小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

心理の裏側は?職場の「苦手な人」を思い出すだけで心がざわつく理由

2026.01.13

「仕事のストレスが減らない」「頑張っているのに心が疲れる」そんな悩み、ありませんか?

実はその原因、〝脳の仕組み〟にあるかもしれません。

脳は、私たちの感情や行動を無意識にコントロールしています。だからこそ、ストレスを減らすには、脳の特性を理解し、うまく付き合うことが重要です。

本記事では、脳科学者・西剛志さんの著書『脳科学でわかった仕事のストレスをなくす本』から一部を再編集し、脳科学に基づいた「ストレスを減らす習慣」を紹介。

これを読めば、あなたの働き方が変わり、毎日がもっとラクになるかもしれません!

脳は恐怖を感じた相手を「危険人物」として記憶する

私が国家公務員だったころ、どうしてもかみ合わない後輩がいました。挨拶をしても目を合わせてくれなかったり、締切を守ってくれなかったり……。

最初は「まだ慣れていないのかな」と思い、丁寧に指導していたつもりでした。

しかしそのうち、こちらが注意をすると、逆に「西さん、この資料の構成がわかりにくいです」「この進め方だと効率が悪いのでは?」などと、メールや口頭で私の仕事への細かいダメ出しをするようになりました。しかもメールには、いつもCCで、私の上司を入れています。

たしかに私も完璧ではなかったと思うのですが、上司からは後輩の指導の仕方について注意を受け、後輩からはダメ出しを受け、どう対応しても批判される板挟み状態。気づけば、後輩が視界に入るだけで胸がザワザワし、上司の足音が聞こえるだけで身構えるようになっていました。休日も「月曜日になると、また嫌な思いをする」と考えてしまって、気持ちも体もまったく休まりません。

そんな自分を情けなくも思いましたが、モヤモヤは大きくなる一方でした。

なぜ、そこまで苦しくなったのか。

その答えがわかったのは、私が脳科学の研究を始めてからです。

本書の冒頭でもお伝えしたとおり、ストレスは次のようにして発生します。

外部刺激(苦手な人の言動)→扁桃体が反応→ストレス発生

まず、苦手な人からメールが来る、苦手な人の顔を見るなどの外部刺激があり、脳の前頭前野がそれを「危険である」と判断すると、扁桃体の警報ボタンが押されます。

原始時代なら、ライオンや毒蛇を見つけたとき、扁桃体が「逃げろ!」と警報を鳴らしてくれるおかげで、人類は危険を回避し、生き延びることができました。

ところが現代では、扁桃体は「苦手な上司や同僚」にも警報を鳴らしてしまうのです。

さらに、この扁桃体の反応は、「海馬」という記憶を司る部分にも伝わります。

たとえば、会議で上司から「お前は本当に使えないな」と大勢の前で叱責され、前頭前野がこの上司を「危険だ!」と判断すると、扁桃体が警報を鳴らし、情報が海馬に送られます。そして海馬は「この人物は危険だ」という情報を、長期記憶として脳

に刻み込んでしまうのです。一度でも強い恐怖や屈辱を感じると、脳はそれを「生存に関わる重要情報」として永久保存してしまうわけです。

苦手な人は、目の前にいなくても、あなたの脳をコントロールする

ここからが本当に恐ろしい部分です。

脳は「現実」と「想像」を区別できません。

つまり、苦手な人のことを思い出すだけで、扁桃体は「今まさに攻撃されている!」と勘違いし、警報を出してしまうのです。

家でゆっくりしているときも、家族や友人と公園や遊園地などで楽しく過ごしているときも、その人のことを思い出すたびに、扁桃体は警報ボタンを押し、脳は戦闘モードになり、ストレスホルモンを分泌し続けます。

すると、何が起こるのか。

まず、ドーパミンが出にくくなります。

ドーパミンは、脳が「この先に報酬がある」と予測したときに分泌されます。会議で褒められたり、ささいなことでも「成功した」と感じたり、「次はうまくいきそうだ」と思ったりするだけで、ドーパミンが分泌され、やる気や集中力が一気に高まります。

ところが、苦手な人がチームに加わったり上司になったり、無言のため息や見下す視線を浴びたり、「こんなこともできないの?」と否定されたり、「いくら頑張っても、この人にはわかってもらえない」と思ったりして、脳が何度も「もう見込みはない」と感じると、ドーパミンは分泌されにくくなります。そして、目の前にいなくても、そうした苦手な人のことを考えると、やはりドーパミンは出にくくなるのです。

