日本発のアイウェアカンパニー「オーマイグラス」は、日本製を中心とした高品質フレームとレンズを組み合わせ、顔型診断やパーソナルカラー診断といった独自サービスで、一人ひとりに最適な一本を提案する。高単価ながら購入率が高く、リピーターが多い理由はどこにあるのか。取締役CMOの渡邊洋輔氏に話を聞いた。
日本製が半数以上。“かけ心地”へのこだわり
2011年に創業し、2014年から実店舗展開を開始。国内29店舗・台湾1店舗を展開し、2025年には国内30店舗に到達する見込みだ。オーマイグラスで扱うアイウェアは1店舗あたり300~400点、半数以上は日本製だ。特に福井県鯖江市の製造技術を高く評価しているという。
「日本のチタン加工の精度は世界でも群を抜いており、フィッティングのしやすさも日本製ならでは。単に軽いだけでなく、耐久性や機能性、デザイン性のバランスが非常に高いんです」
高品質な製品にこだわる同社は、フレームだけでなくレンズのラインナップにも力を入れる。
「フレームは品質基準に合ったものだけを採用しています。レンズはニコンやHOYAの製品を中心に、豊富な選択肢の中から最適なものを提案します。高機能レンズのメリットを正しくお伝えするには専門知識が不可欠なので、スタッフ教育は常にアップデートしています」
満足度と客単価をあげる接客
同社の特徴であり、武器の一つが、2020年から本格的に導入した、顔型診断やパーソナルカラー診断を用いたカウンセリングだ。レンズや素材の知識、接客スキルを徹底的に教育し、20代の店舗スタッフが多いにもかかわらず、単価は現在平均5~6万円と高水準だ。一人一人にしっかり時間をかけるマンツーマン接客が大きな鍵だという。
「メガネは視力矯正器具でありながらファッションアイテムでもあります。オンラインの便利さだけでは、お客様の“本当に似合う一本”にはたどり着きづらい。だからこそ、最後は対面でしっかりカウンセリングすることが満足度につながると考えました」
診断サービスの導入後は決定率・平均単価ともに大きく向上。「自分では選ばなかったデザインに出会えた」という声が絶えないという。筆者も店舗にて普段着用する洋服の傾向やライフスタイルなどヒアリングし、いくつか選んでもらったところ、意外にも、これまで手に取ったことのないタイプが一番しっくりきた。また、長く丸顔だと思っていたが、たまご型だというのも大きな発見だった。
診断はあくまできっかけであり、ロジックだけで「あなたはこれ」と決めるのではなく、生活スタイル・仕事環境・服装の傾向までヒアリングし、総合的に似合う一本を探すことが目的としているという。
顧客の「思い込み」を外し、似合う選択肢を広げる。このコミュニケーションの質こそ、同社が“高くても選ばれる理由”のひとつだ。リピート率も高く、「あのスタッフからまた買いたい」と指名されるケースも増えているという。
海外展開も視野に。日本のアイウェアの価値を世界に広げる
2025年には台湾に初出店し、今後も海外での展開を目指している。
「オーマイグラスが実現したいことの一つが“眼鏡の価値の再定義”です。使い捨て感覚ではなく、体に馴染んで気持ちまで前向きになる“相棒”としての眼鏡の価値を広げたい。長く愛用できる一本を、世界のより多くの人に届けたいと考えています」
品質・接客・診断・教育。どの要素も妥協せず取り組む姿勢こそが、同社を「選ばれる店」に押し上げた。
【取材協力】
オーマイグラス株式会社
取締役CMO 渡邊洋輔氏
https://www.ohmyglasses.co.jp/
取材・文 / Kikka







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