『テイクオーバー』は、英語の『take over』のカタカナ語で、基本的な意味は『引き継ぐ』です。類義語には、『succeed』『hand over』などがあります。
目次
『テイクオーバー』は、日常会話からビジネスシーンまで、幅広く使われている言葉ですが、よく意味を把握していない人もいるのではないでしょうか?まずは、基本的な意味と具体的な使い方を詳しく見ていきましょう。
テイクオーバーとは?
■英語「take over」のカタカナ語
テイクオーバー(take over)は、英語の『take over』をカタカナにした言葉で、『引き継ぐ』『買収する』『乗っ取る』といった意味を持ちます。ビジネスの場では、企業買収のほか、業務やプロジェクトの引き継ぎを指して使われるのが一般的です。
また、SNSでは『Instagramテイクオーバー』というプロモーション手法、IT分野ではシステム運用を別系統が引き継ぐ操作を意味するなど、状況によって異なるニュアンスを持つ言葉です。
■「テイクオーバー」の使い方と例文
テイクオーバーは、さまざまな状況で使える多義的な表現です。
- そのスタートアップは、大手企業によるテイクオーバー(買収)を経て、事業方針が大きく転換された
- 経営陣の交代に伴い、来月から新チームによる業務テイクオーバー(引き継ぎ)が実施される予定です
- そのブランドは、AIを活用したテイクオーバー(市場支配)戦略によって業界シェアを拡大している
このように、テイクオーバーはビジネスシーンにおいて、企業買収や業務引き継ぎを表す用語として幅広く使われています。
■「テイクオーバー(take over)」の英語での使い方と例文
テイクオーバー(take over) の英語表現は以下の通りです。
- She took over her manager’s responsibilities after he retired.(彼が退職した後、彼女がマネージャーの職務を引き継いだ)
- Investors are concerned that the company could be taken over.(投資家たちは、その会社が買収されるのではないかと懸念している)
- AI is gradually taking over customer support roles.(AIが徐々にカスタマーサポート業務を奪いつつある)
このように、仕事・企業・技術など多様な分野で、『引き継ぐ』『支配する』『買収する』といった形で用いられます。
テイクオーバー(take over)の類義語

テイクオーバーには、文脈や立場によって使い分けるべき多様な類義語が存在します。ビジネスシーンで円滑なコミュニケーションを図るためには、類似表現の微妙なニュアンスの違いを理解しておくことが大切です。
■「succeed」「inherit」
『succeed』は、人や組織の『地位』『役職』を引き継ぐ際に使われます。主に地位的・職務的な承継を意味し、フォーマルなビジネス文脈で多用される動詞です。
- She succeeded her father as the company’s CEO.(彼女は父の後を継いで、その会社のCEOになった)
一方、『inherit』は財産・土地などの有形資産に加え、才能や特徴など無形の特性を受け継ぐ場合にも使います。
- She inherited a large fortune from her father.(彼女は父から多額の財産を相続した)
- I inherited my mother’s artistic talent.(私は母から芸術的才能を受け継いだ)
つまり、succeed は『地位・役職の承継』、inherit は『財産・特性の継承』を表す語です。
■「hand over」「transition」
『hand over』は『手渡す』『引き渡す』を意味し、責任・職務・資産などを他者に渡す行為を指します。take overが『受け取る側』の動作を表すのに対し、hand overは『渡す側』の行為を示すのが特徴です。
- She is preparing to hand over her responsibilities to the new manager.(彼女は新しいマネージャーに自分の職務を引き渡す準備をしている。)
一方、『transition』は『移行』『転換』を意味し、組織や業務が一つの状態から別の状態に変わる過程を表します。主に、引き継ぎを伴う『変化のプロセス』を指す場合によく使われる語です。
- The transition of responsibilities will take place next month.(職務の引き継ぎは来月行われる予定です。)
テイクオーバー(take over)は状況によって意味合いが異なる

英語の『take over』が語源のテイクオーバーには、『引き継ぐ』という意味があります。状況によってニュアンスが変わり、『買収する』『乗っ取る』『奪う』という意味にもなります。
主な類義語は、『succeed』『inherit』『hand over』『transition』です。それぞれの言葉の意味や使用に適した場面を把握し、正しく使うことが大切です。また、hand overは『引き継ぎをする側』が主語になるという違いがあるため、注意しましょう。
構成/編集部







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