さらに、苦手な人のことを思い出し、ストレスを感じ続けると、オキシトシン、セロトニン、β‐エンドルフィンなども出にくくなります。

ドーパミンやオキシトシン、セロトニン、β‐エンドルフィンなどは「幸せを司る脳内物質」であり、私はドーパミン、オキシトシン、セロトニンの頭文字をとって、これらを「DOS」と呼んでいます。

DOSは、ストレスホルモンであるコルチゾールの働きを抑制し、脳を「ポジティブモード」に切り替えてくれます。また、ドーパミンは集中力と行動力を高め、セロトニンは心を安定させ、最後までやり抜く力を与えてくれます。

つまり、DOSがたくさん出ていると、脳はストレスを感じにくくなり、かつ最高のパフォーマンスを発揮できるようになるのです。

逆に、DOSが出にくくなると、「やる気を出そう」と思っても動けず、仕事の効率が落ち、正しい判断ができなくなり、嫌な気分が続いて、何も楽しめなくなります。

目の前にいなくても、苦手な人のことを考えてストレスを感じてしまう状態。

それは、脳科学的には、「苦手な人に扁桃体の警報ボタンを押され、DOSのバランスを崩され、脳の機能を低下させられている状態」「苦手な人に、自分の脳を良くないほうにコントロールされている状態」だといえます。

苦手な人に四六時中脳をコントロールされ、せっかくの休日さえ楽しめなくなるのは、とてももったいないことだと思いませんか?

ただ、漠然と「ストレスがある」と感じているだけでは、原因や正体がわからず、ストレスは増す一方ですが、「自分がストレスを感じているのは、苦手な人が扁桃体の警報ボタンを押しているためだ」とわかれば、対処することが可能となります。

苦手な人から脳が自由になるために有効なのは、

(1)苦手な人が自分の脳に侵入できないよう強力なバリアを張る
(2)自分の力でDOSのバランスを整える

の2つです。

バリアを張ってしまえば、相手は扁桃体の警報ボタンを押すことができません。

あるいは、自分の力でDOSのバランスを整えることができれば、たとえ相手からストレスを受けても、それをリセットすることができます。

そして第1章では、この2つを簡単に実践できる方法をお伝えします。

ネームチェンジ法は、苦手な人のことを思い出しにくくし、ストレッサーを脳内で再現しにくくさせる方法。

フェードアウト法は、脳内の相手のイメージの解像度を下げ、最終的には脳内から追い出してしまう方法。

ミュージックシフト法やホビーマニア法は、自分の好きなことで扁桃体の暴走を抑え、DOSのバランスを整え、人間関係や仕事のストレスから自由になる方法。

感情書ききり法は、脳内に溜まっているストレスを根こそぎなくす方法です。

いずれも簡単にできるものばかりです。

これらを着実に実践すれば、周りの人の影響から抜け出し、ストレスを減らし、自分の脳を自分自身で健全に保てるようになるでしょう。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

ストレスの正体を「脳の仕組み」から理解すれば、無理な我慢や根性論に頼らなくても、心を軽くする方法が見えてきます。

仕事のパフォーマンスを上げながら、メンタルを守る。そのヒントが、この一冊に詰まっています。

ぜひ書店やオンラインでチェックして、今日からストレスのない働き方を始めてみませんか?

『脳科学でわかった仕事のストレスをなくす本』
西 剛志著
アスコム刊
【Amazonで購入する】
【楽天ブックスで購入する】

著者/西 剛志
科学者(工学博士)、分子生物学者。東京工業大学大学院生命情報専攻修了、博士号取得。特許庁を経て2008年に研究・教育サービス会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的ノウハウや、才能を引き出す方法を研究し、エビデンスに基づいた企業研修・商品開発サービスを全国に展開している。
これまでに 上場企業や教育・公的機関を中心に100社以上で研修や講演を実施、経営層から若手社員までのべ3万人以上を指導。人間関係・役職・業務負荷といったストレスの悩みに向き合い、離職率の低下・チームの生産性向上に貢献してきた。
その知見を集約し、「脳の仕組みを変えてストレスをなくす方法」を体系化したのが本書である。著書に『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)などベストセラー多数。NHKや日経新聞などメディア出演多数。また、TBS Podcast『脳科学, 脳LIFE』のパーソナリティとして、脳科学の最新知見をわかりやすく発信している。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2025年12月16日(火) 発売

来年末は、DIME本誌で答え合わせ!?来る2026年、盛り上がるだろう意外なブームを各ジャンルの識者・編集部員が大予言! IT、マネーから旅行にファッション、グルメまで……”一年の計”を先取りできる最新号!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。