数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎える。そこで2025年11月14日に発売したDIME1月号では「【完全保存版】僕たちを夢中にさせたヒット商品クロニクル」と銘打ち、創刊となった1986年前後を基軸に、時代を彩ったエポックメイキングなモノ&サービスを振り返る特集を展開した。そこから見えてきたのは、ユーザーの「暮らしを便利にしよう」「楽しくしよう」という作り手たちの〝思い〟だった。
本記事は日用品編として70年代から2000年代までの傑作アイテムをピックアップ、我々の記憶になった〝その思い〟を感じてほしい!
1977 ← 1966
『プリントゴッコ』の年賀状作りが年末の恒例行事だった
数々のヒット商品を紹介しつづけてきた小誌『DIME』が、2026年春に40周年を迎える。そこで創刊となった1986年前後を基軸に、時代を彩ったエポックメイキングなモノ&サービスを振り返ってみた。そこから見えてきたのは、ユーザーの「暮らしを便利にしよう」「楽しくしよう」という作り手たちの〝思い〟だった。我々の記憶になった〝その思い〟を感じてほしい!
1966年 衣類を絞らず遠心力で脱水する革命

ナショナル 二槽式洗濯機『うず潮』
それまでの洗濯機は、洗濯機の横のローラーに濡れた衣類を挟み、ハンドル回して衣類を絞る脱水方法。そこに遠心力登場! 当時はSFかと思ったよ。
1970年 渋い男が顎に塗り「う〜ん、マンダム」

マンダム『マンダム』シリーズ
全然ハンサムじゃないのにカッコいいチャールズ・ブロンソンのCM(監督・大林宣彦)で、化粧品に興味皆無な野郎のハートをガチッとつかんだ男性化粧品の萌芽。
ラジカセ、ザウルス、ゲームボーイ、あの頃夢中になったアイテムが勢揃い!DIME最新号の大特集は「ヒット商品クロニクル」
数々のヒット商品を紹介しつづけてきた『DIME』は、2026年春に40周年を迎えます。そこで今月発売のDIME最新号は「[完全保存版]僕たちを夢中にさせたヒット…
1970年 あったよね一家に1台カラーボックス

クロシオ『カラーボックス』
下の対談で縦置き、横置き自由とありますが、それどころか、重ねて置いたりも可能。壁の一面をこれで埋め尽くす剛の者もいた。心底便利な品。
1971年 脇に抱えりゃ小学生すらアイビー気分

ミドリ『グルービーケース』
簡単に説明すりゃ非常にしっかりした厚紙でできた開閉自由な箱! そんなライトな物を鞄代わりに通学するのが「オレは自由」な主張だった。
〈EXPERT’S MEMORIES〉
小学校時代、グルービーケース以上に大人っぽいとブックバンドを購入するも、小学校の教科書はグニャグニャで使えず。(ライター カーツさとう)
1972年 オシャレマダムのお出かけ前の必需品

ナショナル『ホットカーラー』
パーマというか、クルクル巻いた髪形が、世の女性の主流だった昭和。これが家にある家庭は「オマエのカアちゃん、オシャレだよな」と友達に言われた。
1974年 華やかな模様が幸せな家庭の象徴

象印マホービン『電子ジャー炊飯器 しあわせコンビ NS型』
レトロブームでリバイバイル人気の花柄模様家電。当時は「これがモダン!」と信じてた。ちなみに初期の電子ジャーは炊飯機能なし。炊飯器から炊いた米を移して保温した。
1976年 多くの家にかき氷器があった時代

タイガー魔法瓶 氷削り器『きょろちゃん』
ハンドルを回すと、氷を削りつつクマの目が左右にキョロキョロ動くという、それがはたして必要? という機能付き。クーラーなき時代の対暑必需品。

1977年 魔法瓶というその名称がすでに強烈

タイガー魔法瓶『エアー押すポット オレンジストライプ』
この時代の魔法瓶の最大の革命は、持ち上げなくても上のボタンをグイと押すとお湯が出てくるという機能。底にターンテーブルが付き、クルクル回る製品もあり。
1977年 ゴッコを超えた出来に、自分がゴッホに思えた


理想科学工業『プリントゴッコ』
自分で描いた絵を、まずはフラッシュをたいてシルクスクリーンに転写、そこに絵の具を好みでのせて印刷する超便利品。今思えば、宛て名は全部手書きだったなァ。
(※2012年12月28日をもってプリントゴッコ事業は終了)
〈EDITOR’S MEMORIES〉
色の境目をマスキングしてインクをのせるんですが、はみ出して混ざったりして。とはいえ、結構こだわって作っていましたね。(DIME編集 田尻)
1977年 牛乳石鹼が誇る大ヒット商品!

牛乳石鹼共進社『シャワラン ビューティシャンプー/ビューティリンス』
リンスを洗面器でお湯に溶いて使ってた時代。コンディショニングというシャレた言葉を引っさげピンク・レディーのCMで登場。オシャレへの第一歩商品。
まだ貧しかったあの時代。差し始めた便利な光明
カーツ 人生62年……。
原口 いきなり何ですか?
カーツ いや、今回のネタは1963年生まれの私の人生走馬灯。
原口 あ~はいはい。
カーツ でもね、こういう家電って、人間がラクするために開発されたはずなのに、何ゆえ、我が暮らしラクにならずなんですか?
原口 それはAIと一緒で、使う人の使い方次第じゃないかと。
カーツ う~ん、マンダム!!
原口 でも二槽式洗濯機とか便利だったでしょ?
カーツ 便利でした。夏には水風呂代わりに洗濯槽に入ってた。
原口 それ絶対ダメなやつです。
カーツ 家風呂なんかねェ~から。そういう時代なんだ、’60年代は。
原口 話変えましてェ……ファンシーケースは流行りましたよね。
カーツ カラーボックスもね。
原口 一人暮らしの人はもちろん、実家でも子供の一人部屋がでてきた時代に、自分用サイズなのがうれしかったですよね。
カーツ カラーボックスは縦でも横でも使える。単純なことが、狭い一人暮らしでも有効でしたよ。
原口 グルービーケースは?
カーツ 小6の時にNFLのマイアミ・ドルフィンズの買った! これを持つだけで大人気分だった。
原口 大人気分で何入れてた?
カーツ ジャポニカ学習帳……。

ライター カーツさとうさん
昭和38年東京生まれ。還暦を過ぎ、新しいことはすぐに忘れるが、古いことだけはなぜか細かいディテールまで覚えていると自分を信じることで、どうにか生きております。

DIME編集部 原口りう子
昭和で生まれ育ち、平成で編集者人生を駆け抜け、気がつけば令和。故に本特集中の商品はほぼ記憶あり(恐)。守りに入りつつある年頃ですが、この時代の攻めてる感じ見習わねば!
■ ナショナルの洗濯機といえば!?
ナショナルは、キックの鬼・沢村忠擁するTBSのキックボクシング中継の初期スポンサー。ラウンドの合間に流れたナショナル洗濯機の♪錆びの心配ないないない♪というCMソングと真空飛びひざ蹴りはセットで覚えた。
■ 電子ジャー登場以前の食卓
電子ジャーが登場する前。今の若い人は想像もつかないだろうが、家庭で食べるお米は炊きたて以外「冷たいモノ」というのが常識であった。それどころかカピカピで固くなったゴハンにお湯掛けて食ったりしてた。哀し。
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