フリーランスや個人事業主が、情報収集のために契約したサブスク費用はどこまで経費として認められるのだろうか。
例えば、映画一本を観るために契約したNetflix。
広告なしで動画を見るために加入したYouTubeプレミアム。
「仕事の役に立っているのだから経費でいいはず」
そう考えて、特に深く悩まず計上してしまっても本当に良いのだろうか。確定申告で税務署に指摘されないためにも、本記事では税理士監修のもと、OK/NGの判断ポイントを整理する。
広告の非表示は業務効率化?YouTubeプレミアムが経費になる条件
エンタメ系WebメディアでライターをするEさんは、普段から映画やドラマ、YouTubeなどを仕事目的で視聴している。
扱うジャンルが多岐にわたるため、多くの有料動画配信サービスに契約しており、その金額は月数万円にも上る。
中には、特定の映画を一本観るためだけに月額契約したサービスもあれば、YouTubeプレミアムのように、広告を表示しないために上位プランを契約しているものもある。
一方で、プライベート視聴にも使っているサービスも少なくない。
「この中で、どこまでを経費にしていいのだろうか」
この疑問について、30年以上のキャリアを持つベテラン税理士である山本宏税理士に話を聞いた。
「大前提として、仕事のために動画配信サービスを契約しているのであれば、その費用は経費として認められる可能性が高いでしょう。
ただし、近年はサブスクの契約形態が多様化しているため、『どこまでが業務に必要か』を整理して考えることが重要です。
例えば、YouTubeプレミアムのように広告を非表示にするプランは、契約しなくても動画自体は視聴できます。
しかし、広告を省くことで業務効率が上がるのであれば、その点は業務上の合理性として説明できるでしょう」
つまり、仕事のタイパを上げるためと説明できるのであれば経費として認められる可能性は十分にあると言えるだろう。
「他にも、映画一本を視聴するために、数万円の年間契約を結んでしまった場合でも、業務上必要であるなら問題とは言えません。
経費にできるかどうかは、金額の多寡ではなく『目的』が重要ですから」
按分(あんぶん)とは?
ここで気になるのが仕事用に契約したサービスを「プライベートでも利用している」場合だ。
「業務用とプライベート用でアカウントを分けていない場合、残念ながらその金額の全てを経費にはできません」(山本税理士)
ここで登場するのが「按分」という考え方だ。
按分とは、仕事とプライベートの両方で利用している支出について、その利用実態に応じて仕事に使っている分だけを経費として計上する方法を指す。
例えば、動画配信サービスを「平日は仕事目的で視聴し、休日はプライベートで利用している」「視聴時間のおよそ半分は業務に関係している」といった場合には、その割合に応じて費用を分けて考えるのだ。
「税務上、納税者には『なぜその割合にしたのか』を合理的に説明できるように求められます。
正確な数字(割合)を出す必要は必ずしもありませんが、利用実態に即して合理的な割合で申告するようにしましょう」(山本税理士)
まとめ
YouTubeプレミアムをはじめとする動画配信サービスのサブスク費用を経費にする上で重要なのは、その支出が仕事(売上)のために必要だったかどうかだ。
広告を非表示にすることで作業効率が上がる、業務上必要な情報収集や企画の参考として動画を視聴した、こうした合理的な説明ができるのであれば、経費として計上できる可能性は十分にあるだろう。
一方で、プライベート利用が混在している場合は、「全部経費」と考えるのではなく、按分という考え方で仕事に使っている分だけを適切に経費にすることが重要。
確定申告を前に、サブスクサービスの利用実態を改めて確認しておく必要があるかもしれない。
取材協力/山本宏税理士(山本宏税理士事務所代表)https://www.y-zeirishi.jp
取材・文/峯亮佑
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