運転に支障があってはならない
今回、JR東日本千葉支社で初の橋梁ライトアップが実現しましたが,懸念事項もありました。
「運転士への照明の悪影響」は特に課題となりました。
そこで、パナソニックはライトニングフローで入念なシミュレーションを行いました。
さらに、汐留サイバードームを活用し、よりリアルな環境で演出の確認を実施。線路内の視点場を等身大に近いスケールで確認しました。
そして、2025年9月29日から、隅田川橋梁のLEDライトアップが実施されましたが、走行した運転士から運行に支障があるとの声は出ていないそうです。
最新シミュレーション技術は設置時間も短縮
橋梁のライトアップの施工は従来、実際に照明器具を設置してから調整を行うことが多く、時間と手間がかかるものでした。
しかし、今回の隅田川橋梁のライトアップについては、シミュレーションが入念に行われたことで、各照明の設置角度なども事前に決定しており、現場では細部の調整にとどまったことで工期の短縮が可能となりました。
昭和7年の橋梁という、古き良き伝統のあるインフラへのライトアップが、最新のシミュレーション技術を活用したことで施行の時短が可能になったというのは、令和の革新といえそうです。
ぜひ、みなさんも両国、浅草橋近辺を訪れる際には、隅田川橋梁の優美な姿をご覧になって、最新の照明技術を実感されてみてはいかがでしょうか?
取材・文/中馬幹弘