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14日以上の連勤が禁止に!40年ぶりとなる労働基準法大幅見直し7つの重要ポイント

2026.01.27

2026年の労働基準法改正では、大幅な見直しがされます。改正により想定される重要ポイントは7つで、企業の対応や制度運用に影響が及ぶ可能性があります。施行前に進めておくべき準備や対応策について解説します。

労働基準法の2026年度改正では、約40年ぶりの大幅な見直しが検討されています。

現段階では、2026年度からの段階的な労働基準法改正を目指す方向性が示されていますが、法令としての確定までは労働政策審議会での審議や国会での法案成立などの手続きを経る必要があります。

今後の審議状況を踏まえつつ、制度見直しが想定される領域の洗い出しや早期の情報収集を進めておくことが重要です。

労働基準法2026改正の背景と施行時期(いつから適用?)

2026年に向けて検討が進む労働基準法改正は、厚生労働省の研究会報告書を踏まえた制度見直し案が議論されている段階です。法案提出や国会審議を経る必要があるため、主要項目の施行は2027年以降に段階的に始まる見通しです。

今回の改正が求められる背景には、以下の3つの構造的な変化があります。

・慢性的な人手不足と長時間労働の深刻化

・副業やテレワークなど働き方の多様化

・休息時間確保を重視する国際的潮流の高まり

こうした環境変化に対応するため、現行制度の限界を補う新たな労働ルールの整備が検討されています。

労働基準法改正案で議論されている主要7ポイント

今回の報告書では、企業の働き方改革に大きくかかわる7つの論点が示されています。主な検討項目は、次のとおりです。

・主要ポイント1:14日以上の連続勤務禁止(連続勤務の上限規制)

・主要ポイント2:勤務間インターバル11時間の原則義務化

・主要ポイント3:法定休日の事前特定義務の新ルール

・主要ポイント4:週44時間特例の廃止と影響

・主要ポイント5:年次有給休暇の賃金算定方式の統一

・主要ポイント6:「つながらない権利」ガイドラインの内容

・主要ポイント7:副業・兼業者の労働時間通算ルール見直し

それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。

主要ポイント1:14日以上の連続勤務禁止(連続勤務の上限規制)

連続勤務の上限を「最大13日」とする案について、現在議論が進められています。現行制度では「4週4休」が認められているため、休日の配置次第では4週間連続で働いても違法にはなりません。

長期間の連続勤務は心身への負担が大きいとされており、労災保険の精神障害認定基準でも2週間を超える勤務が心理的ストレスの要因と位置づけられているため、この基準に基づき支給が認められた事例もありました。

また、36協定によって休日労働が認められる場合、割増賃金を支払うことで理論上は無制限に連続勤務が可能となる点についても問題視されています。こうした背景から、労働者の健康を守るために勤務日数の上限を設ける必要性が高まっています。

そのため、時間外労働に上限があるのと同様に、休日労働にも制限を設けるべきとの意見が強まっているのが現状です。一方で、災害復旧など不可避の事情に限り、例外を認める方針についても検討されています。

主要ポイント2:勤務間インターバル11時間の原則義務化

勤務間インターバル制度の義務化が、法規制強化の重要な柱として検討されています。現在は努力義務にとどまり、2023年1月時点の導入企業割合は 6.0%に過ぎません。

改正案では、終業から始業まで11時間の確保を原則とする方向で議論が進められています。ただし、多くの企業が対応できるための適用除外となる職種の設定や11時間を確保できなかった場合の代替措置など、柔軟な運用が認められる見込みです。

代替措置としては、代償休暇など労働者の休息を実質的に保障する手段が想定されています。義務化の程度については、労働基準法による強行規定とする案から就業規則への記載義務化による段階的な普及促進まで、複数の選択肢が示されました。

いずれの場合も、経過措置を設けて段階的に実効性を高めていく方針となっています。

主要ポイント3:法定休日の事前特定義務の新ルール

法定休日を事前に特定する制度の明確化が重要な課題とされています。理由は、現行法では労働基準法35条に法定休日の特定に関する規定がなく、企業ごとの運用にばらつきが生じているためです。

週休2日制が一般化した結果、1週のなかに法定休日と所定休日が混在し、どちらが法定休日に該当するか曖昧な職場も少なくありません。この状況は、労働者の休息確保や私生活のリズム維持という本来の趣旨を損ね、法的な判断を難しくする要因になります。

