初任給の引き上げが続き、「初任給の調査」が就活のトレンドになりました。本記事では、初任給が高い企業のランキング例と、2024年の大卒の初任給平均、手取りの目安、企業選びの注意点を人事目線で整理します。
目次
初任給は、入社直後の生活を支える指標です。一方で「初任給が高い=ずっと高い」「額面=もらえる額」とは限りません。最近は月30万円超の会社も増え、年俸制や固定残業代込みで見え方が変わるケースもあります。
ここでは、初任給が高い会社の全体像をつかみつつ、平均値(大卒 初任給)と手取り、そして後悔しない見極め方をまとめます。
初任給が高い企業・業種と初任給引き上げの背景
「初任給 高い会社」が増えた背景には、物価上昇だけでなく、若手人材の獲得競争の激化があります。初任給は“入り口の魅力”として分かりやすく、採用広報で最も注目されやすい数字です。
ただし、会社によって「基本給」「一律手当」「みなし残業」の構成が違うため、同じ30万円でも実質は変わります。まずはランキングの見方と、業種との相関を押さえましょう。
■初任給が高い企業ランキングTOP20
下表は、公開情報をもとに大卒総合職の「総支給(額面)」が高い企業を20社紹介したものです。就活でよく参照される「大卒 初任給 ランキング」の考え方に沿って、公開情報をもとに初任給水準が高い企業の例を整理します。
なお、職種・勤務地・学歴で差が出る場合があるため、応募時は必ず募集要項で最終確認してください。
初任給が高い企業ランキングTOP20一覧表
| 順位 | 企業名 | 初任給(月額・目安) | 主な業種 |
| 1 | サイバーエージェント | 420,000円 | インターネット/メディア |
| 2 | 日本M&Aセンター | 402,750円 | M&A仲介 |
| 3 | 日本テキサス・インスツルメンツ | 390,870円 | 半導体 |
| 4 | セプテーニ・ホールディングス | 365,000円 | 広告/マーケティング |
| 5 | 電通 | 355,925円 | 広告 |
| 6 | ディスコ | 354,900円 | 半導体製造装置 |
| 7 | アクサ生命保険 | 346,250円 | 保険 |
| 8 | オービック | 330,000円 | IT(SI/パッケージ) |
| 9 | 阪急阪神ホールディングス | 328,334円 | 鉄道/不動産 |
| 10 | アステラス製薬 | 326,700円 | 製薬 |
| 11 | リクルート | 326,551円 | 人材/メディア |
| 12 | 三菱商事 | 325,000円 | 総合商社 |
| 13 | 日本郵船 | 323,300円 | 海運 |
| 14 | ラウンドワン | 323,000円 | レジャー |
| 15 | INPEX | 321,000円 | エネルギー |
| 16 | ソフトウェア・サービス | 320,000円 | IT |
| 17 | 商船三井 | 315,000円 | 海運 |
| 18 | 参天製薬 | 314,000円 | 製薬 |
| 19 | ヒューリック | 310,000円 | 不動産 |
| 20 | 三井不動産 | 310,000円 | 不動産 |
注目したいのは初任給が「高い理由」です。年俸制で月割りしている、固定残業代を含めている、成果報酬の比率が高い、など。初任給高い企業ランキングは“入口の比較表”として使い、入社後の伸び(昇給・賞与)までセットで見ることが重要です。
■初任給が高い傾向にある業種
初任給が高くなりやすい業種には共通点があります。高付加価値のサービスや、大きな取引額を扱い、若手でも早期に成果を求める業界ほど上がりやすい傾向です。
・コンサル/M&A:単価が高く、成果評価が給与に反映されやすい
・IT・SaaS/広告:人材需給が逼迫し、採用競争が激しい
・総合商社/デベロッパー:利益率が高く、住宅補助なども厚め
・海運/エネルギー:市況の影響はあるが報酬水準が高めになりやすい
■初任給引き上げの背景にあるもの
初任給の引き上げは、一時的な“景気の動向”だけでは説明できません。企業としては、次の3つの背景が考えられます。
・若年人口の減少で、新卒採用(初任給 新卒)の競争が年々厳しい
・物価上昇により、生活コスト(家賃・食費)への配慮が必要
・ジョブ型・成果評価の広がりで、早期戦力化に投資する企業が増加
ただし、初任給を上げた分、既存社員の処遇見直しや等級制度の再設計が必要になり、企業側の負担も小さくありません。今後は「初任給だけ高い」ではなく、昇給カーブや育成制度まで含めた“総合報酬”で差異が出ることが予測されます。
初任給はいくらが普通?大卒の初任給平均から見る目安
初任給の妥当性を知るには、国の統計や企業調査を併用して相場感を持つのが安全です。ここでは、①全国平均、②大手企業中心の平均、という2つの見方で整理します。
