
コロナ禍が収束し、出社回帰の流れが強まる昨今。社員にとって居心地の良いオフィスとはどんな空間なのだろうか?
GOOD PLACEはこのほど、首都圏の会社員884名を対象に「オフィスとコミュニケーションに関する調査」を実施し、その結果を発表した。
1.出社は選択から前提の時代へと移行
現在の出社ルールについての問いでは、「出社が義務づけられている(49.6%)」、「出社が推奨されている(20.6%)」となり、70.2%が出社を前提としている企業となっている。完全自由出社は18.1%にとどまっており、出社前提時代に移行している傾向が明らかとなった。
2.オフィス満足度は「自然な会話」の有無により大きく差が出る
「あなたの職場は『自然に会話が生まれる空間』だと思いますか?」の設問に対して、「非常にそう思う」と回答した人の約80%が、オフィスに対して肯定的(「非常に満足」または「やや満足」)な評価をした。
一方で、「自然に会話が生まれる空間ではない」と答えた人の57.8%が、オフィスに対して「不満」(『やや不満』または『非常に不満』)と回答。この結果から、自然に会話が生まれる環境が、従業員のオフィスに対する満足度を大きく左右していることが明らかになった。
3.雑談や偶発的な会話は業務的な効果と心理的な効果の両面に貢献
「オフィスでの雑談・偶発的な会話による影響」について尋ねたところ、「情報やノウハウが得られた」という回答が最も高く39.3%となった。また、「信頼関係が深まった」と回答した人は33.5%、「ストレス軽減・気分転換になった」が28.1%、「チームの一体感が高まった」は23.5%となった(複数回答)。
この結果から、雑談はノウハウ取得などの業務的な効果と、信頼関係の構築やストレス軽減といった心理的な効果の両方に寄与していることがうかがえる。
また、オフィスに対して「非常に満足」と回答した人の50.5%が、オフィスでの雑談によって「アイデアや解決策が出た」と回答。全体平均の2倍以上となり、雑談は単なる気分転換ではなく、業務に直結するポジティブな効果を生む機会でもあるといえる。
4.フリーアドレス導入率は30.2%、雑談頻度は固定席を下回る
座席形式に関して聞いたところ、固定席が59.4%、フリーアドレスが30.2%となった。座席形式ごとの雑談や偶発的な会話の頻度は、固定席が42.3%、フリーアドレスが21.3%と、フリーアドレスの雑談頻度は固定席の約半分となった。
一方、「1日あたりの会議・打合せ以外の会話時間」の問いでは、「30分以上」と回答した割合は固定席が29.5%、フリーアドレスが43.1%となり、フリーアドレスでは会話の頻度は少ないものの、会話時間が長い傾向が見られた。
5.半数以上が雑談疲れを経験、コミュニケーションと集中環境の両立が課題
「雑談が多いと『疲れる』『集中できない』と感じることはありますか?」という問いに対し、51.3%の人が「非常によくある」「ややある」と回答した。この結果から、コミュニケーションを促進しつつ、集中できる環境の両立をいかに整えるかが、今後のオフィス環境づくりにおいて重要なポイントであると考えられる。
<調査概要>
調査期間:2025年8月12日(火)~8月15日(金)
調査対象: 20歳~59歳の首都圏4都県勤務の会社員884名
調査手法:インターネット調査
出典元:株式会社GOOD PLACE「オフィスとコミュニケーションに関する調査」(2025年)
構成/こじへい