NTTとTBSホールディングス(以下、TBS)は、生成AIの普及が進む社会において、子どもたちが「自分で決める力」を育む次世代エデュテインメント(※1)を創出する共同プロジェクト「e6 project(イーシックス・プロジェクト)」を始動する。
※1 エデュテインメントとは教育(Education)と娯楽(Entertainment)を融合させた「楽しみながら学ぶ」アプローチのこと。
本プロジェクトでは、完全オリジナルIP「感情騎士 – エモーショナル・ナイト -」の開発と、その世界観をリアルに体験できる常設拠点「AIテーマパーク(仮称)」の事業化を両輪として推進。子どもたちが夢中で遊びながら、自分の「好き」や「こうしたい」を選び取る“原体験”を、エンターテインメントとして社会に実装していく。
プロジェクト発足の背景:AI時代に問われる「自分で決める力」
■感情は正解のない世界を進む「羅針盤」
生成AIの普及により、膨大な知識だけでなく、無数のアイデアや「もっともらしい答え」が瞬時に提示される時代が到来した。 こうした環境下において、子どもたちにとって真に重要となるのは、無数の選択肢の中から「どれを選ぶか」「何が自分の本当の望みか」を自分で判断し、決める力となる。
本プロジェクトでは、その意志の根源である「感情(Emotion)」を、自分らしい選択をするための「羅針盤」と捉えた。
そこで両社は、AIを“学ぶ対象”として前面に出すのではなく、心を揺さぶる「物語」と「体験」を起点にすべてのコンテンツを設計。 夢中で遊び、心が動く体験こそが、子どもたちの「これが好き」「こうしたい」という強い意思を呼び覚ます原動力になることを目指す。
両社はこの点について、「e6 projectは、オリジナルIPの創出と、体験拠点「AIテーマパーク(仮称)」の設立を両輪で推進。子どもたちがAIと共に悩み、表現し、自分で未来を選び取る『原体験』を創出します」と説明している。
両社の強みを融合した「共創」の仕組み
本プロジェクトは、両社が持つアセットを掛け合わせることで、子どもたちの「探究」と「決断」を支える体験を創出していく。
■NTT:先端テクノロジー × IOWN / LLM
NTTグループは、次世代情報通信基盤「IOWN」(※2)、NTT版LLM「tsuzumi2」をはじめとする先端技術を統合。「遊びのインフラ」として体験に実装することで、子どもたちの行動や感情の変化に合わせて演出や難易度、物語の展開がリアルタイムに反応・進化する「体験基盤」を提供していく。
※2 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。
■TBS:ストーリーテリング × 探究学習
TBSは、これからの時代に重要となる「探究学習」を推進するため、エデュテインメント専任部署「エデュテインメント事業センター」を新設した。本プロジェクトはその一つの柱として、長年培ってきたクリエイティブ力とストーリーテリングの力を生かし、子どもたちが自ら問いを立て、夢中で没頭できる「世界観」を構築する。
具体的な取り組み:オリジナルIPと体験拠点の相互進化
本プロジェクトは、コンテンツ(IP)の開発と、それを体験する場(ロケーション)の開発を両輪で推進していく。
■1:オリジナルIP「感情騎士 – エモーショナル・ナイト -」の開発

第一弾IPとして、冒険ファンタジー「感情騎士 – エモーショナル・ナイト -」を開発する。「見えない感情」を探す冒険を通じて、子どもたちが自らの価値観に気づくストーリーを展開。 本プロジェクトから生まれるキャラクターやストーリーを、アニメ・ゲーム・グッズなど多角的にメディアミックス展開して、リアル体験へと拡張させていく。
■2:体験拠点「AIテーマパーク(仮称)」の設立
オリジナルIPの世界観をリアルに体験できる拠点として、「AIテーマパーク(仮称)」の設立に向けた事業検証を推進する。「AIテーマパーク」では、先端技術を活用して子どもたちの行動や感情の変化をリアルタイムに捉え、一人ひとりに合わせてストーリーや環境が変化するパーソナライズされた体験を提供。子どもたちが物語の世界に入り込み、AIと共に試行錯誤しながら、「自分で決める力」や創造性を育む拠点として構築していく。
<今後の展開>
第一弾となる体験コンテンツの詳細、体験方法等の追加情報は、2026年2月下旬頃にあらためて発表される予定だ。
「e6 project」の体験設計:6つのE × 3つの体験サイクル
「e6 project」は、Education / Entertainment / Experience / Emotion / Evolution / Epiphany の6つの要素(E)を核に、体験を「没入」「判断」「覚醒」の3つのサイクルとして設計される。これらを循環させることで、子どもたちは遊びながら自然と自分の意思を立ち上げ、テクノロジーと共存しながら自らをアップデートしていく。

【没入】Entertainment(エンタメ)× Education(教育)
「勉強」ではなく「遊び」として熱中する中で、先端技術や新しい知識への興味・関心を自然に引き出す。
【判断】Experience(体験)× Emotion(感情)
デジタルとリアルが融合した特別な体験(Experience)を通じて、自らの心がどう動いたか(好き・嫌い・感動)を自覚する。その「感情(Emotion)」こそが、AIの提案を選び取る「判断の羅針盤」となるはずだ。
【覚醒】Epiphany(ひらめき)× Evolution(進化)
AIバディとの化学反応により、一人では到達できない「ひらめき(Epiphany)」と出会い、テクノロジーを自らの力として取り込むことで、子どもたち自身の能力が「進化(Evolution)」する瞬間を生み出していく。
教育監修者コメント
<東京大学教授・慶應大学特任教授・元文部科学副大臣 鈴木寛氏>
多様化、複雑化が進むこれからの時代の中で、最も大切になるのはテストや受験のために勉強する外発的動機付けではなく、「楽しいから学びたい」という内発的動機付けです。
AIを単なるツールではなく、感情を揺さぶる体験と融合させる本プロジェクトで生み出すエデュテインメントが、子どもたちの興味の扉を開き、あそびを通じた「自分で決める」原体験が、子どもたちの主体性と創造性を育む新しい教育のスタンダードになることを期待しています。
NTT株式会社 代表取締役社長 島田明氏>
私たちは今、知識や情報だけでなく、答えの候補までもが瞬時に提示される時代に入りました。そんな時代にこそ、子どもたちが自分の中にある「好き」「こうしたい」という感情を羅針盤に、自分で選び、決める力がいっそう重要になります。
e6 projectは、AIを“学ぶ対象”としてではなく、”心を揺さぶる物語と体験”として届けることで、子どもたちの意思が立ち上がる瞬間を生み出す挑戦です。TBS様の卓越したクリエイティブ力と、NTTの先端技術を掛け合わせ、オリジナルIPと体験拠点を共創しながら、子どもたちが未来を選び取る原体験を、社会に実装していきます。
<株式会社TBSホールディングス 代表取締役社長 阿部龍二郎氏>
TBSは、「遊びが学びになる」体験こそが、人生を豊かにする力を持つと信じています。e6 projectは、子どもたちがAIと触れ合い、“楽しい”を出発点に、探究心を育む新たな学びを創出する挑戦です。
NTT様の先進的な技術とプラットフォーム、そこにTBSのエンタメ力が融合することで、心躍る学びの体験が生まれ、IP創出とグローバル展開を実現する新たな道が拓けると確信しています。この挑戦が、次世代を育む新たなスタンダードとして、日本から世界へ広がることを願っています。
関連情報
https://group.ntt/jp/newsrelease/2026/02/10/260210a.html
構成/清水眞希







DIME MAGAZINE












