2025年12月11日(シドニー時間)、オンラインで使える無料のグラフィックデザインツールを提供するCanvaから、2026年のクリエイティビティ、ソーシャルメディア、ブランドコンテンツに関する大胆な予測を含む年次デザイントレンドレポート第3弾が発表された。
また、各Canvaユーザーが、自身の2025年のクリエイティブな成果を振り返るカスタム概要を提供する「Canvaデザイン診断」も公開された。
本稿では同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。
主な調査結果
・DIYを志向する検索数が90%増加、ありのままで個人的かつ不完全なデザインへの移行を反映
・クリエイターが編集スタイルのストーリーテリングに傾倒する中で、ZINE や Substack に関連するレイアウトの検索数が85%増加
・クリエイターの80%が2026年はAIをパートナーとして受け入れ、人間味のあるスタイルを優先しつつクリエイティブなコントロールを取り戻す年であると回答
・ユーザーがシンプルなスタイルを好む傾向にあるため、すっきりとしたレイアウトとシンプルなブランディングの検索数が54%増加
・ノスタルジアを重視した感情表現豊かなビジュアルが好まれ、ローファイな美的検索数 527%増加
・現実と超現実の境界線が曖昧になり、「限界的な」および「不気味な」コンテンツの検索数が220%増加
■新たな創造基準:デザインされた不完全
AI技術が高度化するにつれ、視覚的なリアリティが究極の差別化要因となっている。長年にわたるアルゴリズムによる画一性と洗練された完全性の追求を経て、調査対象となったクリエイターの80%が、AIを拒否するのではなくAIを自らの力で活用していくとして「2026年こそクリエイティブコントロールを取り戻す年である」と回答した。
AIはクリエイターのワークフローにおいて依然として中心的な役割を果たしており、77%がAIを「不可欠なパートナー」と表している。今こそ、利用可能なツールを最大限に活用しながら、個々のテイストと個性を輝かせることが重要だと言える。
感覚的な質感から映画的なストーリーテリングまで、クリエイターたちは合成素材の時代へと突入している。DIYやコラージュ風の要素の検索数が90%増加したことで、ユーザーは本物の人間の存在感を示すデザインと、AIが提供するものを同時に求めている。
ブランドとクリエイターが知っておくべき10のトレンド
Canvaはデザインと検索行動の分析、Canvaのデザイナー専門委員会(Designer Advisory Board)の知見、そして米国とブラジルの1000人のクリエイターを対象とした調査に基づき、2026年のクリエイティブとデザイン文化を形づくる10のデザイントレンドを導き出した。
調査結果は、クリエイターはAIの力を活用する一方でデザインにパーソナルさを与える人間的なタッチも求めている、という明白な方向性を浮き彫りにしている。

<リアリティーワープ>
クリエイターたちは現実と非現実の境界線を意図的に曖昧にしている。「リミナル(liminal)」や「不可思議(uncanny)」といったキーワードの検索数は前年比220%増加しており、クリエイターの約4分の1は、これが2026年を象徴するトレンドになると予測している。
<プロンプトパーク>
試行錯誤と初期のインターネットへのノスタルジアが融合し、人々はまず感情的なインパクトをデザインに求めている。UIの断片化、レトロテクノロジーへの言及、そして「バイブコーディング」がビジュアル言語を再構築し、「ローファイ美学」の検索数が527%急増した。
<エクスプロアコア>
デジタルの氾濫に対抗するため、エクスプロアコアは明快さと落ち着きを重視している。クリエイターがペースを落とし、より深い探求を促すデザインを求めているため、ZINEやSubstackに感化されたレイアウトの検索数は前年比85%増加した。
<テクスチャチェック>
CGIと非常にリアルな素材を求めるブームに後押しされ、テクスチャチェックは表面素材を主役に据えている。ガラスのような質感からワックスのような質感、そして触り心地の良い質感まで、リアルな質感の素材がCanvaで急増しており、関連検索数は30%増加している。
<メモアプリシック>
完璧ではないものも支持する風潮の高まりにより、クリエイターたちはスクラップブック風のビジュアル、雑然とした構図、そして舞台裏のリアルさへと傾倒しています。DIYやコラージュ風の要素は90%増加しており、洗練よりも進歩を重視する文化的な変化を反映しています。
<オプトアウトエラ>
デジタル疲れへの対抗手段として、このトレンドはビジュアルを本質的な要素に絞り込む。無駄を削ぎ落としたレイアウト、セリフ体のフォント、そしてシンプルなブランディングが、過剰なパレットやマスコットに取って代わりつつある。「クリーンなレイアウト」「セリフ体」「シンプルなブランディング」の検索数は54%増加した。
<ドラマクラブ>
クリエイターたちは感情の度合いを上げ、SNSコンテンツ、アート、動画を通して映画的なストーリーテリングを展開している。「モキュメンタリー」「ドラマティック・スポットライト」といったモチーフへの関心は27%上昇しており、ドラマティックな美学の復活に拍車をかけている。
<レトロウェーブ>
インドでは、ノスタルジアが手織りの模様から祭りの色合い、ボリウッドの魅力に至るまで、文化的モチーフの活気ある復活を促している。「Desi」と「Hindi typography」の検索数はそれぞれ26%と17%増加し、伝統を重んじた力強いストーリーテリングへの回帰を浮き彫りにした。
<ZINEガイスト>
メキシコでは、DIY ZINEムーブメントが勢いを増して復活している。コラージュされたレイアウト、光沢を抑えた質感、そして大胆で特大の文字が定着しており、クリエイターたちは過度にデジタルな美学を否定している。「ブルータリストデザイン」や「タイプポスター」といった関連検索は、前年比77%増加した。
<ブロックパーティー>
スペインのクリエイティブコミュニティは、ヴィンテージトーン、フォークロア、そして日常の娯楽を融合させ、現代的なレンズを通して再解釈された温かみのあるノスタルジックなビジュアルを生み出している。「Estética Tradicional(伝統的な美学)」や「Folklore Urbano(都会のフォークロア)」といったスタイルの検索は、150万インプレッションを記録した。
デザイン診断でパーソナルに

Canvaユーザーは、自分だけの「デザイン診断」レポートにアクセスできるようになった。AIを活用したこの「デザイン診断」は、各ユーザーの2025年のデザイン習慣を分析し、クリエイティブな成果をまとめたレポートを作成する。
パーソナライズされたクリエイティブIDカードとして表示され、フォントマスター、AI画像生成マスター、コメントマスター、デザインマスターなど、該当する診断結果が示される。昨年の同キャンペーンでは、1億1100万件を超える「デザイン診断」画像が作成された。
構成/清水眞希







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