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なぜ、過去最高額に到達したのか?米国サイバーマンデーのオンライン消費額は142.5億ドルに

2025.12.09

アドビから2025年のホリデーシーズンのうち、「サイバーウィーク」と呼ばれる感謝祭(11月27日)からブラックフライデー(11月28日)、サイバーマンデー(12月1日)までの5日間を対象としたオンラインショッピングデータが発表された。

これはアドビの分析ソリューションAdobe Analyticsを通じて得られたオンラインでの商取引データから、eコマースの状況を示す最も包括的な分析で、米国の小売りサイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU(Stock Keeping Unit)、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づいている。

本稿では2025年12月2日(米国時間)に同社の米国本社から発表されたプレスリリースをベースに、その概要をお伝えする。

午後8時から10時のピーク時間帯には毎分1600万ドルが消費された

サイバーマンデーのオンライン消費額は合計142.5億ドルで、前年比7.1%増となり、アドビの当初予測である142億ドル(前年比6.3%増)を上回った。午後8時から10時のピーク時間帯には、毎分1600万ドルが消費されたことになる。

サイバーマンデーは史上最大のオンラインショッピングデーであり、買い物客はエレクトロニクス(ピーク時は表示価格から31%オフ)、玩具(同28%オフ)、アパレル(同25%オフ)、コンピューター(同23%オフ)、テレビ(同22%オフ)、家具(同19%オフ)、家電(同19%オフ)、スポーツ用品(同17%オフ)などのカテゴリーでお得な値引きを活用した。

サイバーウィーク終了後、値引き率はピーク時から下がるが、12月の第1週まで、玩具(表示価格から最大23%オフ)、コンピューター(同20%オフ)、エレクトロニクス(同19%オフ)、テレビ(同19%オフ)、アパレル(同18%オフ)、スポーツ用品(同15%オフ)、家電(同15%オフ)、家具(同15%オフ)などでお得な商品を見つけることができた。

■ブラックフライデーの成長率は2年連続でサイバーマンデーを上回る結果に

サイバーウィーク(感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間)は、オンラインで合計442億ドル(前年比7.7%増)の売り上げをもたらした。これには、ブラックフライデーの記録的なオンライン支出(118億ドル、前年比9.1%増)が寄与している。

ブラックフライデーの成長率は2年連続でサイバーマンデーを上回る結果となった(2024年サイバーマンデーは前年比7.3%増、ブラックフライデーは前年比10.2%増)。

買い物客は早期のお得な値引きを積極的に活用し、これにより、週末(11月29日と11月30日)に118億ドル(前年比8.7%増)、感謝祭(11月27日)に64億ドル(前年比5.3%増)の過去最高の支出を記録した。

サイバーウィークでの好調な結果を受けて、アドビは2025年のホリデーシーズン(11月1日から12月31日)でのオンライン支出が2534億ドルに達し、前年比5.3%増加すると予想している。

後払い決済「Buy Now Pay Later(BNPL)」が10億ドルを突破

柔軟な支払い方法として、後払い決済の利用数はサイバーマンデーに過去最高を記録、10億3000万ドル(前年同期比4.2%増加)となった。これは、消費者がホリデーシーズンに向けた予算の管理により柔軟性を求めた結果と考えられる。

後払い決済の大多数はモバイル経由で行われており、サイバーマンデーでは79.4%のシェアを占めていた(デスクトップ経由と比較)。

2025年11月に実施されたアドビの米国消費者1000人以上を対象とした調査では、回答者はエレクトロニクス、アパレル、玩具、家具の購入で後払い決済を利用する可能性が最も高いと答えた。

AIとソーシャルメディアによるオンラインショッピングの加速

生成AI搭載のチャットサービスやブラウザはホリデーシーズンに大きな存在感を示し、消費者がお得な情報を見つけたり商品を調べたりするのに役立つツールとなっている。

サイバーマンデーには、米国の小売サイトへのAIトラフィック(リンクをクリックした買い物客数で測定)が 670%増加した。そしてホリデーシーズン開始から現在まで(11月1日から12月1日)で、AIトラフィックは760%増加している。

ユーザー数こそ多くないが、この増加はAIがショッピングアシスタントとして提供できる価値を示している。これらのサービスは、ビデオゲーム、家電、エレクトロニクス、玩具、パーソナルケア製品などのカテゴリーで最も利用された。

アドビはまた、米国の小売サイトで消費者を購入ボタンへと誘導するマーケティングチャネルの動向も追跡している。

今シーズンのソーシャルメディアは際立っており、サイバーマンデー時点で売上比は3.6%で、前年同期比で56.5%と大幅に増加した(2024年シェア2.3%、前年比4.5%増)。

