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「起業=ゼロイチ」はもう古い?会社は「創る」より「引き継ぐ」が正解である理由

2026.02.13

「いつかは自分の会社を持ちたい」「今のスキルのまま、もっと裁量を持って働きたい」・・・一度はそんな「独立」への憧れを抱いたことがあるのではないか。だが、実際に起業するとなると、アイデア出し、資金調達、顧客開拓など、立ちはだかる壁は高いのが現状だ。

一方で、「個人M&A(スモールM&A)」という選択肢が広がっている。5年連続ユーザー数・案件数・成約件数No.1(※)のM&Aプラットフォームである「BATONZ」のデータによると、買い手のうち個人・個人事業主が約70%近くを占める。今回は、個人がM&Aによって人生を激変させたリアルなストーリーを紹介する。

※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所(2025年11月発刊)「国内ビジネスマッチングプラットフォーム市場の現状と展望【2025 年版】」(mic-r.co.jp)

【事例1】イタリア留学を断念した経営未経験のシェフ、20代で老舗イタリアンのオーナーに

■友人の言葉をきっかけに「お店をもつ」という夢を叶える

「いつかは自分のお店を持ちたい」と思い続けていた若手シェフが、都内で40年以上続く老舗のイタリアンを引き継いだ。

シェフが27歳の時、イタリアへの留学を計画していたがコロナ禍で白紙になってしまい、さらに勤務していたお店でもコロナの影響で働けなくなってしまう。10年後くらいに自分のお店を持てればという漠然としたイメージを持ってアルバイトをしていたが、知人から店をゼロから創るのではなく、既存の店を引き継ぐ「M&A」という選択肢があることを教えてもらった。

そこからM&Aプラットフォームを活用し創業44年のイタリアンレストラン「アンダンテ」に出会った。売り手である前オーナーの「人を好きな人、料理を好きな人、地域に根差したお店であり続けてほしい」という熱意に共感し、20代でお店の承継を決意。

■直面した運営のハードル

引き継ぎ当初はランチ15人、ディナー10人という最低目標にすら届かず、「お客様がゼロの日」もあったという。そこで「原価率は一律30%」という飲食業界の常識を捨て、メリハリをつけた。看板メニューには原価を惜しまず使い顧客満足度を高める一方、他のメニューでは食材の端材をムースにして前菜にするなど、見えない部分で徹底的にコストを抑えた。

さらに、メニューを「日替わり」にすることで、仕入れ値の変動に合わせて柔軟に価格を変えられる仕組みを作った。お客様には「毎日新しい料理がある」という楽しみを提供しつつ、店側は利益率を確保した。この戦略により、「予約の取れない人気店」へとお店は成長した。。

■M&Aの本質は「時間を買う」こと

通常、店舗を一から立ち上げ、固定客をつかむまでには数年単位の時間がかかる。今回のシェフは、44年間積み上げられた「暖簾(ブランド)」と「常連客」という資産を引き継ぎ、さらにその資産を大切に育てていた。20代という若さで経営のPDCAを回し、早期に黒字化を実現できたのはM&Aという選択肢をしたからこそである。

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