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「静かな退職」予備軍はどれくらいいる?知っておきたい人材流出を防ぐ方法

2025.11.11

人手不足が深刻化している今、社員が進んで働きたいと思えるような職場環境を整え人材が流出しないよう引き止める必要性が高まってきている。

Thinkings(シンキングス)は、「採用管理システムsonar ATS」において、社内公募とキャリア採用を統合するポジション管理ソリューションとして、新機能「sonar Connecter」の提供を10月より開始した。

これに合わせて同社は、社内におけるキャリア開拓や社内公募の取り組み、それらの課題を把握するために、ビジネスパーソン1,069名(全国の従業員1,000名以上の企業の一般職)へのアンケート調査を2025年9月に行った。

約4割が「埋もれ人材」!“静かな退職”予備軍の割合「埋もれ人材」は「能力発揮人材」の3倍以上多い

現在の部署の業務で、自分の能力が十分に活かされていると思うか聞いたところ、「活かされている」8.8%、「どちらかと言えば活かされている」46.9% 2つの合計は55.7%という結果に。これを「能力発揮人材」と呼ぶ。

「活かされていない」17.6%、「どちらかといえば活かされていない」26.7% 2つの合計は44.3%。これを「埋もれ人材」と呼ぶ。「埋もれ人材」は全体のおよそ4割存在していた。

業務に対する姿勢を聞いたところ、「期待される以上の業務をこなそうとしている」は18.4%、「期待される業務をこなすことを第一に考え、余裕があればそれ以外の業務も対応しようとしている」は56.9%という結果に。

「期待される業務はこなそうと努力するが、それ以上の努力や関与を極力避けるようにしている」の24.6%を“静かな退職”予備群※と位置付けると、“静かな退職”予備軍は全体の約1/4となっていた。

※:“静かな退職”(Quiet Quitting)とは、出世や昇進を目指さず、与えられた職務の範囲内で必要最低限の仕事だけを果たそうとする働き方のこと。「“静かな退職”予備軍」は、“静かな退職”になる可能性がある人たちのこと。

「能力発揮人材」と「埋もれ人材」をクロス集計したところ、「期待される以上の業務をこなそうとしている」は、「能力発揮人材」は23.5%、「埋もれ人材」は12.2%で、「能力発揮人材」のおよそ半分となった。

「期待される業務はこなそうと努力するが、それ以上の努力や関与を極力さけるようにしている」(“静かな退職”予備軍)は、「能力発揮人材」で12.3%、「埋もれ人材」で40.8%。

つまり、“静かな退職”予備軍の割合が、「埋もれ人材」は「能力発揮人材」の3倍以上になる。

社内公募で異動した人には「会社への満足度が上がる」などのポジティブな変化あり

勤務先に社内公募制度があると答えた割合は43.4%※とおよそ4割となった。

※ 選択肢には「社内公募制度(上司の承認は不要で自由に応募できるもの)」、「社内公募制度(上司の承認がなければ応募できないもの)」、「ジョブポスティング制度(部署側が希望する人材要件を社内に公開し、従業員が応募できる社内公募制度))の3種類があり、いずれかの回答の割合が43.4%。

※ なお、同社が2025年5月30日~6月12日にHRプロで実施した、主に企業の人事部門を対象にした調査によると、社内公募制度の導入率は、社員数1,001名~5,000名規模の企業は65%、5,001名以上の企業は83%。本結果とのギャップは、実際の社内公募制度の導入率と、一般職の社内公募制度についての認知の差により生じたものと考えられる。

(参照:「社内公募(ジョブ・ポスティング/手挙げ異動)」の実態調査

「あてはまるものはない」を除くすべての選択肢において、「埋もれ人材」は「能力発揮人材」より回答が少ない結果ことが判明。「埋もれ人材」の勤務先は「能力発揮人材」に比べてキャリアや働き方に関する制度導入や環境整備が進んでいない傾向がある。

勤務先のキャリアや働き方に関する制度や環境が整っていないことが、「埋もれ人材」を生み出し、減らせない要因の1つになっていると考えられる。

社内公募に応募したこと、それにより異動したことがあるかきいたところ、「社内公募に応募して、希望通り異動できた」人は11.1%、「社内公募に応募したが、異動できなかった」人は9.2%。

つまり、社内公募に応募したことがある人は全体の約2割で、それにより異動できた人は全体の約1割であった。「社内公募に応募したことがない」人は79.7%と8割弱という結果に。

