「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の違いは、才能やセンスではありません。実は、脳の使い方とちょっとした習慣に秘密があるのだとか!?
「要領がいい人」は、マルチタスクをせず、優先順位をつけて一つずつ集中する――そんな脳の本質を理解し、無駄な情報に振り回されない仕組みを持っています。
本記事では、作業療法士・菅原洋平さんの著書『仕事が速い人があたりまえにやっていること 努力に頼らず「すぐやる人」になる40の仕事のコツ』から一部を再編集して紹介。努力に頼らず〝すぐやる人〟になるための40のコツについて、特に重要なポイントを解説します。
こんなときどうする?相手・シーン別要領がいい人の伝え方
本章の最後に、「同時系」と「継次系」の分類を生かした「相手・シーン別の伝え方」を紹介します。「こんなときはどうすればいいの?」と困ったときは、ぜひ参考にしてください。
(1)部下が締め切りを守らない
→部下が同時系なら……
締め切りよりは「面白さ」「斬新さ」などの新奇性を優先しているので、それが浮かばないうちは提出することができない、と考えています。
ただ、完璧に仕上げなければいけないとは考えていないので、「6、7割できた段階で確認させて」と言っておけば、途中で提出することに抵抗はないはずです。
→部下が継次系なら……
完璧に仕上げられていないと提出できない、と考えています。
ただ、「完璧さ」が目的からずれていることがあり、ずれた部分にこだわって締め切りに間に合わないことが多いです。
こだわっている部分は、形式や体裁であることが多いので、どんな形式でほしいのかというサンプルを見せておけば、このずれは回避できます。
(2)上司の仕事の進め方が明らかに非効率
例:企画書を出すたびに違う箇所を指摘してきて、一向に前に進まない
→上司が同時系なら……
ゴールのイメージが変わりやすいため、言われたとおりに作業していると、提出するときに求められていることが変わることが多いです。
作業をする前に、最初に設定したゴールを再確認するようにしましょう。
→上司が継次系なら……
段取りや決済ルート、資料の形式に間違いがないことが最重要です。トラブルなく進行することが最も優先されるため、新しいアイデアは求められていません。
ただ、新しいアイデアを1つならば受け入れられることが多いので、決裁ルートや形式を変えずに、1つだけ提案するようにしてみましょう。
(3)部下から会社を辞めたいとの相談
→部下が同時系なら……
「もっと面白いことがやりたい!」といまの仕事への不満を相談されることがあります。しかし、常に新しいことを求めているので、これまでどんなチャレンジをしたのかを振り返ることができていないことも多いです。どんなことをやってきて、なにを身につけてきたのかを一緒に振り返ってみましょう。
すると、やってきたことのなかで、やりたいと思っていることにすでに手がつけられていたり、チャレンジしていたことに気づけたりする可能性があります。
そのうえで、いまの仕事でもさらにチャレンジできることがあるとわかれば、思考が整理されてまたやる気になってくれるかもしれません。
→部下が継次系なら……
「忙しすぎて仕事が回らない」と相談されることがあります。この場合、「やるべきことはすべて完璧にやらなければならない」と考えているので、手を抜くことができず、仕事量が多すぎると感じてしまっています。
仕事のなかで、「これさえできれば、後のことはできていなくても困らない」という指標を見つけることが苦手なので、これを一緒に探してみましょう。
その作業に優先して取り組むようにすれば、混乱することが減り、「1つずつ確実に仕事をする」という特性を生かすことができます。
(4)チームマネジメントを任された
→同時系のメンバーに対して……
新奇性の高いアイデアを出しますが、現実的に不可能なアイデアも多いです。本人は、「起爆剤が必要!」と感情を喚起させるようなことを考えていますが、周りから浮いてしまうことも。そんなときは、周りの反応のにぶさに対して、「やる気がない」と不満をもっていることが多いです。
ひらめきで話すことも多いため、アイデアの根拠を問うと、あなたへの不信感を高めてしまいます。
「これはどうなっているの?」「こんな場合はどうするの?」という足りないことの指摘は「批判されている」と受け取られることが多いのです。
ビジネスフレームワークとして「ブレインストーミング(集団発想法)」を使うのが得意なので、アイデア出しの段階で活躍できるようにすると、お互いの不信感を減らすことができます。
→継次系のメンバーに対しては……
情報を集めてから思考するため、会議では黙っていることがよくあります。周りのメンバーがアイデアを出して盛り上がっているときに、現実的に無理な点や注意事項について考えているので、「これをやるうえで注意すべきことはどんなことだと思う?」とアドバイスを受けるように話を振ってみると、的確に回答してくれます。
話が振られないと、「非現実的な人たちだ」と不信感をもったり、「自分はいてもいなくても同じ」と自己否定感を強めたりしてしまうことも。
