「コンソメ」を生産している北海道「訓子府工場」「十勝工場」
キューブタイプの「コンソメ」や、これからの季節に欠かせない「鍋キューブ」や、「パスタキューブ」などを生産しているのが、味の素食品北海道の「訓子府(くんねっぷ)工場」。訓子府では、材料の混合、乾燥、打錠(キューブ状にする)、包装を行っている。
また、「十勝工場」では「コンソメ」の原料となるチキンエキスや肉野菜エキスを製造しており、コーンパウダーや、クルトン、ミルポワなどを生産している。(※下記画像は、訓子府、十勝で生産される原料や製品群)
十勝工場、訓子府工場で生産される、「コンソメ」が出来上がるまでの製造工程は以下の通り。
(1)丸鶏(国産鶏)を解凍し、丸鶏、ニンニク、ショウガを一緒に細断し、ミキサーに投入する。
(2)水を加えて10時間以上煮込むことで、チキンエキスが完成。ビーフエキス、白菜エキスを加えて、さらに3時間以上煮込んで濃縮させる。ここまでの工程は十勝工場で行われている。
(3)ここからは訓子府工場での工程となる。キューブにする前のコンソメの粉を作るために各原料を人の手で計量。十勝工場で作った液体原料(肉野菜エキス)、油脂原料、粉体原料を混ぜ合わせる。粉は人の手で投入、液体、油脂は自動で投入され、混合する。
(4)混合したコンソメの粉を同じ機械の中で途中まで温風で乾燥させて、途中から冷風で冷却する。乾燥したコンソメの粉を細かく解砕してから充填する。
(5)1分間に1打錠機330個のペースで打錠(キューブ状にする)。金属検出機ですべての製品に異物がないか確認。1キューブごとに銀紙包装を行い、銀紙包装後、外観で傷、汚れ、ずれ、シール不良がないかを目視で確認する。また、重量に問題ないか定期的に重量検査を行っている。
(6)ピローと呼ばれる7個入のアルミ包装を行う。アルミ包装後、外観で傷、汚れ、ずれ、シール不良がないかを目視で確認。定期的に穴が開いていないかの水没試験や重量検査を行っている。
7個入のアルミ包装×3本(固形21個入箱の場合)をひとつの小箱に詰める。すべての製品に異物がないか、賞味期限印字が明瞭であるか、重量に問題がないかを確認する。
(7)10個箱をラップでラッピング。ラップ包装の緩みがないか、すべての製品に異物と重量に問題がないかを確認する。10ラップを一つの外箱に手作業で段ボールに入れる。包装に関してもすべての製品に異物と重量に問題がないか、印字が明瞭であるかは目視で確認する。
【AJの読み】スープだけでなく様々な料理に使える「コンソメ」
訓子府工場のある北海道・訓子府は、周りを山に囲まれた盆地で寒暖差が大きく、1年を通じて最高気温と最低気温の差が60度になることもあるとか。雨が少なく、日照率は全国有数で高く、たまねぎ、じゃがいも、とうもろこし、ビート、小麦など多くの農産物が採れる地域。
訓子府工場に隣接する場所でもとうもろこしを栽培しており、8月中旬から9月にかけては、こちらで採れたとうもろこしを使ったコーンパウダーを集中生産するため、同時期は一部の商品を除いて停産するのだとか。甘くておいしいとうもろこしは、クノールのカップスープの原料に使われる。

主力製品である「味の素 KK コンソメ」は21個入(42人分)だが、若者や単身世帯等、初めて購入する人には量が多く、購入ハードルが高いため、これらの層には手に取りやすい50gの顆粒タイプや、5個入り、7個入りの固形タイプの販売も強化注力していくとのこと。12月から展開する「くまのプーさん」のパッケージも若年層にアピールするのが狙いだ。
顆粒タイプは5~10秒で溶けるのに対し、固形タイプは70℃のお湯で1~2分かかるが、スープ、ポトフ、カレー、シチューといった煮込む料理については固形タイプがおすすめ。
筆者も「コンソメ」を使用して30年以上になるが、溶けやすく計量しやすいため顆粒タイプを、用途に合わせて固形と併用して使っている。ちなみにキューブ1個分は顆粒小さじ2杯分。固形でスープを作る目安はお湯300mlにキューブ1個で2人分。
「コンソメ」はスープだけでなく様々な料理に使える。これからの季節、体が温まるレシピも多く出ている、「コンソメ」おすすめレシピをぜひ参考にしてみては。
取材・文/阿部純子
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