
実際、日本企業におけるAI導入状況は、この1年で大きく前進。2025年には21%にとどまっていた試験導入、本格導入企業が、2026年には実に68%へと急増した。
このことは、日本市場がAIを単なる業務効率化の手段としてではなく、成長と競争優位を生み出す戦略的ドライバーとして捉え始めていることを示すものだ。
■ROI(Return of Investment)の検証から成果重視型のAIへ
アジア太平洋地域では88%の企業が2026年にAIからプラスのROIが得られると期待しており、平均して投資額1ドル当たり2.85ドルの収益を見込んでいる。
一方、日本企業のROI予測はこれを上回り、1ドルの投資に対して3.05ドルという、地域トップレベルの収益性が期待されている。AIの導入が進むことで、収益性や業務効率性における明確な価値を実感する企業が増えていることがわかる。
■IT部門の境界を超えて広がるAIの導入
一方で、PoC(概念実証)から実運用への移行は依然として大きな課題であり、AIガバナンス、運用モデル、ライフサイクル管理の重要性が急速に高まっている。
AI導入の主導権もIT部門だけにとどまらず、調査対象企業の半数が「非IT部門がAI計画の予算を持っている」と回答。AI活用はカスタマーサービス、マーケティング、オペレーション、財務、業界固有の業務など、組織全体へと急速に広がっており、CIOの役割は企業横断での調整役、推進役として拡大しており、存在感を強めている。
アジア太平洋地域全体では66%の企業がすでにAIを試験的運用中もしくは組織的に導入しており、15%がAI開発の初期段階、19%が導入を検討中または計画中の段階だった。
日本はこれをわずかに上回り、試験運用中もしく組織的に導入済みの企業が68%、開発の初期段階が13%、導入を検討中もしくは計画中が19%となっている。
■エンタープライズ分野の次なる商機としてAIエージェントが浮上
今回の調査では、エンタープライズAIの次なる焦点として「AIエージェント」が浮上した。アジア太平洋地域では今後12か月でAIエージェントへの関心は2倍に高まることが予想されており、すでに21%の企業が積極的に活用している。
しかし、大規模導入の準備が整っている企業はわずか10%で、41%が「本格導入には12か月以上必要」と回答した。大規模導入には、サイバーセキュリティやプライバシー、データ品質、既存システムとの統合などが主要な課題として挙げられている。
企業が求めているのは「単なるインテリジェンスの追加」ではなく、「コアワークフローの中で確実に動作し、ガバナンスとセキュリティを満たし、一貫した成果を提供するAI」だ。これは、AIが企業の中核に組み込まれていく次のフェーズを象徴している。
■ハイブリッドAIがエンタープライズアーキテクチャの標準に
インフラの観点では、ハイブリッドAIがエンタープライズアーキテクチャの標準となりつつある。アジア太平洋地域の86%の企業がオンプレミスやエッジ環境をAI基盤に組み込んでおり、日本企業でも71%がハイブリッドAIを採用していた。
日本では、データプライバシーや規制遵守、クラウド管理の複雑さ、リアルタイム処理の必要性が主な導入理由となっており、企業のAIインフラ戦略はより堅牢で柔軟な方向へと進化しているようだ。
2026年にCIOが取り組むべき3つの優先事項
「CIO Playbook 2026」では、CIOが今年取り組むべきテーマとして以下の3点を挙げている。
■1:AI推論を価値創出のエンジンへと転換すること
AIモデルの推論コストはトレーニングの最大15倍に達する可能性があり、2030年にはAIコンピューティングの75%が推論専用になると予測されている。また、企業の80%が分散型エッジインフラストラクチャに依存するようになると予想される。
■2:従業員生産性を高めるAIデバイス導入の推進
AI PCの導入が加速し、企業が購入するPCの50%がオンデバイスAIエージェント搭載モデルに移行すると見込まれている。
■3:PoCの壁を越えてAIをスケールさせる仕組みづくり
88%の企業がプラスのROIを期待する一方、実運用へ移行できているのは約半数にとどまるため、スケールが最大の課題となっている。
調査結果に関するコメント
レノボ・ジャパン 代表取締役社長 檜山太郎氏
「AIが企業の戦略と競争力の中心へと位置づけられつつあります。日本企業はAI活用において大きく前進しており、その成長は今後さらに加速すると考えています。一方で、ガバナンスやデータ管理、スケールの問題など、乗り越えるべき課題も明確です。レノボは、企業がこれらの課題を克服し、AIを安全かつ効果的に大規模展開できるよう、インフラからデバイス、AIエージェントまで一貫した支援を提供してまいります」
<CIO Playbook 調査について>
本調査は、レノボがIDCに委託したグローバルCIO調査の4回目で、2025年9月16日から10月17日にかけて実施された。今年のレポートでは、アジア太平洋、欧州、中東・北アフリカ、ラテンアメリカ、北米など世界の主要市場における3,120名のITおよびビジネス意思決定者から得られたインサイトを分析している。対象業界は、金融・保険(BFSI)、小売、製造、通信・CSP、ヘルスケア、官公庁、教育機関など、多岐にわたる。
◎CIO playbook 2026の詳細はこちらから。
・2026 CIO Playbook report (英語) https://www.lenovo.com/us/en/solutions/cioplaybook2026/?orgRef=https%253A%252F%252Fprtimes.jp%252F
・アジア太平洋地域版 CIO Playbook 2026 (英語) https://pages.lenovo.com/2026-SG-CIOPlaybook.html
・アジア太平洋地域版CIO Playbook 2026(日本語)https://www.lenovo.com/jp/ja/solutions/cioplaybook2026/?orgRef=https%253A%252F%252Fprtimes.jp%252F
関連情報
https://www.lenovo.com/jp/ja/
構成/清水眞希







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