盛況のうちに閉幕した大阪・関西万博では、公式キャラクター「ミャクミャク」が国民的な熱狂に。奇抜な見た目で賛否を呼んだ当初とは裏腹に、二次創作や自作グッズが街中やSNSにあふれた。
この火付け役で同デザインシステム担当の引地耕太さんは、「仕組みを管理から共創に転換した結果」だと総括する。
一部を切り取っても、色を変えても〝万博のデザイン〟として機能する考え方

「レゴブロックのようにどう組み合わせても世界観を保てるフォーマットで正解がなく、皆が面白がって遊び、独自ミャクミャクが無限に増殖しました」(引地さん)
デザインルールの「一貫性」と多様性のある「文化」をハイブリッドで実現

「全てを決めすぎない公式のルールが、市民が参加できる余白となり、一貫性の隙と社会の文化とが混ざり合い、誰もが当事者になれる熱狂が生まれました」(引地さん)
「従来の万博などでは、建築家が図面通りに寸分狂いなく建物を建てるように、公式が厳格にルールを管理する『統制型』でした。今回は、目玉のコア要素と最低限のルールを守れば、形も色も自由に変形・増殖してよい。誰もが使える『コモンズ』(共有財産)として開放しました」
この細胞を模したシステムは、プロでなくとも扱いやすい〝余白〟があった。企業がブランド毀損を恐れて禁じがちな二次創作を、むしろ公式が推奨する。この逆転の発想が市民を「作り手」に変え、多様性ある文化醸成につながった。
「我々は、種をまき土壌を整える庭師に徹しました。植物がどう育つか管理せず、生命力を信じ委ねる。クリエイターのエゴを捨て、社会の生態系プロセスそのものをデザインしたのです」
取材・文/久我吉史







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