部下の成長支援や不安・不満の解消を目的に導入が進む1on1 MTG。適切に実施することでモチベーションが上昇し課題解決へとつながるとされているが、その実効性や運用上の課題はどのようなものがあるのだろうか。
MENTAGRAPHは、22~65歳の全国のビジネスパーソン724人(管理職300名・非管理職424名)を対象に、マンツーマンで行う形式の1on1 MTGについての実態データを集計し、制度普及の一方で現場が抱える「形骸化・マンネリ化」の実態を明らかにしたので、詳細をお伝えしよう。
「1on1 MTG」に満足する部下は約35%にとどまる一方、上司の“手応えあり”は約半数
調査の結果、上司と部下間で1on1 MTGを実施している企業の割合は、41.3%になることが分かった。
1on1 MTGは必要だと思うか、という質問に対して、75.1%が必要だ(とても必要:15.3%、必要:59.8%)と回答しており、上司も部下も必要性を実感しているという結果に。
一方で、1on1 MTGの実施でモチベーションが上がったかどうか、非管理職に質問したところ、上がったと回答したのは32.0%(大いに上がった:0.9%・上がった:7.3%・やや上がった:23.8%)に留まり、約7割の非管理職は、モチベーションが上がっていないという結果になった。
さらに、現在受けている1on1 MTGへの満足度を非管理職に質問したところ、満足しているのは、36.5%(満足:4.7%・やや満足:31.8%)に留まっている。
一方で、1on1に手応えを感じている管理職は約半数(十分な手応えを感じている:5.7%・ある程度手応えを感じている:43.7%)に上り、上司の手応えと部下の満足感にギャップがあることが明らかに。
この結果は、社会的な期待や建前のもと、上司が「1on1を実施している」という行為自体に満足しやすく、本質的な部下の満足に繋がっていない可能性が示唆される。
1on1 MTGの実態について調査をした設問においては、全体の51.9%が「毎回似た内容の繰り返しになっている」、42.8%が「表面的な会話に留まり、本質的な議論に発展しない」という項目に「当てはまる」と回答しており、必要と感じながらも実態としては、マンネリ化や形骸化されてしまっていることが判明。
定期的に実施すること自体が目的になってしまい、内容が二の次になってしまっていることが推察される。
まとめ
今回の調査では、1on1 MTGが制度として定着し、必要性を感じられている一方で、上司と部下の間で受け止め方の認識ギャップがあることが明らかになった。
企業においては、上司と部下間で期待と評価の基準をすり合わせ、成果につながる対話設計へアップデートすることが、1on1 MTGの形骸化・マンネリ化を乗り越え、現場の納得感とパフォーマンス向上につながりそうだ。
調査概要
調査手法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年6月27日~7月3日
調査対象者:20~50代のビジネスパーソン724人(管理職300人・非管理職424人)
関連情報
https://www.mentagraph.com/
構成/Ara







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