薬膳料理も自動調理が可能
搭載しているオートメニューは全部で12種。付属のレシピブックでは67のレシピが紹介されているが、どれも基本的に、ポットに材料を投入してからオートメニューの中からつくりたいものを選択し実行すれば、あとは完成を待つのみ。好みの仕上がりにできるよう、オートメニューで完成した後にマニュアル操作で調理することもできる。
12種のオートメニューは、[フローズンスムージー][スムージー][ホットスムージー][豆乳][スープ][ソース][おかゆ][薬膳][なめらか][ヨーグルト][こうじ(麹)][温めなおし]。当初はもっと少なかったが、低温調理も可能なことから[ヨーグルト]や甘酒などがつくれる[こうじ]を追加。鍋のようにじっくりコトコト煮込む調理もできるので、自動調理家電では珍しい薬膳料理がつくれる[薬膳]も搭載されることになった。
「低温調理で時間をかけてつくるもの以外は、どんなに調理に時間がかかっても30分で完成させようと考えていました」と三幣さん。限られた調理時間の中で加熱と粉砕が終わるよう、刃の回転数や加熱時の温度の上げ方をレシピごとに決めていったが、じゃがいものようなでんぷん質の多い食材を使うメニュー、焦げやすい食材を使うメニュー、粘度が高いメニューはプログラムを組むのが難しかったという。プログラムを組み実際につくってみたところ、途中で焦げつかせてしまったこともあった。
ユーザーがSNSにアレンジレシピを投稿
1万7820円(同社公式オンラインストア)で販売されている『おうちシェフBLENDER』は現在、想定の2.5倍近い売れ行きとなっている。
生活者の興味・関心を惹くためにポイントとなったのが、商品の打ち出し方。「ブレンダー」として売るか、それとも「スープメーカー」や「豆乳メーカー」で売るかどうかについて社内で議論になった。同社の商品を扱う販売店はさまざまな課題を持っている生活者と接しているところが多いことから、販売店の売りやすさを考慮してヒーター機能付きブレンダーとすることにした。
ブレンダーにはユーザーを限定するような特定のイメージがない上に、ヒーターを搭載していることで温かいメニューをつくることが増える寒い時期にも使えることから、年間通じて使えるものとして認識してもらいやすい。「ヒーター機能付きブレンダー」と打ち出したことから、当初は夏場の売れ行きが落ちることも想定されたが、夏はスムージー、秋は秋野菜を使ったポタージュなど季節に応じて切り口を変えた訴求を継続してきたことから、売れ行きは年間通して安定している。
レシピは付属のレシピブックのほか同社HPでも公開されているが、豆乳やポタージュ類がよくつくられる傾向があるという。社内でも「マッシュルームとじゃがいものポタージュ」はマッシュルームの風味が豊かなことから好評。ユーザーの中には冷蔵庫に残っている野菜を使ったポタージュをつくる人もいて、Xではアレンジレシピが多々公開されているほどだ。
ユーザーから要望されていることもあり、新しいレシピの提案は行なっていきたい考え。とくに、濃厚な味わいのものやメインディッシュになるもののレシピは要望が多いという。
また、2025年12月から新色のダークグレーを発売。キッチン家電を黒系統のカラーで統一している生活者が導入しやすくなった。
取材からわかった『おうちシェフBLENDER』のヒット要因3
1.年間通して使える汎用性の高さ
温かいメニューから冷たいメニューまで、これ1台で調理可能。年間通して使える高い汎用性があり、便利に使い倒せる。
2.洗いやすく衛生的
上下2分割構造により上部のポットが洗いやすい。ボットをガラス製にしたこと、自動洗浄モード使用時に加熱できるようにしたことで、衛生面の配慮も行き届いている。
3.継続して使いやすいサイズ感
本体サイズはおおよそ、幅18 ×奥行15×高さ36(cm)。コンパクトなので出しっ放しにしても邪魔にはならない。しまったり出したりする煩わしさや面倒臭さがないので、継続して使ってもらいやすい。
『おうちシェフBLENDER』は手間がかかる介護食や嚥下(えんげ)食づくりにも最適。同社は2025年10月1日~3日に幕張メッセで開催された「介護・福祉EXPO」(主催:RX Japan)に出展した際、電気圧力鍋とともに出品し、つくるのに手間がかかる介護食や嚥下食づくりの労力を軽減することを訴求した。嚥下障害があってもみんなと一緒に楽しく食事ができるインクルーシブカフェでも使っているところがあるという。ライフスタイルの多様化だけではなく高齢化社会での切実な課題である在宅介護にも対応する『おうちシェフBLENDER』に懐の深さを感じる。
製品情報
https://www.siroca.co.jp/product/ouchichef-blender/
取材・文/大沢裕司
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