仕事や家庭を抱えて現代社会で生きる以上、ストレスとは無縁ではいられず、よって常に疲労感が付きまとうものだ。
では、30~50代のビジネスパーソンはどんなことに心理的負荷を感じているのだろうか?
キリンホールディングスはこのほど、全国の30~50代の男女1,800人に「現代人の疲労に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
多くの現代人が感じている「疲労感」の正体は「精神的なストレスによる問題」である
30~50代の現代人に対して、疲労のほかに「疲労感」をどの程度感じることがあるか聞いたところ、「頻繁に感じる」(28.9%)、「たまに感じる」(46.7%)と「感じたことがある」(14.7%)を合わせると、全体の90.3%が、「疲労感」を感じている・感じたことが明らかになった。「感じたことはない」と回答した人は1割未満(9.8%)に留まり、現代人の多くが何らかの形で「疲労感」に苛まれている現代の実態が浮き彫りになった。
Q1で「頻繁に感じる」「たまに感じる」「感じたことがある」と回答した人に、実感として「疲労感」とストレス・緊張・心理的負荷は関係しているかを聞いたところ、「とてもそう思う」(37.5%)と「そう思う」(53.5%)を合わせ、91.0%の回答者が「疲労感」と心理的な要因との間に関連性があると実感していることが判明した。
この結果から現代人の多くが感じている「疲労感」は、単なる身体的な消耗だけでなく、心理的負荷「精神的なストレスによる問題」に深く根ざしている可能性が高いことがわかった。この「疲労感」を解消するためには、心のケアという側面からのアプローチも重要であることがうかがえる。
Q1.疲労(肉体的な疲労・実際の疲れ)のほかに「疲労感」(主観的な疲れ・感覚的な疲れ)を感じることはありますか。最も近いものを1つ選んでください。(n=1,800)
Q2.Q1で「頻繁に感じる」「たまに感じる」「感じたことがある」と回答した方に伺います。実感として「疲労感」とストレス・緊張・心理的負荷は関係していると思いますか。(n=1,624)
疲労感を誘発する「精神的なストレスによる問題」には、様々な要素があり「社内の人間関係」がTOP
30~50代の現代人に心理的負荷を感じる要因について聞いたところ、「人間関係」「睡眠」「業務」と3つの領域に集中していた。
特に高かった回答は「社内の人間関係」(31.1%)がトップで、「睡眠不足」(26.3%)、「上司との関係」(22.9%)、「業務量の多さ・納期の厳しさ」(21.7%)が続いた。この結果から、現代人の心理的負荷は、最も身近で避けられない「職場の人間関係」が最大の要因であり、仕事にまつわる要因が多くを占めていることがわかった。
人間関係による負荷は、職場全体に広く存在しており、「社内の人間関係」(31.1%)に加え、「上司との関係」(22.9%)や「部下との関係」(10.2%)が、互いに影響し合う複雑な構造を反映している。また、仕事による負荷は、「業務量の多さ・納期の厳しさ」(21.7%)といった量の問題だけでなく、「仕事内容・やりがい」(21.1%)といった質の側面もほぼ同率で高いことが特徴として表れていた。
単に忙しいだけでなく、仕事内容への不満や、自己実現との乖離が心理的な負荷を高めていることを示唆している。「給与・賞与など金銭面」(18.0%)の不満も高順位であり、仕事に対する正当な評価や報酬への不満も、心理的な負担に直結している構造が見受けられた。
さらに、現代社会の背景として、第2位の「睡眠不足」(26.3%)に加え、「運動不足」(12.6%)や「慢性的な体調不良」(10.7%)など、体調管理に関する項目が上位に食い込んでいる点も注目ポイントだ。
仕事や人間関係の負荷が、自律神経の乱れや体調不良を引き起こし、それがさらなる心理的負荷を生むという負のサイクルに陥っている現代人の実態を映し出している。「将来への不安」(15.4%)という回答からも漠然とした不安が個人のストレスレベルを底上げしている背景が読み取れた。
Q3.あなたが心理的負荷を感じる要因をすべて選んでください。(n=1,800)
年齢を重ねるごとに疲労感は強くなる