そのため、研究会では法定休日をあらかじめ特定する仕組みを法律に位置づける方針を示しました。あわせて、振替の期限や手続き、シフト制やパートタイム労働者への扱い、休日変更の可否など実務で論点となる項目を整理し、明確なルールを整える必要もあると述べられています。

主要ポイント4:週44時間特例の廃止と影響

現行の週44時間特例は、廃止される方向で検討されています。対象事業場の87.2%が特例を利用していない現状を踏まえ、すでに役割を終えたと判断されているためです。

廃止された場合には、原則週40時間の法定労働時間が徹底されます。ただし、業種・企業規模による実態の違いを考慮し、経過措置や変形労働時間制との併存も検討されています。

特例に基づいて週44時間で制度設計している企業は、就業規則や36協定の見直し、勤怠管理システムの調整など40時間ベースへの移行準備を早急に進める必要があるでしょう。

主要ポイント5:年次有給休暇の賃金算定方式の統一

改正案では、年次有給休暇取得時の賃金算定方式を、所定労働時間どおり働いた場合に支払われる「通常賃金方式」に原則採用すべきとの方向性が示されています。

現行制度では、以下の3つから企業が選択できるようになっています。

(1)平均賃金

(2)通常賃金方式(所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金)

(3)標準報酬日額

しかし、日給制や時給制の労働者に(1)の平均賃金方式や(3)の標準報酬日額方式を適用すると、計算上、実際の賃金より低く算定される可能性があり、有給休暇の取得をためらう要因となっていました。

制度の統一により、休暇取得時に通常賃金が支払われることが明確になり、労働者は不利益を気にせず有給休暇を利用しやすくなります。

一方、平均賃金方式や標準報酬日額方式を採用している企業は、就業規則や給与計算システムの見直しが必要となるため、改正施行までに算定方式の変更や労働者への周知を計画的に進める必要があります。

主要ポイント6:「つながらない権利」ガイドラインの内容

つながらない権利の整備は、勤務時間外の私生活を守るために重要です。企業には、退勤後や休日に連絡を受けない状態を確保する仕組みづくりが求められます。

つながらない権利は、労働契約で定めた時間外に使用者が従業員へ介入しない考え方に基づくものです。現場では突発対応や顧客要因で連絡が発生しやすく、私生活との境界が曖昧になりやすい実態があります。

欧州では、アクセス可能時間の明確化や不利益取扱いの禁止が導入されている国が多く、日本でもガイドライン整備の議論が進んでいるのが現状です。例えばフランスでは、労使協議で内容を決定し、合意できない場合は事業者へ憲章作成を義務付けています。

日本でも勤務時間外に許容される連絡の範囲を整理し、顧客と担当者の関係も含めた複合的な要因や業務方法、事業展開などを含めた総合的な社内ルールを労使で検討していかなければなりません。

こうした議論を促すためにも、国によるガイドラインの整備が重要な検討事項となっています。

主要ポイント7:副業・兼業者の労働時間通算ルール見直し

副業・兼業における割増賃金の算定では、労働時間の通算管理を不要とする方向で議論が進められています。

現行制度では、本業先と副業・兼業先の労働時間を1日単位で細かく通算し、割増賃金を計算しなければなりません。しかし、この複雑な運用が企業の副業許可や労働者の雇用を困難にしており、無申告での副業を招く一因になっているとの指摘があります。

副業は労働者の自発的な選択であり、時間外労働の抑制という割増賃金の趣旨が本業先・副業先双方におよぶべきではないとの考えから、割増賃金算定時の通算管理廃止が検討されています。

一方、労働者の健康確保のための労働時間通算は、継続のままです。また、同一使用者の命令に基づき複数事業場で働く場合や出向兼務の形態では、引き続き割増賃金算定時も通算が妥当とされています。

改正されることで、企業の労務管理負担が軽減され副業・兼業の促進が期待される一方で、健康管理への対応強化がこれまで以上に重要となるでしょう。

中小企業が押さえるべき2026年改正のリスクと影響

2025年の報告書で示された方向性は、多くの中小企業にとって労務管理のあり方を根本から見直すきっかけとなるものです。週44時間特例の廃止や勤務間インターバルの導入など、対応に労力を要しますが、働き方の透明性や離職防止につながる面もあります。