チェック係や点検係など、正確に進めるために重要な役割をもたせると、ほかのメンバーのアイデアを実現させることができます。
(5)会議を円滑に回したい
→相手が同時系なら……
会議をするときに、突飛なアイデアを出したり、これまで前例がないことを根回しなしで実行したりしようとすることがあります。アイデアを否定されると固執してしまうかもしれません。
そこで、アイデアそのものより、「どんなふうに進行させたいのか」という思いを聞いてみましょう。
思いを共有したうえで、前例から1つやり方を変えてみたり、新しいことをやってみたりすると、コミュニケーションがうまくいきます。
→相手が継次系なら……
前例にないことはしないため、形式的で熱意がないように感じられるかもしれません。問題が起こったときへの対応を心配していることが多いので、新しい取り組みをするときには、トラブルへの対応方法を決めておくと安心して実行することができます。行事は面白かったことより、予定どおり進められたことに満足します。
(6)取引先や部下からプレゼンを受けるとき
→相手が同時系なら……
最初に結論から入ることが多いです。
その根拠となる資料が不足していることが多いですが、それを指摘すると、根拠もなくその結論が正しいと決めつけたり、ひたすら熱意を伝えられたりするなど的が外れてしまうことがあります。結論は否定せずに、なぜそう思うのかを聞いたり、これまでその結論でうまくいった例の紹介をしてもらったりすると、効率的に説明を聞くことができます。
→相手が継次系なら……
プレゼンを受けるときは、最初は経緯の説明が続きます。すでに知っていることを延々と説明されるので飽きてしまうかもしれません。しかし結論を急ぐと、はっきりした答えが得られなくなってしまいます。
客観的な視点のプレゼンになりがちなので、「あなたの考えは?」と個人的な考えを聞いてみると、結論に至る説明を聞くことができます。
(7)夫婦や恋人関係をよくしたい
→相手が同時系なら……
家事をするときに、あれもこれもやろうとするわりには、細かい部分が詰められていないことがあります。新しいやり方を習得することが好きなので、「こうするとうまくできるよ」と声をかけると、あなたのやり方もうまく取り入れてくれます。
→相手が継次系なら……
やるべきことを挙げるわりに、実際には手をつけられないことが多いです。こうあるべきという姿になれないいら立ちを感じていることが多いので、「これができたね」と声をかけると、実際にやっていることに注意が向き、自分を認められる手掛かりになります。
(8)子どもや生徒に勉強を教える
→相手が同時系なら……
基礎問題や繰り返し問題を解くことを嫌う傾向があります。本人は、「原理が理解できていれば、繰り返し行う意味はない」と考えていることが多いです。
形式的に繰り返し学習をさせるのではなく、応用問題を用意して、原理がいろんな形で使えることを学習させていくと、やる気になることがあります。
→相手が継次系なら……
最初に結論を伝えたり、話が飛んだり、重要でないことを省いたりすることを嫌う傾向があります。教科書に忠実に授業をするほうが本人はわかりやすいことも。また、面白さよりもわかりやすさのほうが満足することもあります。
わからない問題を解くより、確実に解ける問題のなかで難易度を上げていくとやる気が持続しやすいです。
(9)学校や予備校で授業を受けるとき
→先生(講師)が同時系なら……
資料の文字数が少なく、イラストや写真が多用されがちです。資料にない話をすることも多いので、重要な話はメモをとっておく必要があります。
資料は系統だっていないこともあるので、ノートを別に用意して、ナンバリングしていくなど自分で系統をつくっていくとよいでしょう。
→先生(講師)が継次系なら……
資料の文字数が多く、話す内容がすべて記載されていることが多いです。資料を読んでいるような講義になることもあります。必要なことはすべて記載されていて、大項目、中項目、小項目と整理されているので、講義後も見返すことができます。
どこが重要な点かは自分でマーカーを引くなどして、ハイライトをつくるとよいでしょう。
☆ ☆ ☆
いかがだったでしょうか?
「要領がいい人」は特別な才能を持っているわけではなく、脳の仕組みを理解し、ちょっとした工夫を積み重ねているだけ。
先延ばしをやめたい、集中力を高めたい、仕事をもっとスムーズに進めたい――そんなあなたに役立つヒントが詰まった一冊をぜひ書店やオンラインでチェックしてみてくださいね。
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著者/菅原 洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則2.0』(自由国民社)、『すぐやる!』(文響社)などベストセラー多数。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。







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