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役職者が取るべき「責任ある行動」とは?定義や具体的な判断軸を解説

2026.01.14

役職が上がるほど、「責任」という言葉の重みが増していると感じていませんか?しかし、多くの管理職やリーダーは、その「責任」の具体的な定義や、どのような行動が「責任を取っている状態」なのかを明確に把握できていません。

この記事では、「責任」の二つの側面を明確に定義し、役職者がとるべき具体的な行動の判断軸を提示します。

この記事を読めば、ご自身や上司が真に「責任ある状態」にあるかを客観的に判断できるようになり、リーダーシップの質を向上させるヒントが得られます。

「責任」の二側面:責務と説明責任の明確な定義

「責任を負う」という言葉を理解する上で、まず「責任」を二つの異なる側面から捉えることが重要です。この定義を理解することで、単なる精神論ではない、具体的な行動へと結びつけることができます。

(1) 発生前の責任(責務:Responsibility)

一つ目の側面は、「責務(Responsibility)」です。これは、特定の役割や立場に就いたことで、未来に向けて果たすべき義務や期待される役割を指します。

• 定義: 役職に応じて、目標達成、リソース管理、部下の育成など、遂行が求められる固有の任務や義務のことです。

• 性質: 予防的かつ遂行的であり、「何をすべきか」という行動指針となります。
• 役職者における行動:
o 組織全体の目標を理解し、それを達成するための具体的な戦略や計画を策定すること。
o 部下やチームに適切な権限を委譲し、その活動を支援・指導すること。
o 問題が起こる前にリスクを予測し、その回避策を講じるための意思決定を行うことです。
この責務を果たしている状態こそが、「責任感を持って日々の業務に取り組んでいる」という日常的な評価に繋がります。

(2) 発生後の責任(説明責任:Accountability)

二つ目の側面は、「説明責任(Accountability)」です。これは、すでに発生した結果(ポジティブまたはネガティブな帰結)に対して、その経緯と原因を明らかにし、最終的な結末を自身が引き受ける義務を指します。

• 定義: 発生した結果について、他者(ステークホルダー、上層部、部下)に報告し、弁明(説明)し、その結果から生じる負の要素を自ら引き受けることです。
• 性質: 過去志向的であり、「結果をどう引き受けるか」という行動を促します。
• 役職者における行動:
o 目標が未達に終わった場合、その失敗の原因を客観的に分析し、他責にせず、自己の判断やプロセス上の問題点を正直に認めること。
o 問題解決の最前線に立ち、解決に全力を尽くすこと。
o 必要であれば、自身の処遇を含めた最終的なペナルティや代償を受け入れることです。

真のリーダーシップとは、この「説明責任」、特に負の結果に対する結果の引き受け方において最も色濃く現れます。

責任を取る役職者に求められる「結果の受容」と「行動の透明性」

責任を負う役職者として最も重要な資質の一つは、結果がどうあれ、それを感情的にならず客観的に受容する力です。特に失敗やネガティブな結果が出た時に、どのような行動をとるかで、その人物が真に責任を取っているかどうかが分かれます。

(1) 失敗を「他責」にせず、自己のプロセスを問う

責任を取る役職者は、結果が思わしくなかった場合でも、環境、市場、他部署、または部下の能力といった外部要因を第一の原因としません

• 責任ある行動: 「市場の変動はあったが、それを予測できなかった私の意思決定の甘さがあった」「部下をサポートしきれなかった育成プロセスの問題だ」というように、必ず最終判断を下した自身のプロセスに立ち返ります。
• 責任回避の行動: 「部下の努力が足りない」「指示通りに動かなかった」と、自分の判断を棚に上げて末端の実行者に責任を転嫁します。これは、リーダーシップの放棄に等しい行為です。

(2) 説明責任における「行動の透明性」

責任ある役職者は、成功も失敗も包み隠さずオープンにします。

• 責任ある行動: ネガティブな情報ほど速やかに、経緯、現状、そして今後の解決策をセットでステークホルダーに報告します。特に社内では、事実の隠蔽はさらなる不信感を生むと理解しています。
• 責任回避の行動: 不利な状況をごまかしたり、都合の悪いデータを曖昧にしたり、情報の流れを堰き止めたりします。これは、後に組織全体の意思決定を誤らせる重大なリスクとなります。

責任ある役職者のための具体的な行動判断軸

役職者が「責任を取っている」と判断できるかどうかは、以下の3つの具体的な行動基準に照らして測ることができます。これは、単なる精神論ではなく、日々の行動チェックリストとして活用できるものです。

(1) 意思決定:優柔不断を避け、明確な判断を下しているか

責務(Responsibility)の最たるものが意思決定です。情報が不完全な状況下であっても、立ち止まらずに方向性を決定することが求められます。

• 責任ある行動: 「現時点で最善と判断し、この方針で進める」と明確に線を引き、部下を迷わせない。後から状況が変われば、再度判断を下す勇気を持つ。
• 責任回避の行動: 判断を先延ばしにしたり、「みんなで決めて」と部下に責任を押し付ける形で結論を回避する。

(2) 部下への対応:功績と失敗の受容を正しく行っているか

部下やチームに対する態度は、その役職者の器と責任感を示す鏡です。

• 責任ある行動:
o 成功: チームや部下の努力を最大限に評価し、功績を部下に帰属させる(「彼らが頑張ったおかげだ」)。
o 失敗: 自らの責任として引き受ける(「私が指示した方針に問題があった」)ことで、部下をリスクから守り、心理的安全性を確保する。

• 責任回避の行動: 成功は自分の指導の賜物とし、失敗は部下の資質や能力のせいにし、「トカゲの尻尾切り」を行う。

(3) 改善へのコミットメント:感情論で終わらせず、システムを構築しているか

説明責任(Accountability)の目的は、単に謝罪することではなく、再発を防止し、より良い未来を築くことです。

• 責任ある行動: 問題が発生した場合、感情的な謝罪だけで終わらせず、なぜ問題が起きたのかをロジカルに分析し、二度と起こさないための具体的なプロセスや仕組みの改善に時間とリソースを投じる。
• 責任回避の行動: 「気を付けます」「反省しています」といった精神論や抽象的な言葉でごまかし、根本的な組織構造やシステムには手をつけない。

記事のまとめ

「責任を負う」とは、役職が持つ未来志向の責務(Responsibility)と、結果を引き受ける過去志向の説明責任(Accountability)の二つを、高いレベルで果たし続けることです。

真に責任ある役職者は、優柔不断にならず明確な意思決定を行い、成功を部下に帰属させ、失敗を自ら引き受けます。そして、問題が発生した際には、他責にせず、システムやプロセスを改善することにコミットするのです。

ご自身や上司が「責任ある状態」にあるかを判断するには、感情や言葉ではなく、本稿で提示した具体的な「行動判断軸」に照らしてください。特に、ネガティブな結果が出た時の「結果の受容」と「改善へのコミットメント」こそが、責任を果たすリーダーかどうかの試金石となります。

【読者がやるべき行動】

本記事で提示した「具体的な行動判断軸」を印刷し、直近で下した重要な意思決定や、チームで発生した問題への対応を振り返り、ご自身の「責任ある行動レベル」をチェックしてみてください。そして、改善が必要な領域について、具体的な行動計画を立てることから始めてください。

文/識学コンサルタント 長谷川

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