
「だいぞう」人気が凄いことになっているのだが、皆さんはご存知だろうか。
ダイソーのブランドカラーであるピンクをまとったゾウのキャラクターが今年9月に誕生した。これは、ダイソーを手がける大創産業の初めての公式キャラクターだ。
発表直後から、だいぞうグッズが次々と販売(店舗限定)され、LINEスタンプも登場。
誕生からわずか1ヶ月でありえないぐらいの盛り上がり
SNSには多くのファンアートもお目見えし、さらには、お笑いコンビ「春とヒコーキ」のぐんぴぃさんが、自身の人気YouTube「バキ童チャンネル」で『だいぞうがかわいすぎる!!』と紹介するなど、誕生からわずか1ヶ月でありえないぐらいの盛り上がりを見せている。
瞬く間に新たな“人気推しキャラ“になった「だいぞう」を大解剖すべく、今回、株式会社大創産業広報の岩橋さんに「だいぞう」の全てを聞いた。
――「だいぞう」誕生のきっかけから教えてください
「私たちは現在、グローバル展開を加速させており、国内はもちろん海外のお客様にもより一層私たちのブランドに親しみを感じていただくことを目指しています」
「新たなステージへ進むにあたり、国内外の従業員が共通のビジョンを持ち、一体感を持ってブランドの魅力を世界中に発信していくための「アイコン」となる存在が必要だと考えました。そこで誕生したのが、創業以来初となる公式キャラクター『だいぞう』です」
「『だいぞう』を通じて、私たちが大切にしている価値観をより親しみやすい形で伝え、今後さらに多くのお客様に私たちのブランドのファンになっていただきたいと考えております」
――従業員からキャラクター案を募集したそうですが?
「はい、昨年8月に国内外のグループ全従業員から応募のあった392点のキャラクター案の中から誕生しました。一次審査で32点に絞り込まれた後、二次審査の社内コミュニティでの人気投票で10点に。ブランドイメージとの親和性、親しみやすさ、覚えやすさなどの総合的な評価、厳正なる審査の結果選ばれました」
「だいぞう」と争ったキャラクター案の中には、猫や犬、怪獣、買い物かごをモチーフにしたキャラもいたという。ちなみに公式キャラに採用された「だいぞう」は、愛知県の店舗スタッフさんのデザインが元になっているとか。
そして、公式ホームページには「だいぞう」の詳しいプロフィールが掲載されているのだが、この中に少々気になる点がある。
出身地が大創産業の創業地であり、矢野靖二社長の出身地でもある広島。これは分かる。
職業はダイソースタッフ。これも分かる。
ただ、「身長が100.3cm 体重が100.3kg」。この中途半端な数字はなんなのか?
「弊社は、2021年に「Standard Products」、22年に「THREEPPY」という新業態店を始めたのですが、両店舗は300円から1000円(税抜き)という商品価格帯なんです。それを踏まえて、数字を前から見るとダイソーの100円、後ろから見ると新業態の300円になるという、複数のブランドイメージを表しています」
ちなみに、誕生日が12月5日というのは、大創産業の法人設立日。お見知りおきを。
業界他社を上回る店舗数と新業態300円ショップの強さの秘密
公式キャラクター発表直後から、著名人が「だいぞう愛」を語り、ファンアートも散見するほど大バズり。その勢いは凄まじい。
「想像以上の反響に驚いております。人気になった理由については、丸くてつぶらな瞳、丸いフォルムなど多くの人に親しみを持っていただけるようなデザインのおかげだと感じています」
もちろん、その要因は「ダイソー」そのものの人気と知名度と信頼にもある。
株式会社帝国データバンクによると、2023年度の国内100円ショップ市場(事業者売上高ベース)が、初めて1兆円を突破。
10年前に比べると1.5倍の規模に拡大し、大手4社の店舗数も、2030年度までには国内累計で1万店規模に到達するとみられるとのこと。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000865.000043465.html
そんな中でダイソーは、2025年2月期の単独売上高が6765億円で過去最高を更新。
5年連続で増収と順調に成長を遂げている。
「私どもといたしましては、お客様の暮らしに寄り添い「こんなものが欲しかった」という期待にお応えできるよう、努めてきた姿勢をご支持いただけた結果ではないかと考えております」
「この結果に満足することなく、これからもお客様の毎日に『楽しさと豊かさ』をお届けできるよう、誠実に事業に取り組んでまいります」
ただ、不安要素もゼロではない。
近年の円高により、輸入コストが上昇。さらには原材料費も上がっている。
為替変動の影響をダイレクトに受けている昨今、大創産業は品質も価格も満足できる商品開発に努めている。
先に紹介した新業態の「Standard Products」では約7割の商品が300円(税抜き)という価格ながら、日本全国の職人や地域産業の技術を惜しみなく注ぎ込んだ商品を提供。
また、「THREEPPY」では、トレンドカラーやキャラクターコラボに取り組み、大人カワイイ雑貨を取り揃えている。
業界他社を上回る店舗力が自慢のダイソーを中心に、こだわりの商品に満ちた「300円ショップ」の新業態でもその強さを見せつけている。
全ての根底にあるのは、楽しく豊かなライフスタイルへ導きたいという想い。
「これからも絶えることなく顧客に愛され持続していく上で大切なことは、社是に掲げております「感動品質、感動価格」をたゆまず、磨き続けお届けし続ける・・これにつきると思っております」
100円ショップの雄「ダイソー」がこれから目指すもの、挑戦したいこととは?
「社是の実現にむけ、人材教育にも注力しながら、国内・国外への出店を推し進めていきたいと考えております。特にダイソーのみでなく、Standard Products、THREEPPYという他ブランドの出店およびブランドの複合出店には力をいれており、市場規模的にまだ拡大の余地があると考えておりますので、今後も国内外のお客様に楽しさ、豊かさをご提供しつづけてまいります」
取材協力
株式会社大創産業
だいぞう特設サイト
ダイソー公式X @daiso_jp
文/太田ポーシャ