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職場の「ハラスメント」の実情、経験者の3割が誰にも相談せず

2025.10.17

社会的な問題としてニュースなどでも取り上げられる機会が増えた「ハラスメント」。実際に職場や人間関係で「ハラスメント」の被害を受けたと思った人もいるはずだ。

エンが運営する総合転職サイト『エン転職』は、ユーザーを対象に「ハラスメント」に関するアンケート調査を実施して概要を公開した。それによれば6割以上が職場でハラスメントを受けた経験があると回答。多くの人にとって、この問題は無関係ではないようだ。

63%が職場でハラスメントを受けた経験あり

・これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?(年代別)

・これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?(男女別)

・これまで職場でハラスメントを受けたことが「ない」と回答された方にうかがいます。職場でハラスメントを受けない理由は何だと思いますか?(複数選択可/年代別)

「これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?」という質問では、63%があると回答。年代別では、40代以上が68%と20代の44%より24ポイントも高く、年代が高くなるほどハラスメントを受けた経験があると答えている。

男女別では、男性が65%で女性が59%と男性の方が6ポイントも高かった。職場でハラスメントを受けたことがないと回答した人に「ハラスメントを受けない理由は何だと思いますか?」と質問すると、「職場の人間関係が良好だから」が53%で最多の回答だった。

受けたハラスメントは「パワハラ」が9割で最多

・これまで職場でハラスメントを受けたことが「ある」と回答した方にうかがいます。どんなハラスメントを受けましたか?(複数回答可/年代別)

・これまで職場でハラスメントを受けたことが「ある」と回答した方にうかがいます。どんなハラスメントを受けましたか?(複数回答可/男女別)

職場でハラスメントを受けた経験者にどんなことだったか聞くと、トップは90%という圧倒的な数字で「パワハラ」だった。年代別では、「セクハラ」と回答したのは20代が36%なのに対して40代以上は17%で19ポイントの乖離があった。男女別では、男性は「パワハラ」と回答した人が女性と比較して12ポイントも高く(男性:96%、女性:84%)、女性は「セクハラ」と回答した人が男性と比較して36ポイントも高かった(男性:5%、女性:41%)。

ちなみに具体的なエピソードについて「パワハラ」では、「昼夜問わず電話がかかってくる。電話に出なければ、なぜ電話に出ないんだと叱られる」(20代男性)や「上司から「残業が多いのはお前が能力不足だからだ」と全員の前で叱責された」(20代女性)や「上司から電話で突然怒鳴られた。その件を役員に報告すると伝えたが「言えるものなら言ってみろ」と恫喝された」(40代男性)といった上司からの理不尽だと感じる高圧的な言動が多かった。

「セクハラ」では、「社内のチャットツールを使用して猥談が行なわれていた」(20代男性)や「「ショートカットだとモテないから伸ばしたほうがいいよ」など容姿に関して言及される」(20代女性)、「飲み会で異性の幹部の隣に座ることやお酌を強要された」(40代女性)といった性的なことや容姿に関する言動に対するコメントが多かった。

ほかにも「カスハラ」では、「直接罵声を浴びせられたり、気持ち悪いとクチコミに書かれたりした」(20代女性)や「電話で怒鳴られた後、今から行くから待っていろと脅された」(30代女性)などのコメントがあり、「マタハラ」では「育児による時短勤務中、業務に対して意見をしたら「残業もしないくせに意見するな」と言われた」(30代女性)や「「大した仕事していないくせに子供が産まれたくらいで休むのか」と言われた」(40代男性)などの対応がコメントとして挙がった。

ハラスメントを受けた3割が誰にも相談していない

・これまで職場でハラスメントを受けたことが「ある」と回答した方にうかがいます。職場でハラスメントを受けた際、誰かに相談しましたか?(複数回答可/年代別)

・これまで職場でハラスメントを受けたことが「ある」と回答した方にうかがいます。職場でハラスメントを受けた際、誰かに相談しましたか?(複数回答可/男女別)

・職場でハラスメントを受けた際「誰にも相談しなかった」と回答した方にうかがいます。相談しなかった理由を教えてください。(複数回答可)

・職場でのハラスメントの相談先を「上司、同僚、家族、先輩、人事、社内の相談窓口、社長・役員、社外の相談窓口(労働局など)」のいずれかと回答した方にうかがいます。相談した結果について教えてください。

職場でハラスメントを受けた経験者に「誰かに相談しましたか?」と質問すると、トップ3は「上司」(32%)、「誰にも相談していない」(31%)、「同僚」(25%)という結果だった。年代別では、「誰にも相談していない」で20代が24%、40代以上が33%と9ポイントの差があった。家族に相談すると回答した人では、20代が26%で40代以上が15%で11%の差があった。男女別では、「誰にも相談していない」が男性37%で女性が23%と14ポイントの差があった。

「誰にも相談していない」と回答した人の理由では、「相談しても解決にならないと思ったから」が最多だった。相談先を「上司、同僚、家族、先輩、人事、社内の相談窓口、社長・役員、社外の相談窓口(労働局など)」のいずれかと回答した人にその結果を質問すると、「解決した」と「解決しないまでも改善した」の合計は27%だったが、「解決しなかった」(63%)と「状況が悪化した」(10%)を合わせると73%で状況が好転しなかったほうが多数派だった。この結果は、「ハラスメント」に対応することの難しさが浮き彫りになったといえる。

職場のハラスメント対策、いまだ31%が未実施

・現在の職場ではハラスメント対策は実施していますか?(※離職中の方は、前職について回答)

・現在の職場はハラスメント対策を「実施している」と回答した方にうかがいます。具体的な取り組みを教えてください。(複数回答可)

・ハラスメントのない職場にするために、企業にして欲しいことは何ですか?(複数回答可)

職場のハラスメント対策は、45%が「実施している」と回答しており、2024年の同じ調査と比較して8ポイント上昇していた。だが、依然として約3社に1社は「実施していない」(31%)という実態もあった。「実施している」と回答した人の具体的な取り組みでは、「相談窓口の設置」(77%)、「ハラスメントに関する研修の実施」(52%)、「ハラスメントに対する自社の方針の周知」(50%)が上位だった。

ハラスメントのない職場にするために企業にして欲しいことでは、最多は「相談窓口の設置」(43%)で、企業に実施してほしい対策としては「外部の相談窓口を作ってほしい」(40代女性)や「公的な第三者に社内を定期的に調査してほしい」(40代女性)などの意見があった。

企業によっては人間関係の距離感が近く、それが職場で「ハラスメント」を受けた人が相談しにくい状況を作っていることも想像できる。外部に相談窓口を設置しても会社内や上司に情報が渡ってしまう不安感もありそうだ。企業側として大切なのは、風通しのよい人間関係と透明性だろう。会社を大きくすることだけに一生懸命のベンチャー企業が「パワハラ」体質だったり、大手企業の社歴の長い社員や年配者が「昔はもっと酷かった。

これはパワハラではない」と正当化しようとするなどの状況は常に起こりうる。そういった意識の低さを改革していく意味では、定期的に現場の声を調査して、「パワハラ」の有無と現状を把握して社内で周知・解決していくことが大切だ。

「ハラスメント」に関する実態調査

調査対象:『エン転職』を利用するユーザー
調査期間:2025年8月4日~2025年8月31日
有効回答数:1955名
調査方法:インターネットによるアンケート
https://employment.en-japan.com/enquete/report-124/

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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