「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の違いは、才能やセンスではありません。実は、脳の使い方とちょっとした習慣に秘密があるのだとか!?
「要領がいい人」は、マルチタスクをせず、優先順位をつけて一つずつ集中する――そんな脳の本質を理解し、無駄な情報に振り回されない仕組みを持っています。
本記事では、作業療法士・菅原洋平さんの著書『仕事が速い人があたりまえにやっていること 努力に頼らず「すぐやる人」になる40の仕事のコツ』から一部を再編集して紹介。努力に頼らず〝すぐやる人〟になるための40のコツについて、特に重要なポイントを解説します。
脳科学から見る「ひらめきのつくり方」
固執を手放し、新たな考えを思いつくことは、すなわち「ひらめき」です。
こんな経験がありませんか?
デスクにかじりついて作業していても、全然いいアイデアが浮かばなかったのに、ランチで外出したら、脈絡なく突然アイデアがひらめいた――。
アイデアがひらめくのは、仮眠で外部からの感覚が遮断されていたり、「内受容感覚」に焦点が当てられていたりするときです。
内受容感覚とは、呼吸や体温、心拍などの生理的な感覚や、心臓、胃、腸など内臓や筋肉の感覚のこと。わかりやすくいうと「体の中の感覚」ですね。
この感覚は、「迷走神経」を介して脳に届けられます。迷走神経は、「ゆったりモード」のときに働く副交感神経の一種。この迷走神経が刺激された結果、余計な力が抜けたり、視野が広くなったりします。
すると、固執した考えから離れることができ、視点を変えることができます。これでひらめきが起こります。
トイレに行ったとき、シャワーを浴びているとき、歯磨きや洗顔中、散歩や食事中、そして昼寝後にアイデアがひらめく背景には、こんな脳のからくりがあったのです。
つまり、自分でアイデアをひねり出そうとせず、作業を切り上げ、仮眠をとったりシャワーを浴びたりして脳にゆだねるほうが、クリエイティブな発想が出やすくなります。
自分の集中力が低下したときのサインを見つけてみましょう。
ほかにも、思考があちこちさまよい始める「マインドワンダリング」や、眼球がキョロキョロ動いて無関係なものが目に入り気になってしまう「マイクロサッケード(自覚しない急速な眼球運動)」も、集中力が低下しているサインです。
サインを受け取ったら、内受容感覚を刺激してみましょう。
内受容感覚は、次の3つの方法で簡単に刺激することができます。
【アイデアがひらめきやすくなる3つの方法】
(1)10秒呼吸法
ゆっくり10秒カウントしながら、1から3までで息を吸い、4で止めて、5から10で吐き切ります。すると次の呼吸で自然に息を吸い込むので、同じスパンで6回呼吸をします(1分でできます)。
(2)手足を温める
洗面器などにお湯を入れて、手を温めたり、余裕があるときは足湯をしてみましょう。交感神経活動によって一時的に低下した脳血流量が回復して、脳機能の低下を防ぐことができます。
(3)ホットアイマスク
作業をし続けると、眼球の焦点を合わせる副交感神経が疲労し、働きが低下します。濡れたタオルをレンジでチンして目に当ててみましょう。副交感神経の活動が回復し、交感神経が抑制されることで、過剰な心拍の上昇が抑えられます。
そのほか、これまでも紹介してきたように、席を立って10秒歩く、トイレに行く、散歩や仮眠をするなども有効です。そうすれば、座っていたときとは違う考えが浮かび、素早くいいアイデアにたどり着くことができます。
ちなみに、作家の故・松本清張さんは、打ち合わせ中であっても、相手に断って短時間の昼寝をして、スッキリした頭で打ち合わせをしていたことが有名です。集中力が低下しているときに欲張って作業せず、情報の整理は仮眠をして脳にゆだねていたのだと想像したくなりますよね。
彼の小説には、刑事が一人で食事をしながらぼんやりと考えをめぐらせていたら、犯人への決定的な手掛かりがひらめく場面も描かれています。これも、実体験からきている描写なのかもしれません。
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いかがだったでしょうか?
「要領がいい人」は特別な才能を持っているわけではなく、脳の仕組みを理解し、ちょっとした工夫を積み重ねているだけ。
先延ばしをやめたい、集中力を高めたい、仕事をもっとスムーズに進めたい――そんなあなたに役立つヒントが詰まった一冊をぜひ書店やオンラインでチェックしてみてくださいね。
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著者/菅原 洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則2.0』(自由国民社)、『すぐやる!』(文響社)などベストセラー多数。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。







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