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Z世代の理想年収はいくら?気になる平均年収とのギャップ

2025.11.19

ライフスタイルや価値観などが多様化している中で、世代動向をつかむことは企業運営でも重要なポイントだ。次世代を担うであろうZ世代を中心とした20代は、どんな仕事観を持って働いているのか。

教育を中心に人材・介護・保育・IT・美容・スポーツ事業を傘下に持つヒューマンホールディングスは、企業や団体に勤める20歳から29歳の男女1000名を対象に「仕事観と自分らしさに関する調査」を行った。

この調査は、主にZ世代の仕事観や実態、人生設計について調べることで、Z世代の考える「自分らしい働き方」や希望する職場環境などを明らかにしていく目的で行われた。

Z世代はワークライフバランスを保ち、公私をきっちり分ける

Z世代が考える「自分らしい働き方」では、もっとも多かった回答は「ワークライフバランスを保ちながら働く」(18.1 %)だった。2位の「仕事とプライベー トをきっちり分ける」(15.9 %)と合わせて約3割以上が「公私のバランス」を重視していた。

「好きなことや得意なことを仕事にする」(10.8%)や「収入を増やすために働く」(10.5%)など、自己実現や経済的安定を挙げる声もあったが、「多少プライベートを犠牲にしても目標のために働く」(2.4%)と回答した人は少数派だった。

「メンタルヘルスを守りながら働く」(5.6%)、「タイパよく働く」(5.1 %)といった回答もあり、心身の負担を抑えながら効率的に働くことを重視する傾向がみえる。Z世代にとっての「自分らしい働き方 」は、無理をせずに自分のペースで心地よく働くことで、仕事を「生活の一部」として幸福度を保ちながら働くスタンスのようだ。

仕事も生活も安定させることを目的に働く傾向が強い

「働く目的」でもっとも多かったのは「経済的な安定を得るため」だった。2位の「安定した人生を送るため」と合わせて、多くのZ世代が“安定”を目的に働いているようだ。

3位には「ワークライフバランスを大切にするため」が入ったが、生活やメンタルの安定を重視する傾向は「自分らしい働き方」の結果とも一致している。

「興味のあること・好きなことを仕事にするため」や「自己実現」といった理想や夢を追う回答は少数派で、将来への不安を回避して安定した生活基盤を築くことを優先していることが浮き彫りになった。

約6割がキャリア・スキルの充実よりプライベートの充実を優先

現在の働き方として「キャリア・スキルアップを重視する働き方」と「プライベートの充実を重視する働き方」のどちらを希望するかでは、「希望する」と「どちらかといえば希望する」を合わせた約6割が「プライベートの充実を重視する」と回答した。

「キャリア・スキルアップを重視する」(「希望する」と「どちらかといえば希望する」の合計)と回答したキャリア重視派は約4割だった。

「自分らしい働き方」で最多となった「ワークライフバランスを保ちながら働く」や「働く目的」の上位に挙がった「安定」や「バランス」などと一致しており、従来の「短期集中型の上昇志向」から「ライフバランス重視型の持続可能なキャリア観」へ価値観が移行して、「自分の生活や心の安定を犠牲にしない働き方」をZ世代が理想としていることが読み取れる。

人生100年時代を迎えて、これまでよりもキャリアが長期間になる可能性があり、Z世代が希望する働き方は、健康や生活の質を維持してバランスを取りながらキャリアを長く続けるための戦略的選択とも受け取れる。

導入してほしい働き方制度は「週休3日」と「フレックスタイム」

複数回答可能な質問として「職場に導入してほしい、またはすでに導入済みで今後も維持してほしい働き方に関する制度」について聞くと、もっとも多かったのは「週休3日」(35.1%)だった。

2位以下には、「フレックスタイム」(20.1%)、「副業・兼業の許可」(18.5%)、「短時間勤務」(17.8 %)、「テレワーク」(17.3%)が続いた。

「学ぶための休職制度(サバティカル休暇)」(12.1 %)や「メンタル ヘルスサポート」(11.2%)も一定数が挙げており、長期的に健康で持続可能なキャリアを築きたい意識が強そうだ。

