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「今の仕事、合ってないかも」と悩んだ時に試したいジョブクラフティングという考え方

2026.02.15

今の仕事が「向いていない」と感じたとき、すぐに転職を考えていませんか?ジョブクラフティングは、環境を変えずに仕事との関わり方を調整し、やりがいや納得感を取り戻す心理学的アプローチです。3つの具体的な方法を通じて、今の仕事を少し楽にするヒントを紹介します。

「この仕事、自分には向いていないのかも……」

そう感じたとき、真っ先に「転職」の2文字が頭をよぎる方は多いはずです。特に、毎日が同じ作業の繰り返しに感じられたり、職場の人間関係に閉塞感を覚えたりすると、今の職場には自分の居場所がないように思えてしまいますよね。

しかし、環境をガラリと変える前に、1つだけ知っておいてほしい考え方があります。その考え方とは、心理学の分野で注目されている「ジョブクラフティング」という手法です。

これは、会社から与えられた役割をただ受け入れるだけでなく、仕事との“距離感”や“関わり方”を自分なりに微調整して、今の場所を少しだけ過ごしやすくする考え方のこと。今の自分のままでも、やり方ひとつで仕事の重荷を軽くすることは可能です。

今回は、今の仕事が少しだけ楽になり、自分なりの納得感を持って働くためのヒントをご紹介します。

ジョブクラフティングとは?

まず、ジョブクラフティングの具体的な意味や、なぜ転職を考える前に知っておくべきなのか、そのメリットについて解説します。

■主体的な行動で仕事の意義を見出すこと

ジョブクラフティングとは、働く1人ひとりが自分の仕事に対する向き合い方を主体的に考え、行動を調整することで、仕事の意義ややりがいを自ら生み出していくアプローチのことです。

指示や命令を待つ受動的な姿勢から一歩踏み出し、自分自身の意思で仕事の内容や範囲を再定義していくプロセスを指します。

■転職との違い

転職は、場所を変えることで状況をリセットする「自分に合う環境を外に探す」という外向きの変化です。これに対して、ジョブクラフティングは、今の環境のままで、自らの役割や行動を再定義する内向きの変化を指します。

今の仕事は自分には合わないと諦めてしまう前に、ジョブクラフティングは働き方を自らの意思で動かして状況を好転させる、もう1つの前向きな選択肢と言えます。

■心が軽くなる3つの変化

主体的に仕事に関わることで、心理的に以下のようなプラスの効果が期待できます。

1.自分の意志で動いている感覚が持てる

「やらされている」という受動的な感覚から、自分の考えで行動する主体的な感覚へシフトすることで、仕事に伴う精神的なストレスが軽減されます。

2.仕事への意欲が高まり生産性が向上する

今の仕事に自分なりの意味を見つけ直すことで、仕事に向かう気持ちが前向きになり、集中力も戻ってきます。その結果、仕事がスムーズに進むようになり、質の向上や生産性の向上といった成果にも自然とつながっていきます。

3.周囲との関わりが変わり孤立感が和らぐ

職場のメンバーとの関わりが良い方向へ変わることで、周囲との信頼関係が少しずつ育まれていきます。1人で抱え込んで悩んでいるような孤独な感覚が解消され、職場での居心地がよくなっていきます。

今の仕事を自分らしく動かす3つのアプローチ

ジョブクラフティングには、具体的にどのようなやり方があるのでしょうか。日々の業務や人間関係の中で、少しだけ視点や行動を変えてみる3つのアプローチ方法をご紹介します。

1.仕事の進め方や範囲を工夫する(作業クラフティング)

自分に合った形に業務の手順を整えたり、得意な作業を取り入れたりする方法です。

例えば、毎日大量のデータ入力を行う場合、ただ繰り返すだけでは退屈に感じてしまうかもしれません。そこで、入力の順番を工夫してスピードを競ってみたり、見やすい集計表のフォーマットを新しく作ってみたりします。ちょっとした工夫で作業に自分なりの手応えが生まれ、効率化で生まれた時間を他の新しい業務に充てられるようになります。

2.周囲との関わり方を見直す(人間関係クラフティング)

職場の人とのコミュニケーションの取り方や、接する頻度を自分で調整してみる方法です。

例えば、苦手な相手とのやり取りで疲れを感じてしまう場合、無理に仲良くなろうとする必要はありません。あえて「報連相はメールで済ませる」「相談は朝の5分間だけにする」といった自分なりのルールを決めて、関わる時間や方法をコントロールしてみます。接触の仕方を自分のペースに引き寄せることで、心理的な負担を減らし、職場での過ごしやすさを守ることにもつながります。

3.仕事の価値を見つけ直す(認知クラフティング)

今の仕事が「誰の役に立っているか」を、自分自身の価値観で捉え直す方法です。

例えば、会議の議事録作成を「ただ発言を書き写すだけの作業」だと思っていると、やりがいを見失いやすくなります。しかし、「この資料があるおかげで、会議に参加できなかったメンバーも仕事を進められる」と捉え方を変えてみます。自分の仕事が誰かの助けになっていると気づくことで、仕事への納得感が生まれ、前向きな気持ちで取り組めるようになります。

■実践する上での注意点

ジョブクラフティングは、今の環境をすべて変えようと意気込む必要はありません。まずは自分だけで完結できる小さな工夫から、無理のない範囲で手をつけてみましょう。

職場のルールや人間関係など、自分1人の力ではどうしても変えられない部分があるのも事実です。すべてを完璧に整えようとせず、「変えられる部分だけを自分らしく整えていく」というスタンスが、心地よく働き続けるためのコツです。

文・構成/藤野綾子

精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。

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