こんにちは。弁護士の林 孝匡です。宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
「なんで俺がここに飛ばされるんだよ…」
「よりによって、あの部署?」
異動や転勤の辞令が出る時期になると、社内のあちこちからこんな声が聞こえてきます。
原則として、人事異動は会社の業務命令。社員は簡単には拒めません。
……が!
【職種を限定して】採用されていた場合はどうでしょうか?
今回は【この職種で】採用されたにもかかわらず会社が「その職なくなるから別職種で働いてね」と通告した事件を解説します。
通告された社員が提訴!とはいえ、職種がなくなるなら仕方ない!?はたして裁判所の判断は!?
※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化
登場人物
会社は損害保険業を行っていました。なんと原告は46名もいます。仕事内容は契約募集など。外勤の正規従業員で【リスクアドバイザー】として働いていました(以下【RA】)。
どんな事件か

▼ ウソやろ! 職種を変更!?
事件勃発です。
会社が原告らに対して以下の通知をしました。
【RA制度の発展的解消について】
・RA制度を平成19年7月までに廃止
・RAの処遇については、代理店開業を前提に退職の募集を行う一方、継続雇用を希望する者 に対しては、職種を変更した上で継続雇用する
「職種を変更?」原告らは寝耳に熱湯です。
なぜなら原告らは職種が【RA限定】という話で会社で働いていると思っていたからです。
▼ 労働組合、動きます
労働組合が動き、会社と何度も団体交渉を行いました。しかし会社は不動です。「RA制度の廃止はゆるぎない決断だ。組合との合意は不要」の一点張り。エライ強気です。
結果、労働組合が押し切られる形となり「RA制度の発展的解消に係る転進協定」を締結しました。
▼853名が退職
その後、RAがバンバン辞めていきました……。
▼ 蜂起!
しかし、会社の対応に納得できなかった原告ら46名が訴訟を提起しました。
原告らの主張をザックリまとめると「裁判官さん!この通知は労働契約違反でしょ。だってRA限定で入社したんですよ。必要性や合理性もないのに不利益に変更するものだ。私たちがRAの職にあることを認めてくれ!」というものです。







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