Z世代は、働く時間や場所の柔軟性、プライベートとの両立、自己裁量のある働き方を強く求めているが、柔軟かつ自律的に働けて、生活や自己成長を両立できる環境を理想の職場と考えているようだ。

労働時間の理想と現実にギャップあり

現在の1週間の労働時間は「40時間~45時間未満」(35.6%)でもっとも多く、次いで「35時間~40時間未満」(25.4%)だった。多くはフルタイム勤務に近い水準で働いているが、45時間以上の長時間労働をしている人も約24%(45時間~50時間未満:14.0%、50時間以上:10.7%)も存在した。

理想の労働時間では、「35時間~40時間未満」を挙げた人が32.4%で最多、それに「30時間~35時間未満」(19.1 %)、「30時間未満」(19.0%)が続いた。現状より短めの時間を望む声が約7割という高い割合になった。

半数近くはまだ業務に生成AIを活用せず

「業務における生成AIの活用状況」については、まだ半数近くが活用していないようだ。活用方法では、情報収集(12.1%)、文章作成や校正(11.1%)、データ整理・要約(10.4%)などがあったが、実務で広く活用されているとは言いにくく状況だ。

Z世代の「タイパよく働きたい」、「効率的に業務を進めたい」という意識とは対照的といえる。効率化や時短への関心は高いが、現実の業務では生成AIの活用が浸透していないようだ。個人的な学習やスキルアップに活用している人も8.1%と少数で、自己成長の手段としてのAI活用もまだ限定的だ。

仕事のストレスは「給与」、「仕事のミス」、「仕事量」がトップ3

仕事におけるストレスの要因としてもっとも多かったのは「給与」(26.7%)だった。それに「仕事のミス」(22.7%)、「仕事量」(19.7%)、「上司との関係」(18.6%)や「この先のキャリアが見えないこと」(17.5%)などが続いた。

働くことについては、報酬や業務量、上司・同僚との関係など生活や将来に直結する要素が大きなストレス源になっている。「労働時間」(16.7%)や「社風・職場の雰囲気」(16.7%)などの職場環境もストレス要因として挙がっており、Z世代は長時間労働や職場文化に心身への負荷を敏感に感じているようだ。

理想の年収額は「400万円~500万円未満」が最多で実際とギャップあり

現在の個人年収(額面)については、もっとも多かったのは「300万円~400万円未満」(27.2 %)で、次いで「200万円~300万円未満」(19.5%)という結果だった。希望年収では、「400万円~500万円未満」(20.2%)や「500万円~600万円未満」(17.1%)が上位に入り、現状よりやや高めの年収を望む傾向があった。

政府が公表している年代別平均年収と比較しても同様の傾向があり、国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば20歳から24歳の平均年収は約267万円、25歳~29歳は約394万円と報告されている。

この調査のZ世代は、平均年収に概ね近い水準で働いており、希望年収は平均をやや上回ることが多く、安定を重視しつつも現状より収入を上げたい意欲がみえる結果になった。

Z世代は、「自分らしい働き方 」として無理せず自分のペースで心地よく働くことで、仕事を「生活の一部」として幸福度を保ちながら働くスタンスが理想のようだ。

導入してほしい制度に関しても「週休3日」や「フレックスタイム」など柔軟性や余裕のある働き方ができそうなものが上位に挙がった。一方で効率化や時短への関心は高いが、生成AIの活用状況が低いなど意外な結果もあった。今回の調査を見る限りでは、「ワークライフバランスという言葉を捨てる」という言葉は、Z世代には刺さってないかもしれない。

「Z世代の仕事観と自分らしさに関する調査 2025 vol.1」概要

調査対象:全国/会社員(正社員)・公務員・団体職員として勤務する20歳~29歳男女
調査期間:2025年10月24日~2025年10月27日
回答数:1000名
調査方法:インターネット調査
※調査結果の構成比は小数点2位以下を四捨五入して算出しているため、合計値は必ずしも100%とはなりません。

https://www.athuman.com/news/2025/24784

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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