10月13日に大阪・関西万博が閉幕。「万博ロス」も囁かれる中、レガシーを継ぐ「アフター万博メシ」が盛り上がっている。
その一つが『くら寿司』の「世界の料理」だ。現地食材などを使い、世界70カ国の料理を再現したサイドメニューで、月替わりで全国販売を行っている。『くら寿司』の大阪・関西万博店は、開幕から予約が取りづらい状況が続いたこともあり、「万博が終わっても食べられる!」「近所の店で食べられて嬉しい」などと注目のマトだ。
しかしなぜ寿司ではなく、サイドメニューにしたのか? 『くら寿司』に突撃したぞ。

「回転ベルトは、世界を一つに。」
唯一無二のエンターテインメント「ビッくらポン!」でもおなじみ『くら寿司』といえば、年間7000万皿を売り上げる「熟成まぐろ」(一皿115円・税込)や不動の人気「サーモン」(一皿115円・税込)など、おいしい寿司を、楽しくリーズナブルに提供してくれる大手回転寿司チェーンである。
※一皿の価格は店舗により異なる
そのこだわりの一つに「安心」があることをご存知だろうか。
たとえば、4大添加物無添加。すべての食材において、化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料を使用せず、顧客の健康を最優先している。もう一つがオリジナルの抗菌寿司カバー「鮮度くん」だ。これは空気中に浮遊する様々なウイルスやほこりなどから寿司を守りたいと開発された。
大阪・関西万博店は、こうした〝安心安全な食の提供〟と、〝回転ベルトでワクワクする体験〟を届けたいと出店。世界最長の回転ベルトで、万博に訪れた多くの人が笑顔になったことは記憶に新しい。
まさかのどんでん返しでサイドメニューを商品化
でも、なぜサイドメニューに? 『くら寿司』広報・岡本愛理さんが包み隠さず教えてくれた。
時をさかのぼること2023年。開幕の1年半前には、どのようなものを販売していくかを考えはじめ、2024年1月に「万博に参加する161カ国の代表料理を寿司としてアレンジしよう」と方向性が決定。開発は着々と進んでいたという。

「161カ国、それぞれ3商品ずつ開発を進め、480種類くらいのお寿司が8割方は出来上がっていました。ところがある日、社長から『お寿司にアレンジすると国の料理のよさがなくなるし、地域によっては似た味わいになる。お寿司はやめて、サイドメニューとして開発し直そう』という意見が出て! 2024年の夏に、白紙に戻りました」(以下「」内、すべて『くら寿司』広報・岡本愛理さん)
Oh,my god!まさかの『くら寿司』社長自らのどんでん返しである。
しかし、その意見にも一理ある。現地の味を寿司にしようとすると、どうしても味わいを寄せる部分や相性の問題もあったのだろう。
「新たに商品開発部が調べ上げ、スイーツもあればおかず系も交え、地域に偏りがでないよう70カ国に絞りました。さらにそのうち25カ国は大使館にも行き、出来上がったものを大使に召し上がっていただいたんですよ」
また、メニューや食材によっては現地から取り寄せたものも。
「たとえばスペインの『ハモンセラーノ』は、スペイン産のものを現地から取り寄せています」
こうしてより本格的な現地の味が、「世界の料理」として再現されたのだ。
「世界の料理」を全国で食べられるようにした理由
万博のレストランやカフェはどこも混み合っていたが、『くら寿司』大阪・関西万博店には、30万人以上もの人々が詰めかけた。岡本さんによると、予約がとりづらい状況は最初から最後まで続いたという。
「30日前からの事前予約は、夜中0時の予約枠オープンから数分で埋まってしまう状況。当日予約も万博の9時の開場に合わせて並んでいただき、開場から30分くらいで受付分が終わってしまうほどでした。苦労してご来店いただいたお客様からは、『「世界の料理」を目当てに来ました』というありがたいお声をたくさんいただきましたね」
決して大袈裟でなく、『くら寿司』の座席は争奪戦だったのだ。

こうした状況も受け、大阪・関西万博店は顧客の声を取り入れ、つねにサービスを改善し続けたそうだ。また、顧客の声こそが、閉幕後にも万博飯を楽しめるようになった理由だとも。
「最初、世界の料理はお持ち帰りができなかったのですが、予約できなかったお客様からのご希望で、5月末から『お持ち帰りセット』を販売し始めました。
また、9月には10日間限定で、全国店舗で3商品も販売したんですよ。それから『おうちでも食べたい』という声に応えて、9月19日から2種の冷凍セットも通販限定で販売しました。ありがたいことに即日完売だったので、今後も定期的に販売していきたいと考えています。
これらの取り組みの中で『万博が終わってからも食べたい』というお声も多かったんです。そこで11月から、全国の店舗で販売をすることにしました」
月替わり・数量限定!気になる人はお店に急げ!
2025年11月から、月替わり・数量限定で全国の回転ベルトを流れている。12月は地域によって異なり、スウェーデン王国の『ミートボール』やトンガ王国の『ケケ』ほか、11カ国の料理を提供予定。 2026年1月の内容は「乞うご期待!」とのことだ。
「手前味噌ですが、全国的に非常に好評です。われわれも品切れにならないよう手配はしていますが、数量限定のため、今後もしかしたら売り切れの可能性も……。気になる方はお早めにお試しください。
おすすめは、お寿司の気分転換につまんでいただく食べ方です。ビールをはじめお酒との相性もよいので、アルコールと組み合わせていただくのもよいでしょう」
わたしたちに身近な回転寿司で、本格的な世界の料理が食べられる――。
物価高が叫ばれる今、日頃からお財布にやさしい『くら寿司』だからこそなし得るメニューではないだろうか。お子さんがいる方は、「世界の料理」から各国に思いを馳せたり、会話が弾んだりするかもしれないぞ!
年末年始はお寿司と「世界の料理」を楽しみに、『くら寿司』へ行ってみてはいかがだろう。
文/ニイミユカ
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