ここでは、改正による主な影響と特に注意すべきポイントを解説します。

■勤怠管理の厳格化とシフト調整の難航

労働基準法の改正が施行された場合には、中小企業は勤怠管理の一層の厳格化を求められるようになります。

特に、連続勤務日数の把握や勤務間インターバルのチェック、法定休日の明確化など従来より細かな管理が必要となるため、これまでの手作業やExcel中心の運用では対応が難しくなる場面が増えることが想定されます。

また、飲食・小売・宿泊などのシフト勤務が多い業界では、週44時間特例の廃止や勤務間インターバル制度の導入により、割増賃金の増加や追加人員の確保が求められるケースも出てくるでしょう。

その結果、人件費の上昇が業務全体の負担につながる可能性があります。こうした制度変更に対応するには、勤怠の記録にとどまらず、業務プロセス全体の見直しや効率化を進めていく必要があります。

自社の運用に合わせたルールづくりやツールの活用を検討しつつ、無理のない形で制度対応を進めていくことが重要です。

■未対応による残業代請求・採用難・労基署対応のリスク

法改正への対応が不十分な場合には、企業運営に影響が生じる可能性があります。ここでは、中小企業が特に注意しておきたいポイントを整理します。

未払い残業代請求と「付加金」への対応負担

管理監督者を含めた客観的な労働時間管理の徹底が求められるなかで、実態と役職の要件が一致していない「名ばかり管理職」が指摘されるケースがあります。

この場合、過去の残業代請求や付加金の対象となることもあるため、役職基準や労働時間管理のルールを早めに見直しておくことが重要です。

労働基準監督署の調査対応と運用ルールの整備不足

部署や店舗ごとに運用方法がばらついている場合、労働基準監督署による調査の際に、説明資料や記録の準備に時間を要することがあります。このような事態を避けるには、社内で統一したルールや運用フローを整えておくことが重要です。

採用・定着面での影響

近年の求職者は、給与だけでなく休暇の取りやすさや勤務時間の明確さなど、働きやすさを重視する傾向があります。

勤務間インターバル制度やつながらない権利への関心が高まるなか、職場環境の印象が採用や定着に影響するケースも増えており、適切な制度整備と透明性のある情報発信が求められます。

2026年施行に向けた実務対応|今開始すべき4ステップ

今後予想される改正法への対応には、多くの時間を要する準備が含まれます。施行直前の混乱を避けるためにも、猶予がある今の段階から計画的に着手することが重要です。

ここでは、企業がスムーズに法改正へ適応するために今から進めておくべき準備を、以下の4つのステップに整理して解説します。

ステップ1:自社の労働時間管理・休日運用の棚卸し

ステップ2:勤務間インターバルなど規定・就業規則の点検

ステップ3:勤怠・給与システムの改修準備

ステップ4:つながらない権利を含む社内ルールの更新と周知

それぞれ見ていきましょう。

ステップ1:自社の労働時間管理・休日運用の棚卸し

2026年に向けた準備は、まず自社の現状を大まかに棚卸しすることから始めます。就業規則や36協定、勤怠データ、管理職の働き方などを確認し、どこにリスクが潜んでいるのかを把握しましょう。

現状把握後に、リスクが高いと思われるポイントを優先的に絞り込み、小さな改善策を試験的に導入するなど段階的に対策を進めます。

特に、インターバル制度や休日運用、管理職の労働時間管理などの労務・法務・経営が複雑に絡む領域は、本格的な見直しが必要です。

その際、欠かせないのが人件費インパクトの試算です。改正によって労働時間や休日運用が変わった場合、自社のコスト構造にどれほど影響が出るのかを具体的に算出し、収支計画の調整を進めましょう。

ステップ2:勤務間インターバルなど規定・就業規則の点検

次に、就業規則や労働契約書の新制度への未対応条項を早急に洗い出しましょう。

「勤務間インターバル」「副業・兼業に伴う労働時間の通算管理」「テレワーク時の労務管理」「評価制度との整合性」「連続勤務の上限」「休日の指定方法」などの条項を確認してください。

古い規程を改定せずに運用していると、最新の法改正や指針とのずれから「法令未対応」と判断されるリスクが高まるため注意が必要です。

点検時期は、年2回の実施が望まれます。4月施行の法改正や年度替わりに合わせた3~4月、10月施行改正や最低賃金改定直前の8~9月が実務上の適した時期です。

今後も関連法令の見直しが続くと予想されるため、「4月前後」「10月前後」の2度にわたる点検が望ましいでしょう。決算後の5~6月も、評価制度や給与制度改定とあわせた整合性チェックに適した時期といえます。

