Copilotを活用することによって、Excelの関数を覚えなくても文章で指示するだけで処理できるようになった。Copilot以外にもChatGPTやGeminiでも同様の作業が可能。
目次
Excelで関数を作成する作業は、初心者に限らず多くの利用者にとって頭を悩ませることが多い。しかし、近年は生成AIの発展により、関数作成を自然な文章で指示するだけで済ませる仕組みが整い始めた。MicrosoftのCopilotはその代表的な存在であり、関数の自動生成を実現するツールとして注目を集めている。
本記事では、Copilotの仕組みや活用方法だけでなく、Excelと連携できる他のAIツールまでをまとめて紹介する。
Excelで関数を自動生成できる
Excelで関数を自動生成できる技術が注目される背景や、Copilot関数の特徴を紹介する。AIが数式を扱えるようになったことで、作業のやり方が大きく変わりつつある。
■AIによるExcel処理が求められてきた
Excelは便利だが、関数の知識が作業効率に大きく影響することがある。これまで関数習得には多くの時間を要したが、AIの発達によって、目的を伝えるだけで処理を返す仕組みが現実的になってきた。生成AIの仕組みがビジネスアプリに組み込まれ始めたのは2023年頃からであり、2024〜2025年にかけてその実用性が一段と高まった。
■Copilot関数の概要と特徴
Copilot関数は、文章で書いた指示をAIが解釈し、関数の代わりに処理結果を返す仕組みである。従来の関数とは異なり、正確な数式を作ることではなく、目的の処理を返すことに重きが置かれている。
Copilotを使って関数を自動生成する方法
ここでは、CopilotをExcelで使う際の流れを具体的に解説する。難しい設定は不要であり、慣れていない利用者でも比較的短時間で扱えるようになる。
■どのような指示ができるのか
Copilotに任せられる処理の例
- 「A列の住所から都道府県名だけを抽出して」
- 「C列の文章を100文字以内に要約して」
- 「会社名の表記ゆれを統一して」
- 「全角と半角を正しく揃えて」
関数を知らなくても目的をそのまま伝えるだけでよい点が大きな特徴である。
■作業手順
事例1:A列に姓、B列に名が入力されているので、C列に姓と名をくっつけて姓名として表示させる。

1.Copilotの「アプリスキル」を選択する。

2. 自動保存を有効にして、名前を付けて保存する。

3.やりたい作業内容を記入して送信する。

4.「列の挿入」をクリックする

5.作業が完了する。

事例2:1か月の売上表から商品別の売上を集計する。

2.「各商品の売上を合計して、表に入れてください。」と記入して送信する。

3.「列の挿入」をクリックすると結果が表示される。

AI関数でできること・向いている作業

AI関数は万能ではないが、特定の領域では従来の関数より高い利便性を示す。
■Copilotの得意分野
- 氏名の整形
- 住所の正規化
- コメント内容の分類
- 文章の要約 など
IF関数や正規表現を組み合わせる必要があった処理も、AIで短時間に完結する。
■説明・補完・要約の自動化
セルに含まれる文章の意味を説明したり、欠損データの推測値を提案することも可能だ。データ理解を支援するAIとして使える。
■複雑な関数の書き換え
VLOOKUPをXLOOKUPに変換したり、多重IFを簡素化させる用途でも有効である。
Copilot以外でExcelと連携できるAIツールの紹介

Excelと同じ作業領域で活用できるAIはCopilotだけではない。用途によっては別ツールの方が適している場合もある。
■ChatGPT
ChatGPTは関数提案・修正・VBA生成が得意である。Excelデータをテキスト化して投げれば、複雑な処理も短時間で形にできる。
- ChatGPTの画面で「ファイルアップロード」アイコンをクリック
- Excelファイル(.xlsx / .csv)を選択してアップロード
- ChatGPTが表構造を読み取り、自動的に要約を返す
- 処理したい内容を具体的に指示する
「ChatGPT Plus」など有料版のみ対応している。
■Gemini
GeminiでもChatGPTと同様にファイルをアップロードして指示できる。無料版でも対応可能だ。
■その他のAIによる業務アプリ化
- CELF AI:Excelに近い見た目でアプリを作れるツール。生成AIがフォーム生成や計算ロジックの生成を支援する。
- Power Automate × AI Builder:OCRや分類AIと組み合わせれば、Excelファイルへの自動転記・抽出が可能になる。
- Python×AI:PythonとAI APIを組み合わせれば、Excelでは困難な大規模処理や高度な分類を自動化できる。







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