9年連続国内シェア第1位(※1)のクラウド型 CTI /コールセンターシステム「BIZTEL」を運営する株式会社リンク(以下リンク)は、過去1年以内に企業へ問い合わせを行なった一般消費者600名を対象に「0120・0570番号に関する意識調査」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
調査の背景
電話による問い合わせは、チャットやメールなどのチャネルが普及した現在においても、重要な顧客接点の一つだ。企業の問い合わせ窓口では、通話料を着信側が負担する「0120」と、発信者側が負担する「0570」の番号が広く利用されている。
本調査は、一般消費者を対象に、これら「0120」「0570」番号の認知度や利用経験、および当該番号を利用する企業への印象を比較分析。企業の問い合わせ窓口の「番号設計」が、顧客の意識や行動にどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目的に実施された。
認知は同等でも評価は真逆に
■番号設計で分かれた企業への印象
0120・0570それぞれの「番号が持つ意味」の認知度を調査すると、0120番号では89.7%、0570番号では74.0%という結果になった。いずれも7割超と、高い水準にある。

次に0120番号を採用する企業の印象を尋ねたところ、約6割が「安心感がある」や「顧客への配慮を感じる」といったポジティブな印象を抱いていることが明らかに。企業側が通話料を負担する姿勢が、「顧客配慮」という評価に直結していると考えられる。
また、「気軽に問い合わせができる」と回答した人も6割を超え、問い合わせ時の心理的ハードルを下げていることが考えられる。

これを年代別に見ると、「気軽に問い合わせやすい」「顧客配慮があると感じる」の問いに「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した割合は、20代〜30代では30〜50%台に留まった。
一方、50〜60代以上ではいずれも8割に迫る結果となり、年齢層が上がるほど0120番号に対する肯定的な評価が顕著に表れている。


これに対して0570番号を採用する企業では、「問い合わせがしにくい」「顧客配慮が感じられない」といったネガティブな印象が目立つ。
両番号の認知度に大きな差がないことを踏まえると、利用者が番号の特性を理解しているからこそ、「企業がコストを優先している」と捉えられ、企業評価に差を生んでいる可能性が推察される。

想定超えの請求額を経験した人のうち、9割以上が発信者課金を認識
■0570番号を利用した76.4%が「想像以上に通話料が高くて驚いた」
0570番号を利用したことがある人のうち、76.4%が「想像以上に通話料が高くて驚いた経験がある」と回答した。0570番号利用後の想定を超える通話料の請求は、一部の例外ではなく、多くの利用者で起こり得る体験ということがわかる。
その背景には、0570番号がかけ放題プランの対象外になることや、オペレーターにつながるまでの待ち時間にも通話料が加算される場合があることなど、番号の特性が関係していると考えられる。

次に注目すべきは、その内訳だ。想定を超える通話料の請求を経験した人のうち、95.9%という圧倒的多数が「0570番号は発信者が通話料を負担すること」を認識していたからだ。
この結果から、通話料請求に関する課題が「仕組みを知らないことで起きた」のではなく、「知っていたが、実際の負担額は想定を超えていた」ことに起因していることがわかる。
つまり、認知と実感の間に生じるギャップも、0570番号を採用する企業へのネガティブな印象の要因に含まれている可能性が指摘できる。

本調査で、0570番号の認知度は約7割に達していることから、多くの消費者が0570番号の存在や特性を理解している一方で、“実際の負担感”までは正確に想定できていない実態が明らかになった。
このことから、0570番号利用時の問題は、認知が進んでいるにもかかわらず、実際の通話時間や待ち時間を踏まえた最終的なコストの額が利用前に分かりにくい〝ステルス課金〟によるものと想定できる。
6割以上が「0570番号への電話は躊躇する」と回答
■0570番号の採用と顧客体験の両立には「無料手段の用意」「顧客配慮」「採用背景の合理性」が必須
企業・団体の問い合わせ先が0570番号のみだった場合の行動を尋ねたところ、「他の問い合わせ手段を探す」が57.2%、「問い合わせ自体をあきらめる」が7.3%と、6割以上が0570番号への電話を選択せず、別の行動を選択することがわかった。
0570番号のみの窓口設計は、「まず電話をかけるかどうか」という顧客行動の分岐が生じていることが明らかになった。

