リモートワークは普及したが、企業によってはオフィス回帰の動きも見せており、仕事に関して対面で交流する重要性が再評価されている。だが年末の風物詩である「忘年会」も社員の交流の場として機能しているが、職場の飲み会に心理的なハードルを感じる若手社員がいるのも事実だ。
累計2万社450万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)と「人と組織の未来創り」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所は、若手社員の社内コミュニケーションに関する調査を実施。若手社員が社内コミュニケーションに対してどのようなニーズを持っているかについての調査結果を公開した。それによれば上司や先輩と雑談による交流を求める若手社員が一定数いることがわかった。
若手社員が交流したいのは「仕事で直接関わる先輩」
社内のどのような相手と交流を深めたいかについては、1位は64.5%が回答した「仕事で直接関わる先輩」だった。それに「自部署の役職がひとつ上の上司」(45.1%)、「性格や価値観、趣味などが合う先輩」(43.8%)が続いた。
社内交流の手段は「就業時間内の雑談」や「就業時間外の雑談」が上位
若手社員に上司や先輩と交流を深める手段について質問すると、1位は「就業時間内の雑談」で約6割が回答した。それに「休憩時間や就業時間前後の雑談」(57.0%)、「平日のランチ」(40.0%)が続いた。「SNS」(8.2%)や「メールやチャット」(16.1%)といったデジタルツールによる交流は、あまり求めていないこともわかった。
職場の人間関係を大切にする若手社員は「就業時間内外の雑談」を重視
どのような状況であれば今の会社で働き続けたいと思うかについて「職場の人間関係」と回答した新入社員2585人に対して、求める社内交流の手段を質問すると「就業時間内の雑談」(62.5%)と「休憩時間や就業時間前後の雑談」(61.7%)が6割を超える結果になった。それに「平日のランチ」(41.9%)と「平日の飲み会」(41.6%)が続いた。3930人全体の回答割合と比較すると、「休憩時間や就業時間前後の雑談」は4.7ポイント、「平日の飲み会」は3.3ポイント、「就業時間内の雑談」は2.8ポイントほど高く、働き続ける上で職場の人間関係を重視する社員は、業務内外を問わず雑談を重視しているようだ。
仕事を通じた成長を考える若手社員は「就業時間外の雑談」を重視
どのような状況であれば今の会社で働き続けたいと思うかについて「仕事を通じた成長」と回答した新入社員1318人に、求める社内交流の手段を質問すると「休憩時間や就業時間前後の雑談」と回答した割合が6割を超えてもっとも高かった。それに「就業時間内の雑談」(60.9%)、「面談」(42.3%)が続いた。3930人全体の回答割合と比較すると、「休憩時間や就業時間前後の雑談」と回答した割合は4.8ポイント、「面談」と回答した割合は4.2ポイントほど高く、働き続ける上で「仕事を通じた成長」を重視する社員は、業務内外の雑談だけでなく面談も重視していた。
今の会社で働き続けたくない若手社員は「面談」による交流を希望
どのような状況であれば今の会社で働き続けたいと思うかについて「今の会社で働き続けたいとはまったく思わない」と回答した新入社員30人に、求める社内交流の手段を質問すると、働き続けたいと思わない層では「就業時間内の雑談」(53.3%)がもっとも高い割合だったが、3930人全体の回答割合と比較すると6.4ポイント低くかった。それに「面談」が43.3%で続き、全体の回答割合と比較して5.2ポイント高かった。全体の社員ともっとも差が開いた項目は「休憩時間や就業時間前後の雑談」(40.0%)で、17.0ポイントも低かった。今の会社で働き続けたいと思わない社員は、就業時間外の雑談より面談による交流を求めているようだ。
上司と良好な関係を築く若手社員は周囲の先輩と業務外の交流が頻繁
社会人1年目の若手社員335人に対して、周囲の社員と業務以外のコミュニケーションをとる頻度について質問すると、上司と「良好な関係を築けている」と回答した若手社員のうち、44.2%が周囲の先輩と業務以外のコミュニケーションをとる機会が「頻繁にある」と回答した。上司と「良好な関係ではない」と回答した若手社員では、65.1%が周囲の先輩と業務以外のコミュニケーションをとることが「ない」と回答した。
若手社員や新入社員がもっとも交流したい相手は「仕事で直接関わる先輩」と「ひとつ上の上司」だったが、これは実務で指導を受ける相手と良好な関係を築きたいという気持ちによるものだろう。性格や価値観が合う人とのつながりも重視していたが、共感できる相手を見つけて職場で心地よく過ごしたいという思いもありそうだ。
求める交流手段では、職場での雑談に関する項目が上位に挙がり、カジュアルな会話を通じて関係を深めたい傾向が見られた。SNSやチャットなどのデジタルツールを介した交流は、若手社員に歓迎されそうだが、あまり求められていないことも浮き彫りになった。
働き続けるために職場の人間関係を重視する社員は、雑談を通じた交流を求める傾向が強く、日常的なコミュニケーションを信頼関係の土台にしたいと考えていると推測できる。自身の成長を重視する社員は、雑談に加えて面談の機会を重視する傾向があり、業務に即したコミュニケーションを求めていることが特徴的だった。今の会社で働き続けたいと思わない社員は、業務時間外の雑談や会議での交流をあまり求めない傾向はあったが、その一方で面談の機会を求めている人が一定数おり、ここにはニーズがありそうだ。
今回の調査では、上司と良好な関係を築けている若手社員ほど周囲の社員と業務以外のコミュニケーションを積極的に取っており、上司は若手社員と業務に即したコミュニケーションだけでなく、職場での雑談などを通じて日常的に交流を深めることが重要といえる。こうした取り組みをしていけば、多様な価値観を持つ若手社員が社内で信頼関係の基盤を築けるだけでなく、社内コミュニケーションの活性化につなげられるはずだ。
調査概要
https://www.all-different.co.jp/lilab/research/research_144_251204.html
構成/KUMU







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