売買契約書で確認しておきたい主な項目

契約不適合責任は法律で買主を守る仕組みですが、実際の取引では契約書の記載内容によって、その保護の範囲が大きく変わってきます。
売買契約を結ぶ前に、契約書のどこをチェックすればよいのでしょうか。最後に、確認すべきポイントを具体的に解説していきます。
■契約不適合の対象範囲と責任期間の明記
売買契約書では、契約不適合責任がどの範囲に適用されるのかを明確に確認する必要があります。
具体的には、種類・品質・数量のうちどれが対象となるか、また『容認事項』として責任の対象外となる項目が列挙されていないかをチェックしましょう。責任期間についても注意が必要です。
買主の立場では、容認事項に受け入れが難しい内容が含まれていないか慎重に検討することが重要です。一方、売主が責任を負いきれない項目を特約として明記することで、後のトラブルを防ぐことができます。
■通知期限に関する特約の確認ポイント
契約書では、不適合を知ったときから1年以内に通知するという民法の原則(民法566条)が、そのまま適用されるか、または特約で変更されていないかを確認しましょう。
民法上、当事者の合意により『引き渡しから3カ月以内』など、より短い通知期間を定めることも可能です。ただし、宅建業法や消費者契約法により制限される場合があるため、売主・買主の属性に応じた有効性の確認が必要です。
また、短すぎる期限は買主にとって不利となるため、現実的に検査や通知が可能な期間かを慎重に判断する必要があります。
■免責特約の記載内容と法規制との整合性
契約書に免責特約が記載されている場合、その内容が消費者契約法や宅建業法に違反していないか、慎重に確認する必要があります。
不動産取引において、売主が宅建業者で買主が個人の場合、宅建業法により『引き渡しから2年未満』の責任期間を定める特約は無効となります。
また、事業者・消費者間取引では消費者契約法により、事業者が契約不適合責任を全部免除する条項や、『一切の責任を負わない』という全部免責の記載は、無効である可能性があるでしょう。
不安な場合は、契約締結前に専門家へ相談し、法律上無効となる条項が含まれていないかを確認するのがおすすめです。
契約不適合責任はさまざまなケースで適用される

契約不適合責任は、引き渡し後に発覚した種類・品質・数量の不適合について、売主が負う責任です。旧法の瑕疵担保責任と異なり、『隠れた瑕疵』要件が撤廃され、買主保護が強化されました。
不適合発見時は1年以内の通知が必須で、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除の四つの権利から選択できます。売主の免責特約は原則有効ですが、消費者契約法や宅建業法により制限される場合もあります。
構成/編集部







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