社内公募による異動をして変わったことについて質問したところ、具体的な回答で最も多いのは「会社への満足度が上がった」40.0%、2番目は「やりたかった仕事ができるようになった」37.5%、3番目は「能力を発揮できるようになった」25.0%であった。

社内公募により異動した人は「能力発揮人材」が「埋もれ人材」の約2.5倍多い

社内公募に応募したこと、それにより異動したことがあるか、「能力発揮人材」と「埋もれ人材」でクロス集計した。

「社内公募に応募したが、異動できなかった」人は、「能力発揮人材」7.5%、「埋もれ人材」12.5%と、「埋もれ人材」の方が5.0ポイント(約1.6倍)多い。

「社内公募に応募して、希望通り異動できた」人は、「能力発揮人材」15.0%、「埋もれ人材」5.9%と、「能力発揮人材」の方が9.1ポイント(約2.5倍)多い。

この結果は、社内公募による異動をきっかけに「埋もれ人材」が「能力発揮人材」に変わる可能性を示している。一方で、社内公募による異動をしても「埋もれ人材」のままの人も一定数存在いるようだ。社内公募だけの問題ではないことも示している。

社内公募に応募しなかった理由を聞いたところ、「能力発揮人材」が多いのは「今の部署・仕事に満足しているため」で、49.4%、「埋もれ人材」の9.0%より40.4ポイント多かった。

「埋もれ人材」はそれ以外のほとんどの項目で多く、最も回答が多いのは「希望するポジションの公募がなかったため」の45.9%。

2番目は「応募できる条件に当てはまらなかったため」の27.9%。3番目は「社内公募に応募すると上司や職場から悪く思われる懸念があるため」の18.9%。

公募するポジションや応募条件を拡げること、応募することで「悪く思われる」「評価が悪くなる」といった懸念を解消することが、社内公募の応募を増やすために有効と考えられる。

最後に「あなたは今後、希望するポジションの社内公募があれば、応募したいと思いますか。勤務先に社内公募制度がない場合は、制度があると仮定してお答えください」と質問したところ、「応募したい」17.1%、「どちらかと言えば応募したい」32.7%、合計で49.8%となった。

およそ半数は今後、「希望するポジションの社内公募があれば応募したい」と考えていることがわかる。

■Thinkingsによる調査結果についてのコメント

労働人口の減少が続く日本では、これから「企業が働く人に選ばれる時代」が本格的に始まります。企業は、社外からの採用だけでなく、社内人材の活躍機会を広げることも一層求められるようになります。

社内におけるキャリア開拓について調査した本アンケートでは、社員全体の約4割が「埋もれ人材」であり、そうした人材は“静かな退職”予備軍にあたる割合が「能力発揮社員」の3倍高いという課題が浮き彫りになりました。

一方で、社内公募制度は、これまで十分に力を発揮できていなかった人材が、自らの意思で新たな役割に挑戦する機会となり、結果として組織全体のエンゲージメント向上にもつながる可能性があることが示されました。こうした取り組みは、“静かな退職”を未然に防ぐ一助にもなり得ます。

しかしながら、社内公募制度があると回答した人は全体の43.4%と半数以下です。また、社内公募制度はあっても「希望するポジションの公募がない」「応募すると悪く思われる懸念がある」など、運用面の課題も明らかになりました。これらの制度・環境の整備や運用は、人材の能力発揮、エンゲージメントや定着を左右する課題と言えます。

さらに、現状では、多くの企業で「採用(社外)」と「異動(社内)」が異なる業務フローで運用されており、事業部門の人材ニーズに対して柔軟に対応することが難しいのが実情です。

当社が2025年10月から提供する「sonar Connecter」は、こうした課題に対応するソリューションです。本機能により、「sonar ATS」上で、社内公募とキャリア採用のプロセスを統合的に管理し、社内外の人材を最適に配置する基盤づくりを支援します。

調査概要
調査名称:社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査
調査実施主体:Thinkings株式会社
調査対象者:調査会社のモニター登録者
ビジネスパーソン1,069名(全国の従業員1,000名以上の企業に勤務する一般職)
調査期間:2025年9月3日~9月5日

関連情報
https://sonar-ats.jp/

構成/Ara

昭和63年生まれ。最新のトレンドを横断的に紹介するオールラウンド系ライター。編集プロダクションでの書籍制作や、男性向け美容・健康WEBマガジンでのライター経験を経て、現在は最新ファッションアイテムを中心に執筆活動を展開中。

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