次に、0570番号を利用している企業が実施すべき対応について聞いたところ、67.8%が「無料で利用できる代替連絡手段(チャット・メールなど)の案内」を望んでいることが判明。次いで、44.5%が「通話料の目安(1分あたりの料金や合計目安)の案内」と回答している。

0570番号を採用する企業に対しては、その採用背景に悪質クレームへの対策や人手不足による入電数の適正化など、合理的な理由がある場合には、2人に1人が0570番号の採用を「理解できる」と回答している。


この結果から、0570番号は「通話料負担が発生するから受け入れられない」のではなく、採用背景の合理性と顧客配慮があれば、2人に1人が理解を示す “条件付き賛同型の番号”であることが、本調査から判明した。
想定以上の通話料の請求といった、顧客が感じる0570番号利用時のハードルを踏まえると、無料代替手段や通話料の目安の併記、導入理由の明示といった工夫がネガティブな印象を和らげ、納得感のある顧客体験には有効な要素だと考えられる。
しかし、0570番号の採用背景に対する理解度を年代別に見ると、20代では約9割が「理解できる」と回答している一方で、50〜60代以上では「理解できる」と回答した割合が相対的に低い結果となっている。

この結果から、電話による問い合わせを日常的に利用してきた年齢層ほど、合理的な事情があったとしても、「問い合わせ先が有料であること」に理解を示しにくいという、抵抗感が推察できる。
0570番号に対する理解度は一様ではないため、電話利用頻度の高い年齢層に対しては、0120番号など問い合わせのしやすいチャネルが顧客体験の維持には必要だと考えられる。
調査結果から見えた「問い合わせ窓口の番号設計と顧客体験の関係性」
<株式会社リンク 取締役 BIZTEL事業部長 坂元 剛 氏>
調査結果から改めて見えてきたのは、顧客体験(CX)は電話で問い合わせする「前」からすでに始まっているという事実です。
0120番号と比較すると、0570番号は、問い合わせ前の「心理的ハードルの高さ」、利用後の「通話料に対する不満」といった二重の壁が存在します。そのため、0570番号を採用する企業には、より一層の配慮が求められます。
具体的には、無料で利用できる代替手段(メール・チャットなど)を併設し、顧客に選択肢を提供すること。もちろん、その代替手段への遷移は顧客にとってストレスない導線であることが重要です。
そして、なぜ0570番号を採用しているのかという背景を丁寧に伝え、顧客の理解を得ることも必要になるかもしれません。
一方で、0570番号は入電数を適正化できるなど、コールセンターの持続的な運用を支えるメリットがあることも事実です。ただし、その利点を優先するあまり、本来重視するべき「顧客体験の向上」から遠ざかってしまっては本末転倒です。
そのため、顧客の視点になって考え、顧客の不安が大きい緊急の用件や、困り事をテキストで表現しにくい複雑な問い合わせには、迷わず0120番号を用意する、あるいはスムーズに有人対応へ切り替えるなど、顧客に過度な負担をかけない「多角的な運営設計」を検討する必要があると考えています。
問い合わせ窓口は単なる受付機関ではなく、企業の姿勢を映し出す重要な接点です。今後は、効率化と顧客体験を両立させる運営設計が、より一層求められていくでしょう。
■調査概要
調査方法/インターネット調査
調査主体/株式会社リンク
調査期間/2025年12月1日〜2025年12月10日
調査対象/20~69歳 男女(性年代別均等割付にて回収)
調査対象地域/全国
回答数/600
◎出典/(株)リンク調べ
構成/清水眞希







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