
労働人口の減少や働き方の多様化が進む現代において、リモートワークやハイブリッド勤務は多くの企業に浸透し、組織の働き方そのものが大きく変化している。一方で、意思疎通や人間関係の構築において新たな課題も顕在化している。
こうした中ヌーラボはこのほど、20~50代の週1回以上PCデスクワークがある1,000人を対象に「リモートワークにおけるコミュニケーションの課題」について調査を実施し、その結果を発表した。主な結果は以下の通り。
リモート頻度が高いほど深刻化する「伝わらない」問題
リモートの課題感について調べたところ、リモート勤務の頻度が高い層ほど、コミュニケーションの課題を強く感じる傾向があることがわかった。特に「ほぼ毎日」リモートワークを行う人では、上位3項目がすべてコミュニケーションに関する課題となっている。
また取引先などチーム外とのやりとりにおいても課題感が顕著だ。週1日程度リモート勤務をする人のうち、「とても課題を感じる(17.7%)」「やや課題を感じている(41.9%)」と回答した割合は計59.6%に上り、全体平均の42.0%を上回った。意思疎通や関係構築に支障をきたしている実態が明らかになった。
部下への声かけ・指摘が難しく、上司の悩みが増大
「部下との1対1のコミュニケーションで課題に感じていること」について尋ねたところ、「個々人の性格やタイプに合わせた対応が難しい」「一方通行のコミュニケーションになりがち」(各17.5%)が最多で、次いで「ネガティブな情報伝達が難しい」(16.8%)となった。
リモート環境では、一人ひとりの性格や仕事のスタイルに合わせた対応が難しくなる。特に「一方通行になりやすい」「ネガティブな情報を伝えにくい」といった理由から、部下との十分なコミュニケーションが取れず悩む上司が増えていることが明らかになった。
形式化する会議、失われるチームの一体感
「部署全体でのコミュニケーションで課題を感じていること」について尋ねたところ、「意見を発信する人が偏る」(20.2%)が最多となり、以下「細かいニュアンスの伝達が難しい」(16.7%)、「会議が形式的になり、実質的な成果がない」(16.2%)と続いた。
会議のオンライン化が進む中、チーム内の議論が形式的になり、特定のメンバーのみが発言するケースも見られるようになった。その結果、多くの会議が成果につながらない「形骸化」した場となり、チームの一体感や生産性を低下させる要因となっているのかもしれない。
出典元:株式会社ヌーラボ調べ
構成/こじへい