日産が2026年夏に投入する新型エルグランド(e-POWER/e-4ORCE)と、トヨタの現行アルファードを比較。走りか、空間とリセールか、購入の最終判断ポイントを解説します。
目次
最上級ミニバンは憧れであり、ステータスシンボルと言えます。そしてその頂点に長年君臨してきたのが、トヨタ「アルファード」&「ヴェルファイア」です。

アルファード Executive Lounge

ヴェルファイア Executive Lounge
しかし、2026年夏、その牙城を崩すべく、日産が満を持して新型「エルグランド」を投入します。


新型エルグランドは、日産の先進技術である第3世代e-POWERを採用。電動四輪駆動システムe-4ORCEとインテリジェントダイナミックサスペンションで、従来のエルグランドのイメージを一新する走りを可能にすると言われています。
未だ詳細なスペックは公表されていませんが、2025年12月時点で判明している情報と、現行アルファードの情報を比較。家族のため、あるいはビジネスのために最高の相棒を探す方へ、購入前の検討材料になれば幸いです。
2026年夏に新型「エルグランド」が登場する
日産は「Japan Mobility Show 2025」にて、取締役、代表執行役社長兼最高経営責任者のイヴァン エスピノーサ氏のプレゼンテーションにより、新型「エルグランド」を正式に発表しました。

プレミアムミニバンのパイオニアである、エルグランドの第4世代モデルは、2026年夏の発売が予定されています。
開発テーマに「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」を掲げ、日本の美意識と先進性を融合させたデザインが特徴となります。
新型の目玉機構といえそうなのが、EVに近い走行性能を可能にするe-POWERと、電動駆動四輪制御システムe-4ORCEの採用です。

これにより、エルグランドのDNAである「運転の愉しさ」をさらにレベルアップさせ、プレミアムミニバンにふさわしい快適な乗り心地を両立させると発表されています。
日産は、国内事業再活性化の核に新型エルグランドを位置づけており、その本気度が伺えます。
アルファードと比較してみた
ここからは、2025年12月時点で公開されている情報を元に、新型エルグランドとアルファードを比較してみましょう。
■エルグランドとアルファードのエクステリア比較
アルファードは、2023年6月21日に発表された4代目となる現行型でエクステリアをさらに進化。
「フォースフル×インパクトラグジュアリー」をテーマに、迫力のあるフロントグリルを持ち、突進するような力強さと躍動感を生み出し、唯一無二の存在感と上質さを実現しています。

特に、ビジネスパーソンにとっては、その風格がステータスシンボルとして機能しています。

一方、新型エルグランドは「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」をテーマとし、洗練され、優雅な印象となっています。

新型エルグランドのサイズは全長4995×全幅1895×全高1975mm(日産測定値)となっており、アルファード(全長4995×全幅1850×全高1935mm/1945mm)をわずかに上回る堂々としたサイズです。

ちなみに3代目のエルグランドは全長4965/4975×全幅1850×全高1815mmとなっており、新型のサイズアップが顕著です。

3代目「エルグランド」250 Highway STAR Premium
両車とも「高級感」という点で共通していますが、アルファードが剛の迫力、エルグランドが柔の洗練という対照的なアプローチとなりそうです。
■インテリアの違いは?
アルファードのインテリアは、広々とした空間と随所に散りばめられた豪華な素材、そして最上級グレードの「Executive Lounge(エグゼクティブラウンジ)」に象徴される、移動する豪華な応接室というコンセプトです。

特に後席の快適性は、他の追随を許しません。

一方、新型エルグランドは「最高のおもてなしで温かく安らげる、洗練された空間」を目指しており、日産のおもてなしの精神を体現する、よりパーソナルで心に寄り添うような居心地の良さを追求しています。


具体的には、シートの快適性や静粛性、そして国内モデル初の14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイを採用し、上質で先進的な空間を実現。


乗る人すべてにリラックスできる時間を提供するはずです。
■エンジンはどう違う?
新型エルグランドは、第3世代e-POWERの搭載が確定。エンジンで発電し、モーターの力で走行するため、EVに近い静かで滑らかな加速と力強いトルクが持ち味です。アクセル操作にリニアに反応するモータードライブの感触は、従来のミニバンにはないものです。

対するアルファードは、2493ccの直列4気筒ガソリンエンジン(ヴェルファイアには2393cc直列4気筒インタークーラー付ターボエンジンがラインアップ)と、燃費に優れる2487ccのハイブリッドの2種類。