ステップ3:勤怠・給与システムの改修準備

勤怠・給与システムの改修は、法改正に備えて早期に着手する必要があります。今後の改正は休日や賃金に直結するため、既存システムの見直しは不可欠です。まずはシステムベンダーへ早期に相談し、改修計画を立案しましょう。

改修にあたっては、評価制度や残業管理との整合性確認が重要です。在宅勤務者の時間外労働の把握や、役職手当・役割給との連携など、制度全体との一貫性を意識した対応が求められます。

さらに、法改正時に自動更新されるシステムや、時間外労働を予測して法令遵守をサポートする製品などへの移行も検討しましょう。

ステップ4:つながらない権利を含む社内ルールの更新と周知

新たなルールを周知する際は、労働基準法106条で定められた掲示・書面交付などの方法があります。ただし「つながらない権利」のような新設項目は、実務上は掲示だけでは定着しにくいため、説明会や研修などの併用が望ましいでしょう。

就業規則や社内規程に勤務時間外の連絡原則禁止を明記し、緊急時の連絡ルート(当番制・ホットラインなど)を整備しましょう。そのうえで管理職を中心とした直接説明や教育を実施し、勤務時間外に連絡を強要しない文化を醸成する必要があります。

在宅勤務規程とも連動させ、勤務と私生活の境界を明確化することで実効性が高まります。各部門の責任者と連携しながら、従業員の意識改革まで含めた周知計画を立案するようにしましょう。

2026年改正を機に進めるバックオフィス改革

2026年を機に進めるバックオフィス改革は、今後の働き方と組織運営を見直すよい機会です。重要なのは、改正対応を追加業務として捉えるのではなく、業務そのものを整え直す契機と位置づける姿勢です。

この視点に立つと、属人的な運用や根性頼みの働かせ方から脱却し、持続可能な業務体制へ移行する必要性が明確になります。

見直しの方向性は、業務フローの棚卸しや規程類の整理、担当範囲の適正化などです。リソースが不足する場合は業務量や優先順位を見直し、必要に応じて給与計算など一部をアウトソースして負荷を分散させましょう。

改正まで時間がある今こそ、将来に耐えうるバックオフィス基盤を整備する絶好のタイミングといえます。

労基法改正(2026)に関するよくある質問(Q&A)

労基法改正(2026)に向けた主な提言について、想定される制度運用の方向性をQ&A形式でまとめました。

Q1.勤務間インターバル11時間は全業種義務化されますか?

勤務間インターバル制度の義務化(原則11時間)が提言されていますが、まだ法改正は確定していません。

諸外国の運用を見ると、制度には多様な適用除外が設けられているケースがあります。日本でも企業が導入しやすいよう、適用除外の対象職種の設定や11時間を確保できなかった場合の代替措置など、より柔軟な対応や経過措置が検討される可能性があります。

Q2.つながらない権利違反に罰則は科されるようになるでしょうか?

2026年12月現在、日本で具体的な施策として提言されているのは、こうした話し合いを促進していくための積極的な施策(ガイドラインの策定など)の検討であり、現時点では違反に対する罰則が科されるかは明確ではありません。

海外では、「つながらない権利」を法制化している国も存在しています。例えばフランスでは、具体的な内容の設定や範囲について労使協議で決め、合意に至らない場合には「つながらない権利の行使方法等を定めた憲章を作成すること」が使用者に義務付けられています。

日本で法規制が導入された場合、直接罰則が限定的でも労働基準監督機関による監督・指導の公的権限の行使など、労働保護法の実効性を担保する手段の対象となる可能性は十分に考えられるでしょう。

変化に対応できる組織へ|法改正を契機とした労働環境の最適化

2026年に予想される労働基準法改正は、企業にとって労働時間管理・休日運用・就業ルールの大幅な見直しが求められる大きな転換点です。対応の遅れは人件費増加や労基署対応、採用難といった経営リスクにつながります。

今後の審議動向を注視しつつ、自社制度の棚卸しやシステム整備、社内ルールの再構築を早期に進め、持続可能な働き方へスムーズに移行できる体制を整えましょう。

構成/岡本 清

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