裁判所の判断

原告らの勝訴です。裁判官はザックリ「職種変更はダメだ。RAの職に居続けてよろしい」と判断。
裁判所の判断はザッと以下のとおり。
・RAという職種に限定する合意があった
・職種変更を命じることができるのはこんなケース
・今回の職種変更命令はダメ
順に解説します。
▼ RAに限定する合意があった
これを認められたのはデカイですね。職種限定の合意が認められれば、なかなか別職種への配転は認められませんから。
裁判で会社はネバりました。「ちょっと待ってくださいよ!配転条項があるじゃないですか、60歳までの長期雇用を予定しているんだから別職種への配転命令に従う前提で採用されてるんですよ!」などと主張したんですが、裁判所は「いや、職種限定の合意があった」と認定。
詳細は割愛しますが裁判所は、RAの業務内容、勤務形態、給与体系などをつぶさに見て認定しています。
▼ 職種を変更できるのはどんなケース?
裁判所は「職種限定の合意があれば原則として別職種への命令は出せないんだけど……」「正当な理由がある場合はOK」と判示しました。
そして「正当な理由があるかどうかは、以下の両者の主張を見て判断する」と宣言。
■ 会社が立証すべきこと
・職種変更の必要性、程度が高度であること
・変更後の業務内容の相当性
・他職種への配転による不利益に対する代償措置または労働条件の改善など
■ 従業員が立証すべきこと
・採用 経緯と当該職種の特殊性、専門性
・他職種への配転による不利益及びその程度の大きさなど
両者の主張を天秤にかけて【どっちが重いか】という判断手法かなと思います。
▼本件は別職種への命令はダメ
裁判所は「今回のケース、別職種への命令はダメ」と判断。
一応、会社の経営事情にも配慮してくれてます。
・RA制度を廃止することには高度の合理的な必要性はある
・会社が提案した他職種は不適当とはいえない
しかし!
・RA制度が廃止されることで原告らの給与に減額幅が大きい
9%~17%減額
2年目以降はボーナスの大幅減少も見込まれる
・RAは転勤がなかったが別職種になると転勤の可能性がある
という理由で「別職種への変更命令は正当性ナシ」と結論づけました。
過去の裁判例と【今後】
今回の事件では職種限定の合意を認めましたが、過去の多くの裁判例は認めていません。終身雇用が前提で色んな仕事をグルグル回っていくことが当たり前の時代だったからですね。
しかし、これからは職種限定の合意が認められるケースが増えてくると思います。ジョブ型雇用が加速すると思うので。
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取材・文/林 孝匡(弁護士)
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