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3分で白湯が完成!ドウシシャの「白湯専科」シリーズが20万個も売れた理由

2025.12.05

家族やパートナーと一緒に楽しみたい人向けの『白湯専科ピッチャー』

2025年9月には『白湯専科ピッチャー』が発売された。容量は1.0Lで、家族やパートナーと白湯を楽しみたい人向けにつくった。

『白湯専科ピッチャー』は写真のアイボリーとピンクベージュの2色展開。白湯づくり以外にも、麦茶のようにやかんで煮出した後に素早く粗熱を取りたい場合にも使える。付属のほこりよけカバーを使えば、緑茶などを低温抽出することも可能だ

沸かしたお湯を注ぐと、約2分で70~65℃まで下がる。マグカップより設定の温度帯が高めだが、これは陶器やガラスのカップで飲む時に適温になるようにするためであった。喜多さんは次のように話す。

「ステンレスのマグカップが苦手な方が一定数いらっしゃいますので、お手持ちのマグカップで白湯を楽しんでいただきたいと思い冷めた時の温度帯を高めにしました。お湯が沸いてからマグカップに注いで飲むまでが3分でできるよう、2分で設定の温度帯にまで下がるようにしています」

構造は『白湯専科マグカップ』と同じ。ただ、冷めた後の温度帯が異なることから、吸熱剤の配合はこれまで開発したマグカップ2種と変えなければならなかった。またしても、喜多さんにお湯と向き合う日々が訪れた。

喜多さんはピッチャーの開発から、「逆算してつくることを学びました」と明かし、こう続ける。

「マグカップより大きくなり吸熱剤が多くなったことから、重さが1kg強あります。これ以上重くなると持ちづらくなることから温度帯、冷ます時間、重さを最初に決めた上でサイズ、吸熱剤の量や配合を決めるようにしました」

美味しい紅茶の淹れ方も提案するリプトンとのコラボ

また、『白湯専科』シリーズでは他ブランドとのコラボも始まった。ピッチャーと同時期に、紅茶ブランドのリプトンとコラボした『白湯専科マグカップmeets Lipton』を同社公式オンラインストア『ドウシシャマルシェ』と全国のドン・キホーテ、ユニーの店舗で発売した。

『白湯専科マグカップmeets Lipton』はリプトンイエローラベル、リプトンさくらティー、リプトングリーンティーの3色展開で、リプトンのロゴも配置。リプトンらしい鮮やかな色合いが映える

リプトンとのコラボは、同社の他部門で実績があったことから実現したもの。リプトンカラーを採用しロゴを入れただけではなく、リプトンにマグカップを使ってもらった上で紅茶や緑茶の美味しい淹れ方を考案してもらい、レシピを印刷したカードをパッケージに同梱している。

リプトンが考案した『白湯専科マグカップmeets Lipton』とティーバッグを使った紅茶の淹れ方。実際にリプトンが『白湯専科マグカップ』を使い考案したものだという
同じくリプトンが考案した『白湯専科マグカップmeets Lipton』とティーバッグを使った緑茶の淹れ方

紅茶が美味しく飲める温度は70℃前後。やかんで沸かしたお湯で抽出したものをマグカップに注ぐと、美味しい紅茶が飲みやすい温度に下がり飲みやすくなる。紅茶と『白湯専科マグカップ』の相性はバッチリだ。

取材からわかった『白湯専科』シリーズのヒット要因3

1.簡単に始めやすい

白湯はつくるのが面倒、飲みたい時に気軽に飲めないことから、始めたいと思っても二の足を踏みがち。しかし、これを使えば無理なく白湯を飲むことを習慣にすることができる。上記の理由から白湯を始めたくても始められなかった多くの人を取り込むことができた。

2.健康志向の高まりにマッチした

温活や腸活が盛り上がる背景には、健康志向の高まりや美容意識の向上がある。こうした意識の変化が進んでいく中で始めやすいのが白湯を飲むことであり、時流に乗って販売を伸ばした。

3.一度挫折した人が復活しやすい

つくるのが面倒なため、白湯を飲み始めたものの挫折してしまった人もいる。簡単に白湯ができる『白湯専科』は一度挫折してしまった人から見ても魅力的で復活しやすかった。

喜多さんによれば、『白湯専科』はギフト需要も高いという。健康や美容のためということがわかるものなので、贈られた方は贈り主の気遣いに心が温まるに違いない。

今後の新アイテムについては、構想が複数あるという。商品化はピッチャーの売れ行きを見て決めたい考えだ。

製品情報
マグカップ/ピッチャー
マグカップ(meets Lipton)
電気ケトル

取材・文/大沢裕司

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