30~50代の現代人がどの程度の「疲労感」を抱えていると認識しているのか、10を最大値、0を最小値として数字での回答を聞いたところ、年代が上がるにつれて「疲労感」の度合いが高い(7~10)と評価する層の割合が増加することがわかった。特に50代の疲労感が最も深刻と認識されている実態が明らかになった。
具体的に「強い疲労感」(スコア7以上)を感じていると認識されている層は、30代では39.3%だったのに対し、40代では52.1%、50代では60.8%となり、30代と50代の差は20%以上開いている。
また、最高値の「10(非常に強い疲労感)」と回答した割合も、50代が唯一10%を超え(10.2%)、他の年代よりも突出した。この結果は、現代人が40代で疲労感が顕著に増し、50代でピークに達することを示している。
疲労感のボリュームゾーンが、30代の「なんとなく疲れている」(スコア5)から、40代・50代の「はっきりと強く疲れている」(スコア7)へとシフトしていることから、単なる疲労の蓄積だけでなく、疲労感の質が複雑化かつ深刻化していることが示唆される。
年齢が上がるにつれ「疲労感」はどう変わると思うのか、またその理由を聞いたところ、70.8%が「年齢が上がるにつれて『疲労感』は増していくもの」だと実感していることが明らかになった。
この背景にある理由を深掘りすると、回答者の声は、最も多く見られた「体力が落ちるから」「肉体的な衰え」といった加齢に伴う身体機能の低下と回復力の低下に関するものと、「責任が増えるため」「仕事での立場が上がる」といった社会的役割や業務負荷の増加に関するものに大きく分かれた。具体的には、「疲れが取れない」「回復力が落ちる」といった声から、年齢を重ねることで身体が追いつかなくなり、慢性的な疲労へと移行していく様子が垣間見える。
また、年齢が上がるにつれて、管理職としての責任や精神的な負荷が飛躍的に増大するため、身体的な衰えと心理的な責任の重さが負の相乗効果を生み、総合的な疲労感を高めていることを示唆している。現代社会における「疲労」が、単純な身体疲労で終わらず、「身体の衰え」と「社会的な責任の重圧」によって構成されていることがうかがえる結果になった。
Q4.あなたの感覚として、各年代の社会人の「疲労感」はどの程度だと思いますか。(n=1,800)
多くの現代人が、自身の体力の衰えを自覚しつつも、組織や家庭での責任が増すことで「疲労感が増していくのは避けられない」と感じている背景が浮き彫りになった。
過半数の人が、今年の疲労感を「7点以上」と採点
今年の自身の「疲労感」総合スコアを10点満点で自己採点したスコアを聞いたところ、平均スコアは6.71点、過半数の人が7点以上という高い水準に達し、多くの現代人が自身の「疲労感」を深刻に認識している実態が明らかになった。
特に、疲労感を「強い疲労感」(7点以上)と評価した回答者は全体の58.4%と過半数を占め、「非常に強い疲労感」(10点)を自己採点した層も10.0%に上るなど、現代社会における疲労の深刻さが浮き彫りとなっている。また、回答の分布を見ても、7点(21.1%)と8点(19.8%)が高得点帯に集中しており、多くの人が「中程度よりはるかに強い」と認識する強い疲労感を日常的に抱えていると推察される結果になった。
一方、「感じたことはない」(0点)と回答した人はわずか0.2%に留まり、「疲労感」を感じることはもはや現代人の「当たり前の状態」となっている現状が確認できた。この高い自己採点スコアの背景には、単なる身体的な消耗だけでなく、職場での責任の増大や人間関係、そして将来への不安といった多岐にわたる心理的な負荷が複雑に絡み合い、個人の「疲労感」を底上げしている構造があるといえる。
Q6.Q1で「頻繁に感じる」「たまに感じる」「感じたことがある」と回答した方に伺います。今年のあなた自身の「疲労感」総合スコアを、10点満点で自己採点してください。(n=1,624)
<調査概要>
調査対象:30~50代/全国/男女/1,800名
調査方法:インターネットアンケート調査
調査期間:2025年10月31日(金)~11月3日(月)
出典元:キリンホールディングス調べ
構成/こじへい







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