こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
基本給が一方的に大幅ダウンさせられた事件を解説します。
ーー どれほどのダウンですか?
Xさん
「50万円から……17万3000円へダウンさせられました」
ーー エマージェンシー!
このダウンは無効?それとも……?裁判の真相はいかに!?
以下、わかりやすく解説します。
※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化
登場人物
▼ 会社
・歯科技工所を経営
・代表者Yさん
▼ Xさん(男性)
・歯科技工士
・入れ歯部門の部長
・S42生まれ
どんな事件か
▼ 入社に至る経緯

ーー この歯科技工所で働くことになった経緯はどのようなものですか?
Xさん
「代表者のYさんから誘われました。代表者Yさんとは学生時代からの知り合いだったんです」
ーー 給料について話はありましたか?
Xさん
「私がそのとき勤めていた職場からもらっている給料程度にしようかという話になりました。私はそのとき約41万円もらっていました」
▼ 入社後の給料支払い
XさんはH9.6に入社。以後、金額は月によって違いはありますが、以下のとおり支払われていました。
H9.6 40万円
~H11.12 ほぼ45万円
H15.1~H17.12 50万円
▼ 基本給が下げられる……

Xさんが勤め始めて約21年が経過したころ、会社が賃金規程を定めました(H30.2)。そしてその賃金規定に基づき、会社はXさんに対して労働条件通知書を交付しました。
ーー 労働条件通知書には何と書かれていましたか?
Xさん
「月給が17万3000円と書かれていました……。その他、固定残業代が7万8000円、特別調整手当、管理手当(月2万円)、通勤手当(月1万円)との記載がありましたが、月給はたったの17万3000円との記載でした」
▼ うつ病になり退職
それから約2年後、Xさんと代表者Yさんが、仕事のやりかたを巡り衝突します。代表者Yさんが業務遂行の方法の変更を決定したのに、Xさんが従わなかったんです。この衝突が原因となったのしょうか、Xさんはうつ病になってしまい退職します。
▼ 提訴
Xさんは「基本給を引き下げされた、さらに残業代を請求する」などと主張して提訴。







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