2.5L 2AR-FEエンジン

2.5L A25A-FXSエンジン
さらに、ハイブリッドには日本初のプラグインハイブリッドモデルが、2024年12月に追加されています。

対するエルグランドのe-POWERは、ミニバンに「モータードライブ」という価値観を持ち込み、アルファードのハイブリッドとは一線を画す、BEVのような力強い走行フィールを提供することとなりそうです。
発電特化型エンジンは「ZR15DDTe」という型番がうたわれ、排気量は1500ccクラスとなります。
■駆動方式&サスペンションは?
新型エルグランドは、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を採用。前後モーターのトルク配分を瞬時に最適化し、走り出しや加減速時に高い安定性と快適な乗り心地を実現。

さらに旋回中には、従来のモーターとブレーキの統合制御に加え、リヤモーターのトルクを積極的に活用して、気持ちのよいコーナリングを可能にします。
一方、アルファードは、ハイブリッド車に電気式4輪駆動方式「E-Four」を用意。
サスペンションはどうでしょうか。
アルファードはフロントにマクファーソンストラット式コイルスプリング、リヤにダブルウィッシュボーン式コイルスプリングを採用し、上質な乗り心地を実現しています。

マクファーソンストラット式フロントサスペンション

ダブルウィッシュボーン式リヤサスペンション
新型エルグランドは、走行シーンに応じて4輪の減衰力を可変するインテリジェントダイナミックサスペンションを採用。車体の揺れを抑えながら、不安なく落ち着いた挙動を実現します。
e-4ORCEとサスペンションの組み合わせがエルグランドの「運転の愉しさ」をどこまで引き上げるか、注目したいと思います。
■運転支援システム
新型エルグランドは、高速道路での運転を支援する「プロパイロット2.0」「プロパイロット」を搭載しています。
新型エルグランドの「プロパイロット」では、渋滞時に時速50km以下のスピードでハンズオフした状態の走行が可能になります。
また、ドライバーのウインカー操作で、車線変更支援を行う機能も追加されています。
アルファードは、Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)を標準装備し、高度な予防安全性能と、駐車支援システムの「Advanced Park(アドバンスト パーク)」をExecutive Loungeに標準装備するなど、ドライバーの負荷軽減に力を入れています。
新型エルグランド、アルファード共にトップレベルの安全装備となるでしょう。
購入する際、両者の違いをどう考えるか?
新型エルグランドとアルファードは、エルグランドの実車の登場が待たれますが、以下のようにまとめられそうです。
走り重視:新型エルグランド(e-POWER/e-4ORCE)
空間とリセール重視:アルファード
■買うならどういう人におすすめ?
新型エルグランドは、「運転も楽しみたいパパ」や、「新しい技術や体験を重視する層」を満足する最上級ミニバンとなりそうです。

e-POWERとe-4ORCEによる革新的な走行フィールは、従来のミニバンの常識を覆し、ドライバーとしての満足度を満たしてくれるでしょう。発売が楽しみです。
一方、アルファードは、「パッセンジャーに最高の空間を提供する」最上級ミニバンです。

「確立されたステータスとリセールバリューを最優先する」層に引き続き強く推奨されます。
特に、後席にVIPを乗せる機会が多いビジネス用途では、アルファードの地位は揺るぎません。
ちなみにレクサスには「LM」がありますが、こちらはリムジン的な存在です。

後席でくつろぐエグゼクティブのためのショーファードリブンな高級車であり、ドライバーも楽しめる新型エルグランドやアルファードとは一線を画する乗り物です。

アルファード(ヴェルファイア)がファミリーユースにも使える最上級ミニバンの頂点に君臨することは間違いなく、新型エルグランドが走りと革新という個性でどこまでその地位に迫れるか、注目されます。
■中古車市場でリセールバリューはどうなる?
アルファードの圧倒的なリセールバリューは、購入の大きな後押しとなります。
新型エルグランドも、e-POWER/e-4ORCEという独自の強みを持つことで、2010年にデビューして15年が経過した現行モデルより、はるかに高いリセールバリューが期待されます。

「エルグランド」2010年8月18日の発売当時のモデル(250XG 2WD)
しかし、アルファードの牙城を崩せるかどうかは、登場後の販売実績、そして海外市場での人気獲得にかかっています。
初期の評判が良ければ、新型エルグランドのリセールも望めるでしょう。
価格が適正でアルファードと別軸の評価が認められたら、新型エルグランド人気は大化けする可能性があります。
2026年夏の登場に期待しましょう。
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※当記事に掲載している価格などのデータは2025年12月時点でのものです。
文/中馬幹弘
ガジェット・MONO・マネー編集/ライター。慶應義塾大学卒業後、野村證券にて勤務。アメリカンカルチャー誌編集長、モノ情報誌編集を歴任。iPhone、iPad登場時よりスマホ実務に携わる







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