一方、ソーシャルメディアインフルエンサーを含む「アフィリエイトおよびパートナー経由」のよる収益シェアは21.8%で、前年比7.4%増加している(2024年シェア20.3%、前年比6.8%増)。

有料検索やメールなどの主要チャネルがオンラインでのトラフィックや売上に貢献していることは変わらないものの、消費者が新製品を探し見つけるのにソーシャルメディアがますます活用されているようだ。

サイバーマンデーにおけるインサイト

■モバイル経由の購入がさらに増加

サイバーマンデーにおけるオンライン売上の57.5%がモバイル経由となり(デスクトップ経由との比較)、支出額は82億ドル(前年比8.0%増加)となった。

近年、小型画面でのショッピングは大きな注目を集めており、5年前(2020年)にはサイバーマンデーのモバイル経由の売り上げシェアは41.4%であった。

今年の感謝祭では、モバイル経由の売り上げシェアが初めて60%を超えた(61.6%)ことで、モバイル経由でより衝動的な購入が増え、ホリデーシーズンの成長が促進されたと考えられる。

■エレクトロニクス、アパレル、家具が引き続きeコマースの主要カテゴリーに

サイバーマンデー時点で、オンライン支出の半分以上(57%)は、エレクトロニクス(37億ドル、前年比12.8%増)、アパレル(26億ドル、前年比5.2%増)、家具(18億ドル、前年比5.4%増)の3つのカテゴリーによって牽引された。

その他の注目すべきカテゴリーには、化粧品(5億ドル、前年比7.0%増)やスポーツ用品(6億ドル、前年比6.0%増)がある。

■どのような製品が人気を集めたのか

サイバーマンデーでは、Bluetoothヘッドホンとスピーカーのオンライン販売が2025年10月の平均支出と比べて1850%増加した。

他に強い需要があったカテゴリーには、ビデオゲーム機(1800%増)、冷蔵庫・冷凍庫(1700%増)、ホームセキュリティシステム(1500%増)、スマートホーム製品(1450%増)、スマートウオッチとフィットネストラッカー(1400%増)、掃除機(1300%増)、小型キッチン家電(1250%増)、コンピューター(1200%増)、イヤリング(950%増)、調理器具(950%増)、電動工具(900%増)、アウターウェア(850%増))などがある。

■サイバーマンデーの注目商品について

フィッシャープライスのリトルピープル、Magna Tiles、DIYクラフトキット、プレイドー(粘土)セット、Ms. Rachelの知育玩具、ボードゲームやカードゲーム、ナーフガン、KPOPデーモンハンターズの玩具やアクションフィギュア、パウ・パトロールの玩具、その他ぬいぐるみや玩具が注目を集めている。

人気のゲーム機にはXbox Series X、Nintendo Switch 2、PlayStation 5、PlayStation Portalがあり、人気ゲームタイトルにはCall of Duty: Black Ops 7、Battlefield 6、Donkey Kong Bananza、Pokémon Legends、Legends of Zelda Games、MLB The Show 25がある。

<サイバーマンデーの他の人気商品>
デジタルカメラ、旅行鞄セット、フィットネストラッカー、テレビ、ロボットやコードレス掃除機、マッサージガン、カウンターで使えるアイスマシン、アクティブウェアやアスレジャースタイル、そして電気毛布などがある。

2025年のホリデーシーズンは力強くスタート

ホリデーシーズン開始から現在まで(11月1日から12月1日)の期間で、消費者のオンライン支出は合計1374億ドルに達し、前年比で7.2%増加した。モバイル経由のショッピングはこれまでのオンライン売上の52.8%を占めており(デスクトップとの比較)、支出額は737億ドル、前年比で7.2%増加している。

さらに、後払い決済は支出のうち101億ドルを占め、前年比9.0%増加した。

今シーズンの強力な値引きは、エレクトロニクス、スポーツ用品、家電などの高額商品の購入を促し、その結果、eコマースの成長を加速させた。

今シーズン(11月1日から12月1日)は、最も高価な商品の「販売台数シェア」が19%増加している。カテゴリー別にみると、エレクトロニクスで54%、スポーツ用品で52%、家電で41%、パーソナルケア製品で30%、工具やホームインプルーブメントで26%の増加となった。

(C)2025 Adobe Inc. All rights reserved. Adobe and the Adobe logo are either registered trademarks or trademarks of Adobe in the United States and/or other countries. All other trademarks are the property of their respective owners.

関連情報
https://www.adobe.com/jp/about-adobe.html

構成/清水眞希

@DIMEはサイトローンチ時より編集業務に携わる。現在は雑貨や家電、オーディオなどの新製品に加え、各種の社会調査・統計、話題の新スポットからイベント情報などを担当。信条は正確さとわかりやすさ。最近の趣味は日付が変わる時刻のウオーキング。

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