■どれくらいもらえる?大卒の初任給平均
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和6年)では、新規学卒者の大学卒(男女計)の所定内給与は月24万8,300円です。
大手企業では上振れしやすく、東証プライム上場企業を対象にした調査では、大学卒の初任給水準が25万5,115円(いずれも一律設定の平均)という速報も出ています。
同調査では、初任給を引き上げた企業が8割超とされ、相場は上昇傾向です。
初任給を平均年収で考えるときは、次の考え方が現実的です。
・年収目安=(月給×12)+賞与(企業により0~数カ月分)
・賞与が基本給連動の場合、手当が多い「高初任給」は賞与が伸びにくいことも
■「額面=もらえる」じゃない!手取りの考え方
給与明細の「総支給(額面)」からは、社会保険料と税金が差し引かれます。新卒は住民税が翌年度から発生するため、最初の数カ月は手取りが多く見える点にも注意が必要です。
目安としては、額面のうち手取りはおおむね8割前後(会社や扶養、地域で変動)と考えるとイメージしやすいでしょう。例えば額面25万円なら手取りは約20万円前後、30万円なら約24万円前後が一つの目安です。正確には、会社が提示する控除例や、給与シミュレーターで試算する方法などがあります。
初任給が高い会社を選ぶうえでの注意点
初任給は大事ですが、入社後に「思っていた働き方と違う」となると本末転倒です。初任給が高い会社ほど、期待値や評価基準が明確で、成果を求める傾向もあります。次の観点で“生活とキャリアの両方”を守りましょう。
■残業時間・休日・ノルマなど労働条件を確認する
確認すべきは、金額よりも「その金額の条件」です。特に、固定残業代が何時間分か、超過分が別途支給されるか、配属先の実態(繁忙期)などは必ずチェックしましょう。
・みなし残業の時間数/超過支給の有無
・平均残業、休日出勤の頻度
・営業職ならノルマの考え方(評価指標)
■勤務地・生活環境を考慮する
同じ初任給でも、勤務地で生活のゆとりは変わります。家賃補助や寮がある企業は、実質の可処分所得が大きく上がることも。逆に都市部で補助が薄い場合、初任給が高くても貯金が増えないケースがあります。
■業界・企業の安定性を確認する
初任給が高い業界は、市況の影響を受けやすい場合があります。景気変動に強い事業か、収益源が分散しているか、過去の業績推移や事業ポートフォリオも確認しましょう。転職を見据えるなら、身につくスキル(汎用性)が明確かも重要です。
■賞与・昇給・生涯年収など総合的な判断を
初任給が高くても、昇給が緩やかなら数年で逆転されます。逆に初任給は平均的でも、賞与や昇給が厚い企業は長期で有利です。新卒の比較では、次の4点をセットでチェックしましょう。
・初任給(額面)と内訳
・賞与の算定基礎(基本給連動か)
・昇給・昇格の仕組み(何で上がるか)
・福利厚生(住宅、研修、退職金・DC)
就活生は要チェック!初任給に関してよくある疑問

最後に、就活生からよく出る「初任給 いくらから高い?」などの疑問をまとめます。読み終えたら、気になる企業の募集要項を“数字の定義”までさかのぼって確認するのが次の一手です。
■初任給はいくらから高い?
全国平均(大卒の初任給 平均)が月24~25万円台なので、目安として月28万円を超えると「高い」と言いやすく、月30万円を超えると“高初任給帯”に入ります。
とはいえ業界差が大きいため、志望業界の平均と比べる視点も忘れないでください。
■初任給はいくら引かれる?
初任給から引かれるのは、健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料と、所得税です。住民税は翌年度から差し引かれるのが一般的です。手取りのざっくり目安は「額面の8割前後」ですが、正確な控除額は年齢・居住地・扶養の有無などで変わります。
■初任給が高い会社はブラック?
初任給が高い=ブラック、と決めつけるのは危険です。高付加価値で利益率が高い、優秀層を採用したい、早期戦力化に投資したい、など健全な理由もあります。
一方で、固定残業代込みで見かけが高いだけ、成果が出ないと評価が厳しい、という可能性もあるため、口コミより先に「募集要項の内訳」「労働条件通知書」「面談での確認」で事実を押さえましょう。
初任給は入口の数字ですが、企業が何に投資し何を期待しているかが見える指標です。初任給高い企業ランキングで候補を広げたら、①内訳(基本給・手当・固定残業)、②働き方、③昇給・賞与、④福利厚生までチェックし、1社に絞り込みましょう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/SUGU-SUGU







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