グラングリーン大阪が先行開業してから、約1年が経過した。
「関西最後の一等地」とも称されたJR大阪駅北西エリアに誕生したこの施設は、公園を中心に商業施設、ホテル、オフィス、賃貸住宅が一体となった大規模複合開発プロジェクトとして注目を集めている。現在も、2027年度の全体まちびらきに向けて開発は着実に進行中だ。
このプロジェクトはいかに構想され、どのような未来を描いているのか。グラングリーン大阪開発事業者の代表である三菱地所・内田健弥さんと、開発を支援する電通の杉江勇吾さんに話を聞いた。
グラングリーン大阪は”場所”以上の価値がある
2024年9月6日、グラングリーン大阪の先行まちびらきが行われた。
オープンしたのは、グラングリーン大阪のシンボルとなる約4.5ha(4万5000m2)の広さがある「うめきた公園」の一部と北館のホテルや商業施設などである。


大阪という大都市の中に現れた広大な緑の空間に大阪府民のみならず日本中が注目をした。
2025年3月には商業施設やホテル、オフィスなどから構成される南館もオープン。現在、2027年度の全体まちびらきに向けて、着々と完成に向かいつつある。
グラングリーン大阪のコンセプトについて、三菱地所の内田さんに改めて話を聞いた。

内田健弥さん
三菱地所 関西支店 グラングリーン大阪室 主事
商業施設営業、東京駅前複合開発、内閣府出向を経て地元大阪・関西の本プロジェクトに着任。
うめきたの街づくりを通して、大阪・関西から日本・世界が元気になっていくように、また3児の父として、家庭・仕事・趣味(トライアスロン)の三種目に日々奮闘中。
「グラングリーン大阪は『みどりとイノベーションの融合』をテーマに掲げて開発を進めています。都心立地の駅前の一等地を緑あふれる空間にすることは、私たち開発事業者にとっても勇気のいる決断でした。しかし、我々の目指すのは単なる緑化空間ではありません。ここで過ごすすべての人たちに、緑の空間を通して新たな刺激を感じていただき、新たな可能性に繋げてほしいと考えています。グラングリーン大阪は『場所』であると同時に、新たな『ライフスタイル』の提案でもありたいという思いがあります」
2027年にオープンするうめきた公園のノースパークは、芝生が広がるサウスパークとはがらりと雰囲気が変わり、木々が生い茂り、滝が流れ落ちるエリアになる予定だ。サウスパークでは広い場所を生かしてライブやさまざまなイベントが開催されているが、ノースパークはサウスパークとはまた違った刺激的な場所になるだろう。

※左側がノースパーク予定地
「私たちはすでに50年先までグラングリーン大阪を育てていくビジョンを持っています。2027年度の全体まちびらきでようやくそのスタートラインに立ちます。これからもグラングリーン大阪を起点に人々が交わり、アイデアの創出やチャレンジのきっかけになる場所としてもっと盛り上げていきたいですね」(三菱地所の内田さん)
「みどりとイノベーションの融合」は企業にも大きなメリットに
グラングリーン大阪が人々の交流のハブになることを期待しているのは利用者や事業者だけではない。ここにオフィスを構える企業からの期待も大きい。
2025年3月にオープンをした南館のオフィスフロアには多くの企業が入居を予定している。来年にはコクヨ、クボタ、電通といった大企業がオフィスを移転する。大阪駅直結の好立地だから、という理由だけではない。
電通の杉江さんは次のように説明をする。

杉江勇吾さん
株式会社電通
第7マーケティング局 ソーシャルビジネスデザイン部長
入社以来キャンペーンプランニングに従事。大阪・関西万博を契機に「ソーシャルビジネスデザイン部」を発足。
社会課題とビジネスの接点をデザインし、「企業も社会も持続的に豊かになること」を、みんなで考え実行中。
少年野球の監督をやりつつ、絵本のストーリー作りもたしなんでいる。
「いま、電通はB to Bから”B to B to C”あるいは”B to B to S(Business to Business to Society :B2B2S)”へと移行しています。すなわちクライアントにだけ向き合うのではなく、クライアント企業との仕事を通じて、その先にある生活者や社会課題に対してもソリューションを提案できる企業を目指しています。また、企業が抱える課題も年々複雑化しており、アイデアのイノベーションが必要不可欠です。このような課題を抱える中、グラングリーン大阪のコンセプトである人々が交わる『みどりとイノベーションの融合』は私たちにとっても大変魅力的でした」
電通はグラングリーン大阪開発事業者と二人三脚でプロジェクトに関わってきた。これまではグラングリーン大阪の価値を届けるために企画提案から発信まで多くの面でサポートをしてきている。そんな電通がグラングリーン大阪にオフィスを構えるということは、自らイノベーションのプレイヤーにもなるということを意味する。事業者をサポートする側にいる電通がイノベーションを体現できるのか、その責任は大きいだろう。
「電通がこの地で何を得て、何ができるのか。そして、それを市民にどのように還元できるのか。二人三脚で歩んできた電通だからこそ、しっかりとこの循環を示していきたいです」(電通の杉江さん)
取材・文/峯亮佑







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