こんにちは。弁護士の林 孝匡です。宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
会社
「年俸を下げたいのですが」
Xさんたち
「え。応じることはできません」
会社
「下げますね!」
Xさんたち
「んなこと就業規則に書いてないじゃん!」
Xさんたちは「この減額はダメだろ!」と声を上げ訴訟を提起
~ 結果 ~
裁判所
「うん」
「減額は、無効だね」
「就業規則にキチンと書かないとダメだからね」
裁判所は会社に対し、けっこうガッツリ支払いを命じています。
X1さんに 約766万円
X2さんに 約503万円
X3さんに 約438万円
X4さんに 約240万円
ちまたでは、ふわふわした基準や社長の鶴の一声で年俸が決まっていることがあります。そんな場合は、減額が無効になることがあります。
以下、わかりやすく解説します。
※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化
登場人物
▼ 公益法人
・事業内容は中央官庁などからの受託調査など
▼ Xさんら4名
・研究室長や研究員
どんな事件か

▼ どんな年俸制か
公益法人は以下のような年俸制を採用していました。
・個別の交渉によって賃金の年金総額を決定してきた
・毎年5月中旬までに個人業績評価を行う
・6月に交渉
合意に至れば賃金総額などが決定。
・この決定に基づいて7月から支給
この運用は20年以上前から続いていました。しかし……!
▼ 労働基準監督署が動きます
労働基準監督署から「コラ!」と是正勧告が入ります。
お叱りの内容は
「年俸を採用しているなら就業規則に記載しなきゃダメよ」
「労働基準法89条違反になるよ」
というもの。
労働基準法 第89条
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。~
2 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
▼会社はスルー
しかし、会社は1か月後の期限までに就業規則を変更しませんでした。その後、数年たっても変更せず、今回の事件が勃発します。
▼ 会社への不満が募る
Xさんらは色々と会社への不満が募っていたようです。個人業績評価のために必要な書類などの提出を拒みました。そのため、2年ほど年俸額の交渉が行われませんでした。
その後、会社はXさんらに対し年俸交渉を申し入れました。しかしXさんらは会社が提示した金額に同意せず。
すると会社は、年俸額を下げ、その金額を支払うようになりました。Xさんらは減額について説明を求めたり、「速やかに支給額を元に戻して差額分を支払ってほしい」と申し入れましたが、会社は応じず……舞台は法廷へ!
バトルの内容
両者の言い分は以下のとおり。
▼ Xさんらの言い分
「一方的に年俸を減額されました」
「差額を払ってください」
▼ 会社の言い分
「減額は有効です」
「減額の必要性・公正性・客観性が保たれてますので」







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