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「トランプ関税」の影響を実際に受けた中小企業の割合は?

2026.01.18

2025年1月、アメリカでは第2次トランプ政権が発足した。第1次政権時から外交交渉の有力な手段として関税が注目され、NAFTA(北米自由貿易協定)との再交渉や対中国追加関税の検討などが進められていた。そして第2次となった現在はその傾向がさらに強まり、あらゆる国に対する関税交渉が就任直後から活発に進められている。

日米間においても、同年4月の日米関税交渉の初会合を皮切りに、本格的な交渉が始まった。この一連の関税措置「トランプ関税」は、輸入に関わる企業のみならず日本経済にさまざまな形で影響を及ぼす可能性がある。

こうした背景を踏まえ、フォーバル GDXリサーチ研究所はこのほど、中小企業を対象にした「2025年度特別回 中小企業経営実態調査」を実施し、その結果を発表した。

トランプ関税によって「原材料・部品の仕入れ価格の上昇」の影響を受けている企業は23.5%

第2次トランプ政権発足後に進められている関税交渉等の動きにより、中小企業がどのような影響を受けているかを問う設問で、最も多かった回答は「影響は受けていない」(66.4%) と多数を占めた。現時点における中小企業への影響は、あり程度限定的であるということがいえる。

一方で、影響を受けていると回答した企業の中で最も多かった内容は「原材料・部品の仕入れ価格の上昇」(23.5%) でした。業種別に見ると、建設業、製造業、卸売業で影響が大きい傾向があり、特に卸売業では約4割の企業が影響を受けているという結果になった。

影響を受けている企業の7割が対応の必要性を感じているものの、具体的対策を講じているのは約1割のみ

影響を受けた企業に対して、トランプ関税の影響への対応の必要性については、「感じている」(22.4%)、「ある程度感じている」(47.6%)と、全体の7割が必要性を感じていることがわかった。

対応の必要性を感じている企業に対して、具体的な対策を講じているかを聞いたところ、「すでに講じている」と回答した企業は14.2%にとどまる結果となった。必要性は感じているものの「講じる予定はあるが、まだ講じられていない」(23.8%)および「講じていない」(61.9%)と約8割強の企業が講じていないことがわかる。

トランプ関税の影響を受けた中小企業の多くは、対応の必要性を認識しているものの、まだ十分に行動に移せていない状況だ。トランプ大統領の方針や発言によって今後の状況が変化しうる可能性もあり、それにより、具体的な対応に踏み出しづらい企業も少なくないのではないだろうか。

トランプ関税への具体的な対策は「製品・サービスの価格改定」が約7割

トランプ関税の影響に対する具体的な対策を講じていると回答した企業に、具体的な対策を問う設問では、「製品・サービスの価格改定」が69.4%と最も多く、価格転嫁に取り組む企業が多い結果となった。

次いで、「仕入先・販売先の見直し(国内外の調整)」(32.7%)、「コスト削減や業務効率化による吸収策」(24.5%)といった原価調整やコスト削減を通じた利益確保の取り組みが見られた。

対策に関する効果に関して問うと、全体では「コスト増加を抑制できた」(32.7%)と最も多く、次いで「顧客・取引先との関係維持ができた」(28.6%)、「利益率が改善した」(20.4%)となった。これらの回答から一定数は利益確保につながる効果を得ていることが明らかになった。

企業にとっては、関税によるコスト増加の抑制にはつながるものの、消費者にとっては物価高につながる恐れがある。

【有識者のコメント】中小企業の賃上げ実施の現状について

本レポートでは、トランプ関税による国内経済、特に中小企業経営に及ぼす影響について検証する目的で調査を行いました。トランプ関税の影響を受けている中小企業は全体の約3割となり、現状では影響を受けていない企業のほうが多数派であるという現状がわかりました。 

またトランプ関税の影響を受けている内容があると回答した企業のうち、その対応の必要性を感じている企業は約7割に上りましたが、対策の必要性を感じている企業のうち、実際に対策を講じている企業は14.2%にとどまっていることが明らかになりました。

アメリカとの関税交渉は、他分野にわたり、長期化することが予想されます。自社の事業がトランプ関税によりどのような影響を受けるのか、価格転嫁のみならず取引条件の交渉、場合によってはサプライチェーンの再編やビジネスモデルの再検討が必要になるかもしれない中、経営戦略全般について検証するためにも、外部の専門家の活用を検討することも1つの手であると推察できます。

フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)氏

●経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバルGDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。
中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。

<調査概要>
・調査主体   :フォーバル GDXリサーチ研究所
・調査期間   :2025年9月16日~2025年10月17日
・調査対象者  :全国の中小企業経営者
・調査方法   :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数  :1,464人

出典元:フォーバル GDXリサーチ研究所調べ

構成/こじへい

Author
1986年、神奈川県生まれ。ライター歴は15年目で、現在は主にPR、芸能、YouTube関連の記事を執筆しています。

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