カビの発生や繁殖など、衛生面での問題が発生しやすい空間の衛生管理。食品関連施設の従業員は、日々の業務でどのようなことに気を配っているのだろうか?
パナソニック 空質空調社はこのほど、「食品関連施設の衛生管理に関する意識・実態調査2025」を実施し、1,000名の有効サンプルを集計した結果を発表した。
衛生管理に関する意識・実態について
■「職場の空間における衛生管理として、カビ対策などの衛生管理に気を配っている」食品関連施設の従業員の84%
全国の20歳以上の会社員で、食品工場の製造・加工部門、品質管理・検査部門のいずれかを担当している人(以下「食品工場勤務」)、または、スーパーマーケットの精肉部門、鮮魚部門、惣菜部門、ベーカリー部門、店舗運営(店長など)のいずれかを担当している人(以下「スーパーマーケット勤務」)、飲食店のキッチンスタッフ(調理スタッフ)、洗い場スタッフ、店舗運営(店長など)のいずれかを担当している人(以下「飲食店・店舗勤務」)の計1,000名(全回答者)に、職場の空間における衛生管理について質問した。
はじめに、全回答者(1,000名)に、職場の空間における衛生管理として、カビ対策などの衛生管理に気を配っているか聞いたところ、「気を配っている」は83.7%、「気を配っていない」は16.3%となった。
食品関連施設においては、大多数の人が普段から衛生管理を心がけているようだ。こうした高い意識は、今後も空間の衛生管理を強化する製品・サービスの需要拡大につながると考えられる。
■職場の空間における衛生管理について、日頃の業務で“気を配っていること” 1位「カビの発生や繁殖への対策」
では、衛生管理として具体的にどのようなことに気を配っているのだろうか。
職場の空間における衛生管理について、日頃の業務で“気を配っていること”を聞いたところ、「カビの発生や繁殖への対策」(53.9%)が最も高くなった。食品関連施設においてカビへの対策を行うことの必要性や重要性を感じている人が多いことがわかった。
また、職場で、“カビの発生”に注意を払っている場所を聞いたところ、「加工・調理エリア」(67.0%)が最も高くなり、次いで「保管庫・倉庫」(55.0%)、「加工・調理エリアや保管庫・倉庫以外の壁・天井・空調設備まわり」(39.4%)となった。
「加工・調理エリア」は高温多湿になりやすかったり食材など豊富な栄養分がある環境だったりすることもあり、カビが発生・繁殖しやすくなるため、特に注意を払っているという人も多いのではないだろうか。
■職場におけるカビ対策 「定期的な清掃」が突出
全回答者(1,000名)に、職場では、“カビ対策”として、どのようなことを行っているか聞いたところ、「定期的な清掃」(78.3%)が突出して高くなり、衛生管理の基本として重視されていることがわかった。以降、「スタッフの衛生管理の徹底(手洗い、作業服の衛生管理など)」(46.6%)、「温度・湿度管理(換気・サーキュレーター導入など)の徹底」(41.8%)の順となった。
■カビ対策への意識 「負担に感じている」は職場でカビ対策を行っている人の68%
職場でカビ対策を行っている人(874名)に、職場における“カビ対策”について、どのくらい負担に感じているか聞いたところ、「非常に負担に感じている」が18.3%、「やや負担に感じている」が49.3%、合計した『負担に感じている(計)』が67.6%で、半数以上の結果となった。負担感の削減に向けて対策を講じる必要がありそうだ。
職場における“カビ対策”について、取り組む中で感じている改善点や工夫が必要だと感じる点を聞いたところ、「作業負担が大きい」(36.7%)が最も高く、次いで「空間全体の対策が難しい」(32.6%)、「効果が一時的で長続きしない」(32.3%)、「対策の効果が実感しづらい」(27.0%)、「カビ対策ができる設備や機器が不足している」(24.3%)となった。
“作業負担の大きさ”のほか、“空間全体の対策の難しさ”、“設備や機器の不足”についても少なくない結果となり、対策の難しさが浮き彫りになった。
“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”への意識について
■“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”への意識
全回答者(1,000名)に、“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”について質問した。
“HACCP”とは、Hazard(危害)・Analysis(分析)・Critical(重要)・Control(管理・制御)・Point(点)の頭文字をとった言葉で、食品の安全を確保するための衛生管理手法だ。また、HACCPを実施するには、衛生管理を支える、信頼できる製品や設備が必要だ。その中でも、“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”は、HACCP対応に適しているとされている。
職場で“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”への意識について、食品関連施設の従業員数別にみると、100人~1,000人未満の施設では『活用・設置に前向き(計)』が5割以上(100人~500人未満52.9%、500人~1,000人未満50.0%)、1,000人以上の施設では6割(59.6%)となった。従業員規模が大きい施設ほど、第三者機関による認証を受けた信頼性の高い設備・機器の導入意欲が高く、衛生管理手法“HACCP”の対応に適した設備の選定に積極的な傾向が見られる。
■“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”へのイメージ・期待、「食品衛生管理のレベルが高い」が最多に
職場で“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”について、既に設置している・関心がある・検討中である人(464名)に、“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”に対するイメージ・期待を聞いたところ、「食品衛生管理のレベルが高い」(53.4%)が最も高くなり、「安心安全の証として信頼できる」(52.8%)、「食品衛生管理がしやすい」(50.2%)、「従業員の衛生意識向上につながる」(46.6%)、「顧客や取引先へのアピールになる」(42.7%)が続いた。
自施設の食品衛生管理レベルの向上や食品衛生管理の負担軽減はもちろん、「安心安全の証として信頼できる」や「顧客や取引先へのアピールになる」の回答割合も高く、安心安全の証が顧客へのアピールにつながり、施設への信頼感を高めることに貢献すると考えられていることが読み取れる。
衛生管理手法“HACCP”の浸透に伴い、“第三者機関によるHACCP製品認証を取得した製品”の普及がさらに進むことが見込まれる。また、世界的にも食の安全性への関心は高まっており、こうした食の安全性を支える製品の導入が今後一層広がると考えられる。
出典元:パナソニック株式会社調べ
構成/こじへい







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