定額働かせ放題、撲滅

ここで基礎知識を。今回のAさんのように涙を飲んでいる方はいませんか?
「●●手当が残業代だって言われてるんだけど……すくなっ」
手当以外にも、
「ウチの会社は固定残業代だから……」
「どれだけ働いてもそれ以上の残業代は出ないんだ」
と涙を飲んでいる方が多いと思います。
ほかの呼び方として【みなし残業代】【みなし残業手当】とかも言われています。
しかし!
今回のAさんのように残業代を勝ちとれる可能性があります。以下、OK例とNG例を示します。ご自身の契約書や給与明細と照らし合わせて見てください。
○ OK例
○ 月給25万円(固定残業代 20,000円<10時間分>を含む)
○ 月給25万円(固定残業代 20,000円を含む)
■ なぜOKか?
「この残業代は何時間分に対応してるんだな」と理解できるからです。上のケースのように金額と時間を書いてあると丁寧なのですが、下のケースのように金額だけでもOKというのが一般的な考え方です。「時給換算すれば何時間分かを計算できるでしょ」という考え方です。
× 基本給組み込み型のNG例
A 月給25万円(固定残業代を含む)
〈NGの理由〉
固定残業代はいくらなのか?何時間分の残業なのか?ということがわからねぇ。
A 月給25万円(固定残業代3万円<月45時間分>を含む)
残業代を時給換算すると…666円。最低賃金に届いてねぇ。
A 手当型のNG例
今回のAさんのケースのように、手当として対応してる会社もあります。たとえば会社が「この営業手当は残業代のことだから」と言ってくるケースです。以下のケースで説明します。
基本給 23万円
営業手当 10万円
会社が「営業手当は月45時間分に相当する残業代なんです」と言ったとしましょう。でも、以下のような事情があれば無効になる可能性が高いです。
・営業手当が実質的に見て残業代として支払われていない
たとえば、営業さんの諸経費をまかなう意味合いが強かった
営業さん以外の残業には手当が支払われていない
・45時間を超えた場合に追加の残業代を支払っていない
基礎戦闘力アップ!

固定残業代が無効となるとアナタの基礎戦闘力がアップします。基礎戦闘力とは、むずかしい言葉で言えば【残業代の算定基礎となる賃金】のことです。上のNG例で解説します。
▼NG例(基本給組み込み型)
基礎戦闘力は25万円となります。会社からすれば「いやいや25万円は残業代を含んでるんだから基礎戦闘力はもっと低いですよ!」と言いたいところでしょうが、固定残業代が無効なので基礎戦闘力に組み込まれるのです。
▼ NG例(手当型)
基礎戦闘力は33万円となります(基本給23+営業手当10)。先ほどもお伝えしたとおり、基礎戦闘力が上がれば残業代もアップすることになります。固定残業代 or ナゾの手当てが無効となったら、残業代は跳ね上がります。
オマケ
Aさんの裁判の続き。
会社
「ちょっと待ってください!何十年にもわたり役職手当を残業代として払ってきたんですよ。従業員や労働組合はこの支払いを受け入れてきました」
―― 暗黙のルールってやつですね。裁判所さん、いかがですか?
裁判所
「んなルールは浸透してねぇ。たしかに会社側の証人は『当時の経理部長から役職手当は残業代である』との説明を受けたと証言してます。でもこの方の証言には特段の裏付けがないですし、ほかの従業員は違う供述しているので、この方の証言を全面的に信用することはできません
しかも、会社は給与規定を改訂しようとしていながら、現在に至るまで改訂できてないですよね。それも考慮すると、長期間にわたって役職手当=残業代との認識が全従業員との間で共有されていたとはいえません」
ずっと運用を続けてきたからといってセーフになるわけではありません。
今回は以上です。
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取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
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