「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の違いは、才能やセンスではありません。実は、脳の使い方とちょっとした習慣に秘密があるのだとか!?
「要領がいい人」は、マルチタスクをせず、優先順位をつけて一つずつ集中する――そんな脳の本質を理解し、無駄な情報に振り回されない仕組みを持っています。
本記事では、作業療法士・菅原洋平さんの著書『仕事が速い人があたりまえにやっていること 努力に頼らず「すぐやる人」になる40の仕事のコツ』から一部を再編集して紹介。努力に頼らず〝すぐやる人〟になるための40のコツについて、特に重要なポイントを解説します。
実は簡単!「あれ?なにやってたんだっけ」をなくす方法
日々の生活は、脳内の限られた資源の奪い合いです。
脳の中で一度にストックできる4つの容量をめぐり、激しい「椅子取りゲーム」が常に繰り広げられています。
「とにかく集中力がありません。集中しようと何度も自分に言い聞かせても、別のことが気になってどうにもなりません。1時間で終わると見積もっていた仕事が半日かかってしまったり……こんなことが日常茶飯事です」(20代男性)
心がフラフラとさまよって、別のことを考え始めてしまっている状態を「マインドワンダリング」といいます。
「1つのことをしているときに、別の作業を思いつく」、かつ「その瞬間に、前にしていたことは頭から消えてしまう」のが特徴です。
マインドワンダリングは、意図せずに私たちの脳の容量を使います。勝手に思い浮かんでしまったことに容量をとられることで、ワーキングメモリの使える容量が減ってしまうわけです。
マインドワンダリングの出現頻度を調査した研究では、16分に1回の頻度で出現していることが明らかになっています。
つまり、16分に1回は「心ここにあらず」の状態で行動してしまう、ということ。しかも残念なことに、これは脳がもつ特性のため、努力で防ぐのは困難です。
先ほど「作業時間を『15分以内』で区切ることが重要」と書きましたが、それは16分以上経つと別の作業について考えてしまうから。
そこで、「はかどっていてもそうでなくても、15分で終わり。そこからまた別の作業をする」というルールを決めれば、作業の集中を妨げるマインドワンダリングは防ぐことができます。
しかし……この話をすると、大抵このように反論されてしまいます。
「どこまでやったかを忘れちゃうから、途中でなんてやめられない!」
でも、本当に、どこまでやったのかを忘れてしまうのでしょうか?
「作業を途中で区切って、元の作業に戻ったときに、どこまでやったかを忘れてしまう」というのは、なにか邪魔が入るといった「受動的な区切り」の場合です。
たとえば、仕事中にメールがきます。
そのメールを読んで返信をした後、元の作業に戻ると、「あれ? どこまでやったんだっけ……」とやったところを探すのに時間がかかってしまいます。
それに対して、「自分で作業を区切った場合」は、元の作業について忘れにくいはずです。
試しに、下の実験をしてみてください。
〈実験〉次の2つを、5分ごとに繰り返してみてください。
(1)文章を書く(スマホやパソコンでもOK)
(2)読書(スマホやパソコンでもOK)
文章を書いている途中で5分になったら、 そこで終わりにして、読書を始めましょう。 また5分経ったら、元の作業に戻ってください。
いかがでしたか?
意外とすんなり元の作業を再開できたのではないでしょうか。
なぜこのようなことが起きるかというと、「脳の疲労」が関係しています。
作業を始めると「アドレナリン」が上昇してやる気になりますが、しばらく作業を続けていると脳が疲労してきます。すると、脳がフラフラとさまよい始めて、関係ないことを考えてしまいます(=マインドワンダリング)。
これを防ぐために、「ノルアドレナリン」という物質が上昇して集中を保とうとします。
しかし、ノルアドレナリンが上昇して集中を保とうとしているときに邪魔が入ると(声をかけられたりするなど)、ストレスによって「コルチゾール」というホルモンが急上昇します。
このコルチゾールがくせもので、記憶を司る「海馬」の活動を弱め、記憶力を低下させてしまいます。そのため、作業に戻ったときに「あれ? どこまでやったんだっけ?」となるのです。
一方、自ら意識的に15分以内に区切る場合は、そもそもノルアドレナリンが上昇する前に作業をいったん終えることができるため、コルチゾールは上昇しません。記憶力も低下しないので、すんなり作業を再開できる、というわけです。
ちなみに、冒頭のBさんの「いまなんの仕事をしているのか忘れてしまう」という悩みも、受動的に作業を区切られてしまい、もとの作業に戻ったときに忘れてしまっていることが原因でした。そこで自ら作業を区切り、限られた記憶容量を能動的に使っていくことを勧めた結果、悩みはすぐに解消されました。
☆ ☆ ☆
いかがだったでしょうか?
「要領がいい人」は特別な才能を持っているわけではなく、脳の仕組みを理解し、ちょっとした工夫を積み重ねているだけ。
先延ばしをやめたい、集中力を高めたい、仕事をもっとスムーズに進めたい――そんなあなたに役立つヒントが詰まった一冊をぜひ書店やオンラインでチェックしてみてくださいね。
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著者/菅原 洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則2.0』(自由国民社)、『すぐやる!』(文響社)などベストセラー多数。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。
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